ぼく にげちゃうよ(絵本の記録)#101
心の琴線に触れた絵本。
マーガレット・W・ブラウン ぼく にげちゃうよ
いえをでて、どこかへ いってみたくなったこうさぎ、
おかあさんうさぎに 「ぼく にげちゃうよ」
おかあさんうさぎは「おまえがにげたら、かあさんは おいかけますよ」
どうにかして逃げ出そうとする子どもと母親の追いかけっこのような会話のやりとり。
魚になれば釣っちゃうし、
山の岩になるなら、登山家になってついていく。
何をいっても、否定せずに受け止めて、温かいまなざしで、母親のスタンスを表明するかあさんうさぎ。
一通り、逃げちゃう方法を考えたこうさぎは、結局、自分の家でお母さんと過ごすことと変わらないことに気づき、逃げるのをやめる。
ちょっと反抗し、冒険してみたとしても、最終的に母親は安心できる存在だと気づくこうさぎ。
ほどよい距離感で見守っていてくれること、そこから生まれる信頼関係が母親の存在を絶対的なものにしているのだなと感じた。
この母うさぎのように、必死にならずに、大きな愛でわが子を包めたら、最終的に子どもの拠りどころになる。そういうことに改めて気づかされる本。
なんともあたたかく、それでいて母親としての心のありかたを教えてくれる偉大な本だと思った。
小2の息子は、最近何かと母親を煙たがる、ということも覚えた。
まるで私たち親子のかけあいのようにも感じられたりもして、最初は一人で黙読していたのをやさしい気持ちで音読した。
興味がなければ、「うるさい!」と遠慮なく制止しようとする息子だが、「変なの~」と言いながら、それでも最後まで聞き入っていた。
何か感じるものがあったかな?
子どもはともかく、これは母のための絵本だなと思う。
原文The Runaway Bunnyも読んでみようと思う
(英語はできないけれど、言葉の響きを味わってみたい)