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相剣は先行赤霄バロネスするだけのデッキじゃないよ！

かしわ



はじめに

はじめまして。かしわと申します。

普段は紙の公認大会に参加して相剣で遊んでおります。
２４年からマスターデュエルチームのEXTRAWIN様【EXW】EXTRAWIN［公式］（@EXW_MD）さん / X (twitter.com)主催のイベントにも参加させていただき、大好きな相剣で成績を残せまだまだ通用するなと感じたので、私が相剣を使っていて考えていることやあまり認知されていないカードの説明、ちょっとした展開例などを自由に書いていこうと思います。
相剣プレイヤーの皆様の役に少しでも立てればなと思います。

あくまで私の主観でのお話なのであしからず。
文才はありませんので拙い文章になると思いますが、それでもよければ読んでいってもらえると嬉しいです。

そもそも先行赤霄バロネスの構えが強くない


よく「相剣は先行で赤霄とバロネスを出しておけばOK」のような声を聞きます。
確かに初心者さんに説明するには分かりやすいですし私もそれが１番だと思いますが、果たしてそれが一番強いかで言えばそれはNOです。

フルール・ド・バロネスは非常に強力なカードではありますが、先行で出した場合所詮１妨害するだけのカードです。
赤霄と合わせて効果無効１回＋何でも無効破壊１回の合計２妨害。
これは手数の増えた現代遊戯王においてあまりにも心もとない盤面です。

じゃあバロネスの代わりに誰を先行で出せばいいのか…
そうこいつ、七星龍淵です。

最強なのにいつも効果確認される悲しき裏切り者

①～③の効果全て強力です。

①は隣に幻竜族シンクロが出ると１ドローする効果。
莫邪＋龍淵＋手札コストを持っている状況なら、七星龍淵を先に出してから赤霄を出すことで莫邪＋七星龍淵の２ドローと赤霄のサーチが可能です。
相剣は展開系デッキのような強固な盤面は作れないし、スネークアイのような最近のテーマ特有のリソースモリモリなデッキでもないのでここのドローは非常に大切です。
ここのドローで手札誘発や次ターンの初動を引き込みにいきます。

②は相手の特殊召喚に反応し、対象を取らずに除外し１２００ダメージを与えます。
召喚成功時の効果は通してしまいますが、除外での除去のため質の良い妨害でしょう。おまけで付いている１２００ダメージも馬鹿になりません。


大前提として相剣というデッキは瞬間火力は非常に高いもののリソースの概念がほとんどないため２～３ターン程しか満足に戦えません。
この儚い感じが私は好きです

いかに早く相手のライフ削り切れるかが重要になってくるためバーンダメージも非常に大事な要素になってきます。
順当にいけば素材になった龍淵の１２００バーンと相手ターン中に②③の効果を使用することで合計３６００ダメージも与えることが出来ます。

③は②の効果の魔法罠版です。
最近の遊戯王はフィールド魔法や永続魔法罠が強くデザインされているため、その効果を発動させないこの効果も非常に有用です。
代表例を載せておきます。

インチキフィールド魔法の１つ。何回もボコされました。
毎ターン無料で蘇生！？

またこちらの効果も除外の為、墓地に送られた時の効果などを発動させず安全に処理できます。
永続系以外にも財宝狩りの悪魔に対して発動すれば１ドローは防げます。
（スネークアイが相手だった場合は蛇眼神殿を消したいので何とも言えませんが…悪くはないでしょう）

さらにペンデュラムテーマに対しても最強の妨害として機能します。
スケールは置いた瞬間に除外され、エレクトラムを出すために特殊召喚した素材も除外されるのですから相手からしたらたまったものではありません。

ここまでしっかりと効果の説明をさせていただきましたが、要は七星龍淵は１体で２妨害することが可能です。
この点だけでもバロネスより優位性が高いですが他にもあります。
それはバロネスが戦士族なのに対し七星龍淵は幻竜族である点。
戦士族のバロネスは使いきりなのに対し、天威型の相剣であれば一度墓地に行った七星龍淵を２種類の方法で蘇生することが可能です。

