保育園の生き残り戦略

「保育園落ちた、日本死ね」という匿名の投稿が話題になってから(2016年)もうずいぶんと経つ。その間、国や自治体の施策、少子化の流れのもあって、待機児童数はピーク時の26,081人(2017年)から5,634人(2021年)まで減少した。(令和4年版男女共同参画白書)

「とにかく通える保育園」から、「遠くても通わせたい保育園」へ、保育の質がより着目されるようになり、保育園として生き残るためには、公の施策とは別に、園ごとに生き残り策を講じる必要が生じてきた。

とある会議の中で、このような概略とともに、3Q6Sという、日本電産株式会社の行動規範が紹介された。

 3Qとは、良い社員(Quality Worker)、良い会社(Quality Company)、良い製品(Quality Products)を表し、6Sは一般的な5Sに”作法”をプラスした”整理、整頓、清掃、清潔、作法、躾”を表す。

良い保育士・保育園・保育方針といったところか。
結局は「良い」とは何かをきちんと、言語化して、共通理解として持っておくことが重要になる。
「これがいい」「あれがいいらしい」、巷に「よさそうな情報」はあふれているので、特に新人の保育士の場合は、自園が何を大切にしているのかを知らないと、どんどんとずれていってしまう可能性が高い。

パーパス経営やミッション経営と言われるように、
パーパス(WHY)・・・社会にとっての存在価値、なぜこの保育をするのか
ミッション(WHAT)・・・だからどういう保育をするのか
を明確に持つ。

それを、職員、保護者、未来の保護者、地域に丁寧に伝えていく必要がある。
大事なことほど、具体的にわかりやすく、何度も何度でも伝える。

子どもの預け先を、家から近いからというだけで決めてしまうと、「もっと○○させてほしい。」だとか、「△△はさせないでほしい。」といった保育方針への不満につながることもある。

自分の勤め先を、待遇や条件だけに着目して決めてしまうと、所属先の方針と自分の価値観が合わないことに、後で気づくことになり、不満や離職の原因になってしまう。

そういう不幸を増やさないためにも、「私たちはどこを目指しているのか」をしっかりと持ち、発信しつづけること、その通りに行動することで、同じ方向を向いている人が自然と集まるのだと思う。

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