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「没後25年記念 東山魁夷と日本の夏」(山種美術館)で気に入った作品3選

東山魁夷 《年暮る》

引用:東山魁夷記念一般財団法人
https://www.higashiyama-kaii.or.jp/%E5%B9%B4%E6%9A%AE%E3%82%8B/

なぜか懐かしくて、温かい気持ちになる。
寒い日に、温かいものを食べたり、布団に入ったりして「あったかい〜」って幸せを噛みしめるのが好き。
この絵に描かれている家の中の人々も、こうやって新年を迎えているのかもしれない。

それぞれの作品に合わせて、東山魁夷をはじめ制作者たちの文章も展示されていて、全部読むと意外と時間がかかった。
本人による《年暮る》の説明を読むと、雪が上から下へと静かに降りていく様子や鐘の音などを鮮明に想像できた。

京の街に、しんしんと雪は降る。
遠く、近く、おごそかな鐘の響き———
一つ一つの屋根の下に、
人それぞれの思いを籠めて、
年が逝き、年が明ける。

自然の中の喜び・冬』講談社

加藤栄三 《流離の灯》

引用:ファッションプレス「特別展「東山魁夷と四季の日本画」山種美術館で - “四季に移ろう風景”を描いた近現代日本画約40点」
https://www.fashion-press.net/news/64604

加藤栄三は、花火は「この世の美の集大成」であると語ったそうだ。
つまり、この世の美しいものを全部かき集めて1つにしたら、花火になるってこと⁉︎ そんな気もするけど、自分の意見ももちたくなった。
本当は「私だよ!!」と言ってやりたい。言えない。

そうだなぁ、水じゃないかな。大きな宇宙に数え切れないほどある星のひとつである地球上に、数多存在する生物のうちの1種類にすぎない人間が作ったものが、この世の一番になれる可能性は低いだろう(壮大すぎる視点を早口で語るオタク)。
ちなみに水を選んだ理由は、無色で透明で、きらめき、波紋を描き、決まった形をもたない。さらに、生命が生きるのに必須であるにも関わらず、殺しうるものでもあるから(大幅脱線失礼)。

山田申吾 《宙》

引用:山種美術館X
https://x.com/yamatanemuseum/status/1614170580294537217

タイトルは、宙と書いて「おおぞら」と読む。
写真ではなく本物を見るべきランキング第1位(暫定)。

地面に大の字で寝そべる。視界には草原と空しかないし、頭の中にも心配事が何ひとつない。
その瞬間がどれほど幸せか。なんてことに気づくのは、苦しい経験をしてから。
山田申吾は、この絵を描くまでにどんな経験をしてきたのだろう。今度、図書館で調べてみようと思った。

おまけ:Cafe 椿の和菓子

美術館内のカフェで、和菓子とお抹茶をいただいた。
前に座っているのは、着物を自分でリメイクした服を着ている母。金箔緑茶を注ごうとしている。

私が食べたのは、奥村土牛の《睡蓮》をモチーフにした和菓子。
この作品も展示されていた。涼しげなのにぬくもりがあって、かわいかった。

引用:文化遺産オンライン
https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/215484

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