踊り場の苦悩

人には自分にあう相性・好き嫌いがあるのは当然で、自然と似通った波長の仲間が集まったり、友達になったりするものだ。

初めて出会う老若男女が混じるグループの中で仲間を作るように言われたら、性別や年齢層で集まってみたり、出身地や居住地別に集まってみたりと、自分と共通項のある人たちでグループをつくるだろう。
大学に入学したときを振り返っても、クラスの中にどんな仲間がいるのかを、こっそり観察し、自分と服の好みがあっていそう(同じ雑誌をみていそう)だったり、自分との共通点がありそうな人を探していた。自然に察知していたように思う。学籍番号が近く最初に話した人、同じ路線で通学する人、共通項のあるところから、仲間としての付き合いが始まり、お互いを知っていくなかで、くっついたり、離れたりしていたように思う。

「類は友を呼ぶ」

相性があわない人がいれば、単に付き合う人を変えるということを選択するというのが大人社会の現実。親や学校の先生、職場の上司や同僚であれば、避けるのは難しくなるが、とにかく付き合う人から受ける影響やストレスはかなり大きい。

自分の周りにいる人たちが、一緒にいて気楽な人、一緒にいて心地よい相手だと安心できる。
私は、出会うすべての人に「一緒にいて気楽」そう思ってもらえるような親近感のある女性でいたいと思っている。だから居心地のよさはすごく大切だ。

ただし、相性があう、居心地のよい関係だったとしても、付き合いを見直すべきときもある。

それは、自分を変えたいとか、レベルアップしたいときだ。
意識的に「会う人を変える」
自分を高めたいならば、自分のレベルより上の人と会うことで、自分もその人のレベルに
近づくことができる。

経営コンサルタントの大前研一さんによると、

人間が変わる方法は3つしかない

1. 時間配分を変える
2. 住む場所を変える
3. 付き合う人を変える

この3つの要素でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。

とはいえ、自分にとって身近な仲間や心地よい空間から、次のレベルにステップアップするには、物理的にも心理的にも負荷がかかる。
時として仲の良い友人グループから離れなければならないときもある。

これらの負荷を次のステップに上がるための「踊り場」と表現されている先生がいて、それがとても分かりやすいと思った。私たちは自分が変わろうとするときに、踊り場で苦悩するのだ。

一気にすべてを変えるのではなく、少しずつ比重を変えながら、自分を奮い立たせる時間と、リラックスする時間のメリハリをもつということが重要なのかなと思う。
ストイックにすべてを変えるよりも目標達成への時間はかかるかもしれないが、そうやって周りとバランスをとりながら、納得しながら着実に進む方が自分の性格にあっている。

立ちはだかるいろいろな障壁やモヤモヤに襲われることがあっても、自分のゴールが明確で、自分の軸がしっかりとしていれば、ポジティブに進んでいけるだろうし、ひとつ上のレベルの人達の中にもすっと入っていけるようになるのだと思う。

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