見出し画像

新自由律川柳 14

膝肩の 痛みをどけて バンテリン
(ひざかたの いたみをどけて ばんてりん)


元歌
久方の 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ

日本語訳
こんなに陽の光がのどかに降り注いでいる春の日なのに、どうして桜の花は落ち着いた心もなく散ってしまうのだろう。

句の作者
紀友則(850〜904)
紀友則(きのとものり)は、平安時代前期の官人であり、歌人として活躍しました。紀貫之の従兄弟であり、三十六歌仙の一人でした。「古今集」撰者の一人であったものの、「古今集」が完成する前に亡くなっています。
決まり字「ひさ」


今回の川柳の解説
「膝肩の痛みをどけ」まで元歌の韻を踏んでます。
それがどうしたと言われても困ります。

歳を重ねてくると、膝や肩などの関節周りがどうしても痛くなりがちです。

バンテリンよ、どうか私の膝の痛みをどけておくれ。

そんな作者の悲しく切なる願いが聞こえてきそうな一句です。



元歌の解説等は以下の記事を引用させていただきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?