進級テストに落ちてたくさんの気づきを得た話。#161

先月から、水泳教室に通い出した小2長男。

息子のスクールでは、最初のレッスンで簡単な泳力チェックがあり、そこでクラス分けされ、自分のクラスのワッペンを貰ってくる。
次のレッスンまでにスイミングキャップに縫い付ける必要があり、母は久しぶりの針仕事をすることになる。

最初に彼がもらったのは、数字の級ではなく「イルカ」だった。
早く数字の級に上がりたい。
スクールでは、進級テストが2か月おきに実施されていて、たまたま入会月がテストの実施月だということもあり、1回目の進級テストが比較的すぐにやってきた。

「動物から数字になるって結構大変なことやし、まだ始めたばっかりやから、そうそう簡単なことではないで~」

目に見える結果に一喜一憂しやすいタイプなので、『お母さんは「落ちて当然だ」と思っている』ということをそれとなく伝える。

結果、あっさり18級に進級してきた。
スイミングキャップに縫い付ける 「18」と書かれたワッペンを嬉しそうに持ち帰ってきた。落としてしまわないように、しっかりと縫い付けたイルカはあっという間にお役御免となった。

少しずつ上達することが嬉しくて、もっと進級したいという欲が出てきた息子は、夏休みの短期教室にも通いたいと言い出した。

たった2日の短期教室だが、最後にテスト、つまり進級のチャンスがある。

「受かったばかりだし、そうそう簡単にはいかへんと思うよ」
相変わらず、期待していないことを軽く伝えておく。

張り切って、2日間通ったけれど、修了証に書かれているのは18級のままだった。
コーチから「この前受かったばっかりだしね、もう少し長く泳げるようになったら次は合格すると思うよ!」そう声を掛けられていた。
彼の表情は固まったままだった。ぐっとこらえて事実を受け入れる。

「もっと練習したい」

それから、お盆休みは毎日プールに通った。

ビート板を持たずに、両手を揃えて伸ばし、顔をつけてバタ足で進む。
キックはそれなりにしているけれど、息継ぎのタイミングでお尻が沈んで立ってしまう。
数メートル進んでは立ち、数メートル進んでは立つ。上達したい一心で、何度も何度も繰り返す。

このままの方法で同じことを続けているだけでは、進む距離は多少伸びるだろうけれど、息継ぎができるようにはならない
だから、コーチが必要なんだな、と思う。

身体って全部つながってるからさ、顔を思い切り上げたら、お尻が沈んじゃうわ。
顔をあげる時って、苦しくて息をしたい時やから、キックが止まっている。

実際に身体を動かしながら、伝えてみると、「ほんまや」と理解した。

「じゃぁ、どうすればいいか」

いろいろ教えたくなる性分、あんなこと、こんなこと試してみたらどう?
あれこれ言いたいし、試してみてもらいたいけれど、そこはぐっとこらえる。

「うまくいかない本当の理由」「なぜ沈んでしまう」のか、がわかれば、「どうすればよいか」を考え出す。
まずは、自分で考えて、工夫してみて、やってみて、ヒントを出すのはそれからでもいいのではないかと思いとどまる。
コーチに聞いてみる、という経験もしてみてほしいと思う。
そもそも私だって、水泳の経験者ではあるが、指導経験はないのだから。

自分自身が子どもの頃、キックの練習があまり好きではなかった。それぞれの動きを分解して習得していく過程が、まどろっこしくて、なんでこんな邪魔くさいことをするのだろうかと思っていたし、とにかく早く完成形に近づきたかった。
おそらく、ポイントポイントでコーチがきちんと説明してくれていたのだろうけれど、注意力散漫で人の話を聞いていないことが多いうえに、理解に時間がかかるタイプの私は、意味をわからず、考えもせずに、「練習することが、上達すること」だと思い、ただただ練習していたように思う。

子どもをよくみて考える。
そういうことができるようになった私自身も成長したな、と思う。

「なんでだろう」と思った時に、その瞬間をやり過ごさずに、「どこが」「なんで?」と分解して考えていくと、少しずつ見る力も、考える力もついていく。

なんでもすぐに正解を与えてしまわずに、自分で考えて道を切り開く力をどんどんつけていってほしいと願う。

おまけの話し。
私自身も久しぶりに泳いでみて、そんなに苦しくもなく、比較的ながく潜水できる自分がいた。
普段から呼吸を意識しているおかげもあってだろうか?
鼻呼吸か!
そう思ったけれど、水泳は、「鼻から出して口から吸いこむ」と教えられる。
効率的に酸素を取り込むには、口呼吸が必要になるのだ。
口呼吸は、口腔ケア、歯並びの観点や姿勢・自律神経にも影響するから、普段はできるだけ鼻呼吸にしておきたい。
「口呼吸」は水泳のとき(競技などで酸素を一気に取り込む必要がある時)の口だと、知っておき、使い分けられるようにすることも大事だなと思った。


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