相剣ネームのついた蘇生
とても可愛いがよくテキスト確認される

龍仙女はアシュナ１枚から出せ①の効果で墓地の幻竜族を蘇生できます。
レベル制限はないので墓地に送られた赤霄や七星龍淵も蘇生可能。
厳しい制約は付きますがあくまでEXデッキから特殊召喚されたモンスターにのみかかる制約なので墓地から蘇生したモンスターは効果使用可能です。
「ただ七星龍淵を蘇生できるだけ？」と思われる方もいらっしゃると思いますがライフが減っている状態で出てくる七星龍淵の圧は凄いです。
迂闊に動けばバーンだけで焼き切られるので相手も慎重にならざる負えません。

また龍仙女＋七星龍淵で打点が４５００出るのも偉いです。
（最初のバーン３６００＋４５００＝８１００　WIN！！！）

このような点も含め先行でレベル１０シンクロを出すなら七星龍淵に軍配が上がると私は思います。

じゃあバロネスはいらない子なのか？

そんなことはありません。
このカードの真価は後攻時の捲りの際に発揮されます。
【何でも無効破壊＋起動効果の１面除去＋３０００打点】
捲りとライフを削り切るのに最適な効果を持っています。

赤霄２８００＋龍淵１２００＋拳僧１０００＋３０００打点＝８０００
これが天威相剣で一番無駄がなく美しいキルルートです。
このルートを通すのに一番最適なのはやはりバロネスなので必須です。
また相手視点バロネスは絶対に着地させたくないため龍淵に妨害吐いてきますので、後述する大本命のカードを通しやすくなります。

ここまで七星龍淵のいいところばかりをお話したので、
「じゃあ先行は絶対に七星龍淵を出しておけばいいんだね！」と思う方もいらっしゃると思いますがそういうわけではありません。

以下２パターンの場合はバロネスの方が優先されます。
①環境にニビルがたくさんいる場合
②サイド後で拮抗勝負やサンダーボルト等の魔法罠捲り札が飛んでくる場合

①に関してはある程度環境を知る必要がありますが重要なことなので怠らないこと。ケアしなければ２秒で負けます。
赤霄成立前に立てなければいけませんが、ケアできるなら越したことはないのでバロネス出してニビルケアしましょう。
先に出せない場合は七星龍淵で大丈夫です。

攻撃４０００/守備３３００のトークンは親の顔より見た

またマスターデュエルはシングル戦なのであまり関係はないですが、紙の場合はサイドチェンジがあるので捲り札に対応するためにしっかりとバロネスを立てましょう。
出さずにサンダーボルトを撃たれたら２秒で負けます。

ここまで七星龍淵とバロネスについてお話してきました。
どちらも強力なカードなのでタイミングを見極めて使いましょう。

初め散々言ったけど何だかんだでちゃんとエース

バロネスは偉大


後攻はショウフクを上手く使って勝て！

突然ですが皆様　ザ・デュエリスト・アドベントというパックを覚えてらっしゃいますでしょうか？

２０１４年発売？　えっ、１０年前？？？

ペンデュラムモンスターが実装された他、新種族である幻竜族の追加、シャドールやテラナイト、竜星といった強力なテーマが初登場したパックです。
このパックに収録されていた竜星の切り札である「輝竜星‐ショウフク」が、相剣の最強の捲り札になります。

捲りと展開を同時にこなす神のカード

私はこのショウフクをどれだけ上手く扱えるかで天威相剣というデッキの強さが変わると思っています。

それでは効果を順に説明していきます。

①の効果はシンクロ召換成功時に素材とした幻竜族の属性の数だけフィールドのカードを対象にしてデッキに戻す効果。
相剣から出す場合基本的に相剣トークンは水属性なので、莫邪なら1枚バウンス泰阿なら2枚バウンスが可能です。
デッキバウンスは遊戯王の中でも一ニを争う強力な除去手段です。さらにこの手の効果を持っている実用圏内のカードは基本1枚しか戻せませんが泰阿素材のショウフクは2枚バウンス可能です。

後攻ではこの効果を通して相手の盤面をぐちゃぐちゃにしキルを狙っていくのが基本になります。

②の効果は自分の場のカードを破壊してレベル4以下のモンスターを蘇生する効果。
相手の盤面を触った後にまだ効果を使っていない相剣師やエクレシア、下級天威やうららなどの誘発チューナーを蘇生します。
破壊するのは何でもよいので拳僧やショウフク自身、手札に余っている魔法罠があればそれをセットしてから破壊するのもよいでしょう。

