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これから初期研修を始める方に知っておいてほしいこと


はじめに

第118回医師国家試験受験者の方、いよいよ合格発表も近づいてきましたね。
初期研修の準備を進めている人、初期研修について不安に思っている方、様々だと思います。
私の場合は不安に思いつつも何を勉強したらよいか分からないような状態でした。
現在私は消化器科の専攻医として地方病院にて勤務をしています。
初期研修を終えてしばらく経った今、自身の初期研修について振り返っていきたいと思います。
お勧めの勉強本や、仕事の効率化、資産形成等にも触れていきますので皆さんに役立つ内容になるかと思います。
興味のある方はこのまま読み進めてください。


私の初期研修病院について

私は地方国立大学を卒業後、同地方の市中病院2年間でのプログラムを開始しました。
病床450床ほどの3次救急病院であり、年間3000~4000件ほどの救急車の受け入れのある比較的忙しい病院でした。
研修プログラム・設備の特徴としては

  • 年収 500~600万ほど

  • 研修医寮あり 寮費10000円程度

  • 初期研修医用の医局あり 1人1台デスクと電子カルテ提供

  • 当直 Walk-in対応 月に3-4回

と忙しいながらも生活環境としては良かったと思います。
ただ、寮が近すぎてPHSが届くのが一長一短でしたが。

研修医としての仕事

私の研修病院では研修医のローテ期間としては基本的に1ヶ月でした。
1年目でいろいろ回ってみて、2年目で悩んでいる科をもう1度選択してみて診療科の最終決定をされる方が多かったです。
広く、浅く回れるため、内科を考えていた自分にとっては『J-OSLER』の症例集めでメリットがありました。
1方で、1ヶ月ローテのため各科の診療内容や手技になれる前や、慣れてきたころに交代になってしまうこともありました。

手技を多くさせてもらうには

1月ローテですと関係性の構築にあまり時間が使えません。
仲良くなったころに交代
とかも度々ありました。
後日、呑みに連れて行ってもらうことはありましたが。
なので1月の間に多く手技をするにはアピールが必要でした。
要は

  • 手技をちゃんと勉強していることのアピール

  • 手技をやってみたいアピール

をしておかないと、なかなか手技が回ってこない状況でした。
言い方が良くないかもしれないですが『頑張っているアピール』ですね。
病棟の患者さんを診ていること手技を見学することなどアピールの方法は沢山あります。

今現在は自分が初期研修の子に手技をさせることもありますが、やはり『信頼できる子』にしかさせたくはないです。
ミスがあれば自分がカバーしないといけないので。
もっと言うなら
『この子ならミスしないだろうし、もしミスしたとしても自分がカバーできる範疇だろう。少なくともひどいミスはしないだろう。』
このくらいの印象までにはなっておく必要があります。

そのためにできることとしては

  • 挨拶・時間を守るなどの社会人としての基本

  • 研修医室に籠りすぎず、病棟や外来診療に積極的に参加する

  • 『~の手技がある時見たいです』など、勉強する姿勢を見せる

  • 質問は抽象的なものは避け、具体的にする方が〇(輸液が分かりません➡~の疾患がある方の輸液で●●の他に何か気をつけることありますか?)

上記のような内容を心がけると良いでしょう。

メンタルがやられそうになった時は

長い研修生活の中で、メンタルがやられそうになる時もあります。
私は麻酔科の研修の時に上級医のパワハラで、だいぶやられました。(麻酔科の先生、スミマセン)
詳しくは伏せますが、『人格を否定するような発言』まで食らい鬱になりかけてました。
研修医統括の先生に相談したところ、最終的にはその先生は研修医の指導から外れました。
その間私には数日間の有給が与えられ、暫し業務から離れて気分転換が出来ました。

私の場合は『研修医統括』の先生にかなり良くして頂いて迅速な対応もされたので良かったですが、そうでない場合は身を守る手段が『休みを取る』しかなくなることもあります。
ただ、初期研修中は休みが取れないと思っているかもしれませんが、義務有給は5日間あり、他にも10数日取得可能なはずです。
月の半分程を有給で休んでしまったとしても、研修は終了できます。
『いざという時には逃げ道はある』
ことを知っているだけでも気持ちはだいぶ楽かと思います。

研修医時代役立った書籍

私のブログでも紹介している内容です。
初期研修にお勧めの書籍10選になります。

初期研修にお勧めの書籍10選

  1. 内科レジデントの鉄則 第4版

  2. 感染症プラチナマニュアル Vre.8

  3. サンフォード感染症治療ガイド

  4. 当直医マニュアル2024

  5. 研修医当直御法度 第7版

  6. レジデントのためのこれだけ輸液

  7. レジデントのための これだけ心電図

  8. 総合内科病棟マニュアル

  9. 疾患と異常像がわかる! エコーの撮り方 完全マスター

  10. 研修医手技マニュアル第3版

順にみていきます。

①内科レジデントの鉄則 第4版

鉄板の書籍でもう知ってるという方もいるかもしれませんが、よい書籍なので紹介します。働き始めて出てくる『分からない』が大体書いてあります。

まずはこれから読んでみましょう!

