奢り奢られ論争と負担能力主義


皆さんは奢り奢られ論争という言葉をご存知だろうか?
「男女でデートをした際にかかる金額を男性が支払うべきか、否か」についての論争で、SNS等で度々話題に上がっています。
例えば
・女性は綺麗でいるために美容代がかかってい   
 るのだから、その分デート代は男性が出すべ    
 きだ。
・男性だって車の維持費等にお金がかかってい       
 るのだから対等だろう。
・実際に男女の賃金格差があるのだからその差
 を考えれば男性が払うのが妥当ではないか?
・自分が食べた分は自分で払うのが常識だ。
資産家のおじさまから金銭を受け取ること
 を主な活動としているため己の市場価値が下
 がることを恐れている女性と、現実ではデー
 トはおろか女性がいる社交の場に出向くこと 
 すらない男性がネットという荒野でありもし 
 ない争いをあたかも一大事のように騒ぎ立て
 ているだけではないのか?

などの賛否両論の意見が散見されます。
無益な争いが行われているのは悲しいことなので何か解決する方法は無いかと考えて思いついたアイディアがあるのでそれをこれから書きたいと思います。

この問題を解決するために導入したい考え方として負担能力主義というものがあります。
これは管理会計で連産品の原価をあん分するための手法なのですが、ここではざっくり
「稼げる力を基に費用を負担する割合を決めよう」くらいの認識でいてくれれば大丈夫です。

例えば、あなたがワニ卸業者だとして部位ごとの利益を計算したいなと思った時などに負担能力主義の考え方は役立ちます。
メーカーからワニ一頭を100万円で仕入れることができ、ワニ一頭から100万円で売れる皮、60万円で売れる腕肉、40万円で売れる牙が取れる場合を想像して下さい。
この場合だと売値の比率100:60:40で仕入値の100万円をあん分するので皮に50万円、腕肉に30万円、牙に20万円あん分され
皮の利益:100万円-50万円=50万円
腕肉の利益:60万円-30万円=30万円
牙の利益:40万円-20万円=20万円
となります。

この負担能力主義の考え方をデート代の支払い額の決定に適用しようというのが今回私が提案したい解決策です。
まずはお互いに所得税などを計算する際に用いる所得金額(年収からもろもろを差し引いて出されるもので、これに関してはまた別で詳しく書きたいと思っています。)から自動車の維持費や車検代などの男性特有の費用、美容費や生理用品代などの女性特有の費用を控除することで求められる額、仮にデート支払能力指数(DPI:date payment index)としましょう。このDPIの比率によってデート代をあん分することでネットで議論される諸々の問題が解決出来るのでは無いかと考えたのです。

DPIを用いた場合のメリット
・男女間の年収格差の是正に役立つ。
・社会が女性に当然のように要求する身だしなみ      
 に関する負担を金銭面で補助することが可能。
・社会が男性に求める負担も反映されている。

DPIを用いた場合のデメリット
・こんなことを考えているやつはモテない。

いかがでしたか?負担能力主義の考え方がかなり公平で、日常生活に適用できるのでは無いかと思い今回紹介してみました。
デート代について悩んでいるという人は良ければ参考にしてみて下さい!



以下、DPIを実用段階に移す際に生じる問題点を箇条書きで書いていきます。

・お互いの同意が無いと使用出来ない。
・収入がない人は一切負担しないことになってし
 まう。(扶養内の人も)
・支払う額から相手の年収を推測することが可能
 (日本ではお金の話をタブー視する風潮がある
 ため、風土的に馴染まない可能性が高い。)
・細かな控除に関する規定を決めるのが困難。
 (年収に見合わない車の購入、一般に公正妥当
 とは言えない美容代などをどのように扱うか
 定めなければならないことが山のようにあるこ
 とは想像に難くない。)
・機械的であるため男性にはカッコよく奢って欲
 しいという女性のニーズには応えることが出来
 ない。
・今回便宜上かなり雑に男性、女性で分けて論を
 進めたため多様性が求められる現代では出来る
 だけ多くの人が傷つかないような制度作りがこ
 れから必要。
 (男性にかかる費用、女性にかかる費用という
 ジェンダーバイアスを助長する可能性のある書
 き方になってしまっている。)

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