これにより泰阿からショウフクを出し相手のカードを２枚退かしながら莫邪を蘇生し、いつもの赤霄＋１０シンクロを作っていきます。

ちなみに破壊できなかった場合は蘇生の処理もされないので注意が必要です。
例：承影を対象にして承影が破壊身代わり効果を使った場合等

そしてこのカードこれほど強力な効果を持ち合わせているのにどちらの効果も名称ターン１が付いておりません。
つまり出した分だけ効果を使用することが可能になります。

実際にある展開例を載せておきます。
状況は相手の場にバロネスがいて手札が白エク＋泰阿＋幻竜カード

1．白エクレシア特殊召喚。泰阿を通常召喚。

2．両方とも効果は使わずショウフクをシンクロ召喚。

3．ショウフク　チェーン１対象バロネス　泰阿　チェーン２で組みバロネスを泰阿効果に使わせつつバロネスを除去。

4.　ショウフクの蘇生効果対象を自身と泰阿にしショウフク破壊泰阿蘇生。　

5．泰阿効果で墓地のショウフクをコストで除外しトークン生成。

6.　泰阿とトークンの２体でシンクロ２体目のショウフク。ショウフク効果で相手のカードを２枚デッキバウンス。

7．さらにショウフク効果で今度は自身とエクレシアを対象にしショウフク破壊のエクレシア蘇生。

8．エクレシア効果でデッキから莫邪を特殊召喚しトークン生成し赤霄をシンクロ召喚。

9．赤霄効果で龍淵をサーチ、莫邪効果で１ドロー。そのまま龍淵を使用しレベル１０シンクロまで。

結果
バロネスを含む相手のカード３枚をデッキに戻しつつ赤霄＋レベル１０シンクロ

ショウフクの効果を最大限活かした捲り方です。
相剣師達のシンクロ素材になった効果をショウフクの上に重ねることでバウンス効果を安全に通すことができます。
逆に相手がうららを握っていそうで相剣師達の効果を通したい場合にはショウフクをチェーン2にすることで相剣師の効果を通せます。
他にも色々ルートはありますので是非使いこなしてみてください。
先行でショウフクを使用する展開もありますがそれはまた別の機会にでも。


天威3兄弟と謎の小僧

七星龍淵以外の相剣カードはみなさん効果をご存知だと思いましたので説明は割愛させていただきましたが、せっかくなので天威龍は説明していきたいと思います。
よく見かけるのはこの３種類。

THE・幻竜って感じのイラストで好き
ビーステッドやめてね

自分の場にトークンか拳僧がいるときに手札か墓地からコストで除外してデッキから天威を特殊召喚します。
天威龍の中で唯一盤面にモンスターを増やす効果を持っており、先行展開や後述するヴィシュダを連れてきて後手からの捲りに寄与します。

またこのカードを使って展開するほとんどの場合でリンク１の拳僧を出すことになりますが、打点が１０００あるのでキルを取りやすくなるのとショウフクで破壊する対象が増えるのでいいこと尽くめです。

※なお効果使用後は幻竜族しか特殊召喚できないので、アシュナと白エクレシアを同時に引いている時は注意が必要です。白エクレシアを効果使用前に出しておかないと１手減ります。
　

だからマグナムートはやめってって

自分の場にトークンか拳僧がいるときに手札か墓地からコストで除外して相手のフィールドのカードを１枚対象に取って手札バウンスします。
シンプルな効果ですが、とても便利です。
相手の厄介な永続罠やミドラーシュ等のシステムモンスターを退かして相剣に繋げましょう。
基本的には後攻時このカードから投げつけて相手の１妨害を踏んでいきますが、手札に隠し持っておき途中で手札から除外して相手の意識外から除去を飛ばしたりもします。