②感染症プラチナマニュアル Ver.8

病棟で熱が出た患者さんの相談があった時に背景からどこまで菌種をカバーし抗生剤を投与するか、投与量はどうするか迷いますよね? ほぼこれに書いてあります。

ポケットに入るサイズで持ち運ぶことも出来ます。

この本かサンフォードのどちらかは持っておいて良いでしょう

③サンフォード感染症治療ガイド

感染症関連については先述のプラチナかサンフォードどちらかは持っておきましょう!
②か③見やすい方で良いですが、上級医によって『プラチナ派』『サンフォード派』がある場合もあります。

④当直医マニュアル2024

救急当直や病院によってはwalk-in(歩いてくる患者さん)対応を行うはずです。当直のお供として是非。

⑤研修医当直御法度 第7版

同じく当直関連です。 主訴(胸痛・腹痛など)ごとに目次があり、読みやすく、価格も比較的お求めやすい値段です。

⑥レジデントのためのこれだけ輸液

『レジデントのための~』シリーズは初学者に向けた内容となっており読みやすいものが多いです。

病棟管理の際や「輸液調整を考えてみて」と言われることもありますので、持っておいて損はないでしょう。

⑦レジデントのための これだけ心電図

同じく『レジデントのための~』シリーズです。

「先生、不整脈が出てるんですけど観察でいいですか?」と聞かれた際に対応できますか?自信が無ければ持っておきましょう。

⑧総合内科病棟マニュアル

こちらは初期研修はもちろん専門研修でも使える総合内科病棟マニュアルシリーズです。 赤が基礎、青が疾患ごとの管理についての内容です。

⑨疾患と異常像がわかる! エコーの撮り方 完全マスター

初期研修医でエコーに苦手意識がある方も多いと思います

なんとか綺麗に描出できるよう練習するのですが、上手くいかないことが多いです。そんな時に頼れるのがこの一冊です。

エコープローベの持ち方から、当て方のコツなど非常にわかりやすく解説されています。

⑩研修医手技マニュアル第3版

「先生、この人のCV取ってみる?」といきなり振られることもあります。

大体の手技は1回目は見て見学、2回目でしてみたいか聞かれることが多いと思いますが、突然振りがくる可能性も0ではないです。

突然聞かれても大丈夫な様に予習はしておきましょう!

研修医時代役立った道具

①PC

「それはそうだろ。」という声もあがりそうですが、『処理能力の高いPC』が必要です。動画編集ほどのスペックは不要ですが、最低でも『マルチタスク』で処理速度が落ちないほどは必要です。
私はApple UserなのでMac bookを使用しています。

②i Pad

『電子書籍の閲覧』『動画鑑賞』様々な用途に使えます。
miniであれば白衣のポケットにも収まるので持ち運びたい方には〇

③ACアダプタ

電子機器を頻繁に使う以上、『充電』の問題は避けては通れません。
『急速充電』可能な機器は1つ持っておいて良いでしょう。

私のお勧めは下記『Anker Prime Wall Charger』です。
1⃣3ポートでPC・タブレット・携帯充電可能
2⃣急速充電にも対応
今なら『Amazon新生活セール』でお得に買えます。

④(手に合った)マウス

PC作業の負担が少なくなるよう、自分に合ったものを使いましょう。
お勧めは下記『Logi cool ワイヤレスマウス』です。
1⃣トラックボール付き
2⃣傾斜角度が付いたスクロールホイールで手首への負荷を軽減してくれます。

⑤モニター

記載の通り私の初期研修の職場では1人1台電子カルテが提供されていました。ただ、シングルモニタであったため、『退院サマリ』が書きにくい。
どうしても1台で『カルテ画面』と『サマリ編集画面』を開くと効率が悪いため自分で外付けしました。

お勧めは『Dell SE2422H 23.8インチ モニター ディスプレイ』
1⃣コスパ〇
2⃣安全の3年保証付き

⑥椅子

どうしてもデスクワークが多くなります。
姿勢によって疲れやすさが全然変わりますので自分に合うものをお勧めします。

個人的なお勧めは下記『AKRacing オフィスチェア ゲーミングチェア』
1⃣5年保証つき
2⃣ひじ掛け、リクライニングでサポート

⑦ロボット掃除機

こちらは生活面のサポートとして。
初期研修が始まるとなかなかまとまった時間が取れません。
お勧めは『SwitchBot ロボット掃除機 K10+』
1⃣高精度マッピング機能
2⃣2500paの強力吸引力と水拭き機能
3⃣禁止エリア設定や静音設計・遠隔操作等の機能
4⃣スマートホームシステムとの連携可能

⑧ドラム式洗濯乾燥機

こちらも同じく『時短家電』として
お勧めは『アイリスオーヤマ ドラム式洗濯機』
1⃣洗濯8kg、乾燥5kg、幅59.5cmでコンパクト
2⃣温水洗浄で頑固な汚れにも強い

時間に追われる研修医にお勧め!

