理想に近づくよりも、現実を支える

職場では、施設を利用中の学童や、地域の小学生、だれでも参加可能なイベントを不定期に開催している。

子どもを迎える前に、朝の掃除をするのだが、担当のスタッフが玄関の廊下を掃除していた。
会場は施設の2階にあり、外階段を上って部屋に入る。
外階段が、明らかに汚れていた。
毎日掃除している玄関に比べて、外階段は掃除の頻度は少ないが、汚れやすい。

今、掃除すべきなのはどこか、自分で気づいてほしいところだなとおもいながらも、彼女に階段掃除をするように指示をした。

「はい!わかりました。」
素直な彼女は返事もはやく、指示をすればすぐに行動してくれる。

しばらくして、子どもたちがやってきた。
たまたま、私が子どもたちを階段まで誘導した。

階段がびしょびしょだった。(もちろん雨は降っていない)
上履きを持っていない子どもは、靴下のまま通るのに、拭き上げをしていないとは、いったい何事か???

すぐに拭き上げるように指示をして、私も乾いた雑巾を取りに行った。

戻ると、階段はびしょびしょのままで、子どもたちは外履きのまま2階に上がっていた。

2階には別のスタッフもいて、拭き上げることが難しい状況では決してなかった。
そもそも、なぜ、いや、どういうことなの?

ちょっと悶々としながら、深呼吸をし、階段をきれいに拭き上げた。

彼女は機転を利かして、「2階までそのまま上がっておいで」と子どもに声をかけたのかもしれない。

指示されたことはやるべきでしょ。
そもそも、階段に水を流したら、子どもが来る前に拭き上げておくべきでしょ。

次々と私の頭に、「~すべき」が浮かびあがってくる。

まだまだ、頭が固いな、、、

この「~すべき」は、私の頭の中でイメージする理想であって、後輩の目の前の「現実」とはずいぶんと差があるようだ。

そんなことを考えていると、手帳に走り書きのメモを見つけた。
(誰の言葉か、どこの記述かは定かでない。。。)

「理想に近づくよりも、現実を支える」

理想や、理想に近づくための方法は前もって話しておく。
自分以外の誰かに、理想を押し付け求めるのではなく、目の前の現実を支える。

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