こいつはアシュナと違い単体で機能するので、こいつだけが入っている構築もあります。

実は同名も回収できるので２枚入れれば無限リソース

天威唯一のチューナーモンスター。

自分の場にトークンか拳僧がいるときに手札か墓地からコストで除外して除外の幻竜族を回収できます。
泰阿やアシュナ経由でデッキから落とし龍淵のハンドコストを供給したり、除外されたアシュナを回収することで次ターンの莫邪で見せるコストを確保したりできます。リソース回復手段の乏しい相剣にはこの１枚回収だけでもありがたいです。

またレベル１のチューナーなので上の天威２種と合わせてレベル８シンクロが可能です。相剣が引けていない場合でも赤霄を立てて相剣の動きに繋げたり、属性がバラけているのでショウフクを出して２枚バウンスを狙ったりすることもできます。

ただ単体ではほぼ機能しないので基本的にはデッキに眠っていて欲しいカードの１枚です。
長期戦になった時に２枚欲しいなと思う場面はありますが、相剣で長期戦をさせられている時点でほぼ負けなので１枚で十分だと思います。



名前が書けるスペースがあった！　バカ！！！

一応この謎の小僧の話も少しだけ。

令和６年になった現在、リンク１のモンスターはなんと５４種類もいるそうです。
基本的にはテーマ専用のリンク１が多く、そのほとんどは何かしらでアドを稼いでいます。スケアクロー・ライトハートやVSの虚像などがいい例ですね。

では我らが天威のリンク１を見てみましょう。
この名前も書けちゃうテキスト欄を見ると涙が出てきますね…（どんだけ弱いねん）
天威というテーマのコンセプトが「効果を持たないモンスターをサポートして頑張ろう！」なので致し方ありませんがそれでもね…。

ただそれは仕様なので百歩譲って効果がないことは受け入れてあげましょう。ただしこのカードそれ以外にも致命的な弱点を背負っています。

その前にこちらをご覧ください。


世界を変えた１枚

MDのみやられている方はご存じないかもしれませんが、ディアベルスターと同期のバケモノ汎用リンクです。
具体的な使い方はもっと強い方が書かれていると思うのでここでは省略されていただきますが、とにかくどのデッキにも採用したくなるほどのパワーカードです。

かしわ「じゃあ天威相剣にも採用しちゃお。①の効果は拳僧を素材にすれば使えるし簡単じゃん！」

リトルナイト「無理です、素材が違います。」

かしわ「えっ？？？」

そう、リトルナイトは効果モンスター２体を要求してくるため拳僧を素材にしてリンク召喚はできません。
さらに悲しき事実がかしわを襲います。

かしわ「じゃあじゃあ、拳僧をリンクスパイダーに変換すればいいじゃん！」

リンクスパイダー「無理です、素材が違います。」

かしわ「えっ？？？？？」

何？効果を持たないなら通常モンスターではないのか！？

はい、勝鬨君もびっくりなのですが拳僧は通常モンスターではありません。
正しくは「効果を持たないリンクモンスター」です。
通常モンスターでも効果モンスターでもありません。このためどう頑張っても楽してリトルナイトは出せないのです。諦めましょう。

ここまで拳僧の悲しき事実をお伝えしてきましたが、天威を使う場合にはこのカードは当然必須カードになります。しっかりと天威を採用している構築であれば２枚以上。「あまり役割を持たせられないな」と思うカードがEXにあれば代わりに拳僧の３枚目を入れても私は悪くないと思います。

効果は持たないし素材にもなりませんが、使っていれば愛着もわくので皆様拳僧のことを愛してやってください。


おわりに

ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

相剣のことなら無限にお話できるのですが、あまり長くなっても読みにくいでしょうし今回はここまでにしておきます。

応用の展開パターンはたくさんあるのでまた何処かの機会でお話しできたらと思います。

それと元々はこのnote　MDで相剣ストラクが出た時に友達のやまきゃ｜noteが前編で初心者向けの簡単な説明を作り、後編は私が中級者用に書く予定でしたが気づいたら旬が過ぎてしまっていたので別で書いたという裏話もあります。今から書いてくれてもいいのよ？

最後に
もし各カードについての説明や採用理由等の何か質問があれば、DMやリプでいただければ私でよければ何でも回答しますのでお気軽にお声がけしてください。
本当に相剣が大好きなので、相剣というデッキ全体の勝率が上がることを心から願っております。
それでは。

Skebで茜屋さんに描いてもらったSD莫邪


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