面白メガネのススメ #170

「〇〇ってさ、いろいろつまらないなって思うほうやねん」
朝食を食べながら、つぶやく小2の長男。
「へえ、何で?ママは面白いと思うけどなぁ。」
「それは、ママが面白いだけや」

将来は、お笑い芸人か落語家になりたいとふんわり考えているくらい、面白いを求めている息子。
それなのに自分の周りのあれやこれやはどうやらつまらない。

「〇〇はつまらないと思ってることも、ママにはめっちゃ面白いで。それって、どういうことやと思う?」
そのカラクリを息子に教えることにした。
「ママは面白メガネを持ってるねん。それだけ。
〇〇にもあげるわ」

ひとつの出来事を面白く感じるのも、つまらなく感じるのも、その人次第。
つまらない、嫌だと感じるものを、面白く感じるためには、面白い部分を見つけて面白がっていくほかないのだ。

だからこそ、自分の心の中に面白メガネを持っておく。
つまらないと思ったら、自分のなかからめがねを取り出して、かけて面白いところを探したらいいねん。

ムスコは、そんなんどうやったらいいの?わからん!と少し不満げな様子だった。

その時、夫がいつまでたっても布団から出ようとしない年長の長女を布団でくるんで、押し入れにしまおうとしていた。
夫がどこまで私の話しを聞いていたかはわからないが、いつもは「早く起きて」とイライラしがちな彼が、どうやら面白メガネをかけたように感じた。

「あ、パパが面白メガネかけてるわ!!」

父親のわかりやすい使用例を目の当たりにして、息子も面白メガネの使い方がわかったようだ。

面白いはどこからかやってくるものではなくて、自分で感じ取るもの。
もちろん、お笑いなど、外部からの面白刺激が強いものには反応するけれど、外部刺激だけに依存してしまうと、ありふれた日常生活はつまらなくなってしまう。

わざわざお笑いを見なくても、世の中を面白く感じられるようになるといいな。

自分で面白さを見出すことができれば、人生は楽しくなる。
面白メガネのススメ。

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