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キャッチボールの質と相手~コミュニケーションの極意#192
コミュニケーションはよくキャッチボールに例えられる。
片方がボールを投げても、相手が受け取らなければ成立しないし、投げ返してもらえなければ一方通行になってしまう。このキャッチボールの質が、仕事のスムーズさはもちろん、人間関係にも影響を与える。
自分ではよいボールを投げているつもりでも、何度も受け取ってもらえないことがある。相手の様子を観察し、実力に合わせて球の強さやスピードを調整しても、それでも相手がボールの価値や意図を理解できなければ、どう返せばよいのか分からず、そのまま留めるか落としてしまうか、あるいは適当に返すしかなくなる。
これは職場だけでなく、家族や友人との会話にも当てはまる。相手の意図を汲まずに表面的な返事をすると、本来のメッセージが伝わらず、すれ違いが生じてしまう。
では、すれ違いを防ぐためにはどうすればよいのか?
まず、受け取ったボール(=言葉や提案)の意図を考えることが大切だ。「なぜこのボールを投げられたのか?」「どう返せば適切なのか?」と自問することで、単なる受け流しではなく、意味のあるキャッチボールができるようになる。
また、投げる側も相手が受け取りやすいボールを意識する必要がある。強すぎるボール(高圧的な言い方)は受け取りにくく、弱すぎるボール(曖昧な指示など)はどう返せばよいのか分からなくなる。
結局のところ、コミュニケーションとは、単に言葉を交わすことではなく、意図を共有しながらスムーズにキャッチボールを続けることに意味がある。
とはいえ、どれだけ意図を伝え合おうとしても、まったく伝わらないこともある。価値観や信念が大きく異なる場合、すれ違いが続くだけだ。
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キャッチボールは、誰とするかが大切だ。自分を嫌っている人や攻撃してくるような人とのやりとりは、ただ苦痛になる。
どれだけ工夫しても全然受け取ってもらえない状況ならば、それは単に相性が合わないだけ。
キャッチボールの相手は、自分で選んでよい。