J-OSLERについて(初期研修の内からできること)

既に『内科系』を考えている方は『J-OSLER』の症例を意識して各内科を回るのが良いでしょう。
J-OSLERでは『56疾患群・160例の症例登録』『29例の症例要約』が求められます。

後期研修病院に当該科がない場合は初期研修の症例を必然的に使用することになります。
私は血液内科がない病院に勤めていますので血液内科症例は初期研修のものを使用しました。
自分が進む科は後回しでいいです。後期研修で必ず見ますので。
症例の内分けについてはこちらで確認できます。

この時に『要約』も意識して症例を集める必要があります。
例えば『血液内科』でいうと

血液でいうと3『疾患群』の『症例登録』と、2つの『病歴要約』が必要になります。
1番左の数字が『疾患群』です。血液は『赤血球系疾患』『白血球系疾患』『出血・血栓性疾患』に分かれています。
なのでまずは疾患群が重ならないように症例登録を行う必要があります。

重なっても良いのですが、疾患群としてはカウントされません
例えば「出血性貧血」と「鉄欠乏性貧血」で登録を行った場合は症例登録としては2カウントにはなります。
ただ、経験疾患群としては重複しているため1カウントにしかなりません。

因みに初期研修の症例は『症例登録に最大80例まで』『病歴要約に最大14例まで』使えます。

ただ、序盤に初期研修の症例をあまり使うと『あの疾患が足りない。。』となりかねません。
使うのはまずは『希少な疾患』『後期研修先病院に診療科がないもの』を優先すると良いでしょう。

症例登録・要約が1番大変ですが、他にも『学会発表』『JMECC(内科救急の講習)受講』等が要件となっています。

ただ、『学会発表』は初期研修のものはカウントされません。

『JMECC』については初期研修の時期に受けたものもカウントされます。
『JMECC』プログラムは『7時間30分』の構成
のため1日潰れます。
時間がある初期研修のうちに『JMECC』は受けておいても良いかもしれません。

結論 初期研修のうちに行えるJOSLERの準備

  • 症例登録・要約に使う症例を集める

  • JMECCを受ける

このくらいです。
使いそうな症例については、『退院サマリ』を書いた後に、『文字起こし』のアプリケーションを用いてWord形式にしてPCに取り込んでおくとよいでしょう。
個人情報・病院名が病歴にある場合はその部分を切り取るか、塗りつぶすかして読み取りましょう。
文字起こしのアプリケーションとしては『Googleレンズ』がお勧めです
簡単に使い方を説明します。
『Googleレンズ 使い方』

  1. Google検索アプリを開き、検索欄にあるカメラボタンをタップ

  2. 画面下部のメニューから[テキスト]を選択し、電子テキスト化したい文章を撮影する。

  3. 撮影した文章が電子テキスト化される。

以上の3工程です。
また、『文章の校正』については『Chat GPT』にお願いしましょう。
内科の症例要約の手引きを見るとわかりますが、面倒くさいです。
特に単位の後に『,』が使われているかや『、』『。』ではなく『,』『.』を使用しているか、『体言止めになっていないか』等の形式的な確認事項が多い。
なので、この『機械的な修正』の部分をAIにお願いするわけです。
Wordのマクロでも行けると思いますが、『chatGPT』の方が命令文を日本語で打ち込むだけでいいし、複数の命令も1度にこなしてくれるので楽です。

資産形成について

初期研修のうちは比較的時間があります。(それでも忙しいですが)
なので初期研修のうちにまだの方は『証券会社の口座開設』『NISA口座開設』『クレジットカード積み立て設定』だけでもしておきましょう。
ここまでやっておくと全自動で月額決まった金額が自動的に投資されますので『ほったらかし投資』が出来ます。

私のお勧めは『SBI証券と三井住友カードゴールド』を使っての積み立て投資です。
『楽天証券と楽天カード』を使っての積み立てもお勧めです。
どちらかの組み合わせで始めてみるのが良いでしょう。

もっと詳しく知りたい方はブログでも解説していますのでそちらも参照ください。

【NISAが何かわからない方向け】

【クレジットカード積み立てについて】

【証券口座開設方法・手順】

また併行して『医師ポイントサイト』にも登録しておくと良いでしょう。
お勧めは

m3

ケアネット

日経メディカル

です。

特にケアネットは
①『Pubmed Cloud』で英語論文の日本語検索ができる
➡抄読会準備に〇
②初期研修~専攻医まで見れる映像講義『CareVeTV』
➡映像授業で学びたい方向け(株主優待で無料視聴可

がありお勧めです。

おわりに


結構長くなってしまいました。
この記事は『無料で公開』していますが、「役に立った」という方は上記のブログページ(SBI証券の口座解説の流れ)から『SBI証券』の資料請求、またはm3・ケアネットへの登録をお願いします。

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ここまで読んでいただきありがとうございました。

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