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雑記 2025.02.26

 お疲れ様です。
 今回は自分の作風絡みのご紹介をさせていただきます🙂
 フィクションの情報インプットを保ちたいので、毎クール結構な本数のテレビドラマを視聴しているのですが(スマホ使って列車内などで視聴することが多いです)、まずは自分なりのその分類の話から。
 自身が小説を書いている関係上、演技や演出などよりは各作品のストーリーに着目することが多いです。(自作は全然テレビドラマっぽく進行しないのですが、そこは置いときまして😅)。自分の中でも色々な見方はありますが、個々の作品の視座の違いみたいなものは取り分け強く意識するようにしています。大きく分けて下記の四つのどれに近いかなぁと考えています。

1.個人レベル
2.都市レベル
3.国レベル
4.世界レベル
 
 各作品の単純な規模による分類とは異なりまして、例えば1は何かしらの形で主人公が迫害・疎外されているなど、話の流れが格別個人に重きを置いている作品を想定しています。必ずしも一匹狼的でなく、小集団対悪代官的な構図が強く現れているものも個人レベルの作品と見ています。それからこの場合、封建社会を打倒するような話の流れになることが多いと考えています。
 2は社会と個人の敵対傾向が低い、まるでない訳ではない訳ではありませんが、全体の主題が上記1とは異なり、ラスボス的に権力が構えている傾向も低いもの、お仕事で問題を抱えながらも恋愛を頑張るなどの作品が当てはまるかと思います。
 3は刑事物や医療物が代表的で、2よりも大きな組織的枠組みで動くもの。4は説明が難しいですが、日本社会にとって非日常傾向が高いもの、国際問題を日本の枠組みに落とし込んだものなどが特に当てはまると見ています。
 別に4の世界レベルだから優れているという訳ではありません。それにテロ関係を扱う作品でも2寄りや3寄りだったり、医療系でも2に近そうなものがあるなど、微妙な違いがありそうです。それから2〜4でも主人公にスポットは当てられますし、個人が全く無視されている訳でない点も注意しておきたいです。
 また、この他に5としてSNSの分類を設けています。SNSは離れた個人と個人か都市と都市を繋ぐものだと考えていますが、単純な1や2より人間関係が広い範囲に及んで複雑だったり、ある意味では寄せ集め的であるなどの特徴が挙げられそうです。
 
 それで自分の作品についてですが、1と2の間ぐらいに位置づけて、個人と社会の対立構造をあまり強く描かないことが多いかと思われます。ここには自分の趣味面、インディーズのロックミュージックが好きな事情なども手伝っていると自分の中で考えられています──インディーズのスタンスも一言では括れませんし、中には封建打倒的な考え方をしている場合もあるかと思います。また、ゲームの方ではインディーズ系はこれまでろくにやったことはありません。
 おまけに意外と産業革命前の都市的な性格も強かったりするはずです──列車や車で生活範囲が拡張される前、ざっくり言うと身体一つで動ける範囲をベースにしている。そうかと思えば気軽に列車に乗って道程を省略するなど、ちゃっかり現代の便利な移動手段は活用はしています。
 それで個人の感覚的な物事は重視しますが、客観面やデータも尊重して活用し、判断は基本的には個人レベルのものになりがち。大統領や会社の社長や偉い方のように決定によって他者を直接巻き込む度合いが低い、小市民が主人公や主要人物になることが多いです。
 本来の実社会ではその立場で馴染めない政策がもたげられた場合に声を上げること、政治的になることが理想の形かなと考えられるのですが、自作でその辺りまでを描写することはほとんどありません。人権を脅かす類の問題の場合は大変なため、一応個々の反発の芽は刈り取らないようにしています。
 上記の国レベルの作品を作ることも苦手で、刑事や医者やらは出て来ること自体が珍しいです(勿論自分が見る分ではそれらの作品もよく見ています)。加えてそこにSNSの問題を間接的にでも加味した作品作りを行っている、その辺りが大体の自分の作風と考えています。
 個人と社会の対立問題に直接焦点を当てないことに自分でも是非を感じることがあるのですが、その辺りに酔いしれるみたいなやり方は苦手かなと自分の中で見切りをつけた成り行きがありまして、何も悲劇を軽んじているのとイコールではありません。程度はともかく自分の中でも様々な体験はありましたし、むしろ尊重する中で自分なりの描き方を探り続けて来た感じです。
(現状の友達はかなり少ないですし、いまだに自分周囲の家族にもnoteで小説投稿していることを伝えておりません。作品によって少なからず自分の内面世界を表しているとして、それと外面とが一致する人はとても限られています。貴重すぎます🥲)
 社会の描き方では対立を少なくする代わりに調整を利かせている面があります。例えばよく言われる男社会が存続している形にはならないように心がけ、自分なりに気づけた範囲かもしれませんが、問題解消に努めた結果を自作の社会で示しています──具体的には下ネタ禁止、一方的な主張の押しつけも禁止、などなど。
 実際に社会の中で困窮している、強く苦しんだ場合など、そのように結果を示すことに首を傾げる方々もやはりいらっしゃるかと思われますが、こういう社会の形ならどうだろう、疎外感を抱くことなく馴染めるだろうかと、自分側からフィクションを通じて提案していると受け取ってもらえれば有り難いです。
 それに自作の登場人物は大なり小なり変な人ばかりですし(奇抜になりすぎないように注意しています)、作中で個人回復の場、息抜きの場的な秘密基地が形を変えて出て来ることは頻繁にあります──直近の短編でも詩人の合宿場、キャラバンの滞在先とビニールハウス、ダーチャ風の別荘、祖父母の住んでいた家、左程長持ちしませんが一種の秘密基地ばかりですね😅
 また、大事な点ですが、皆様のやり方を否定するものではありません。新しい取り組みは試していますが、自分のやり方を続けるばかりではマンネリも生じてしまいますし、異なるやり方はむしろ励みや刺激になります。
 自分の場合、好きなことを通じて規範意識が育まれている関係か、他者の方法や規範にも大体寛容になれています──例えばですが、サッカーに関心を持ってルールや戦術への理解を深める→サッカー好きになり、ルール変更への多少の提案はあってもそれ自体を壊そうとは考えなくなる。野球やバスケなど、他の仕組みで動くものへも興味を抱ける→世界平和に貢献している感じがして来る。
 そのクラブレベルの海外サッカーに惹かれている事情も自分には大きそうで、これまでも個人的なフィードバックを沢山得ながら作って来ました。イタリアのサッカーでは伝統的なスタイルからの脱却を志すカルチョ・プロポジティーボ(提案型サッカー)なる取り組みがあるという話なのですが、上記の改革後の社会を描く自分のやり方もそれに近いものがあるかもしれませんね。
 
 今後について。主人公の年齢層が大分偏って来たきらいがあるため、中年や高齢など、実際の自分よりも上の年齢層を書く機会も増やしていきたいです。
 それから刑事物的な話の構想も一応ありますので、思い切ってそちらに挑戦することもあるかもしれません。これまでに小説作りのために警察機構関係の本を少し読んだことはあるのですが、それで実際に各方々がどう動くかが不明で小説作りを断念していた面もありました。逸れ者で異世界的にするなど、色々自分にとってやりやすい形で作るのもありかなという感じがしています。
 今のところの構想は下記の形で、平将門だったりAIと特異点やアルゴー号の船首の話も参照しつつ、映画の『セブン』やアニメの『イノセンス』風の作品になれば良いなと願望しています──弱いAI搭載のロボットが集まる特区があって、その中で一部界隈でラ・ジョコンダ的に崇められるロボットの頭部が失くなる事件が発生。主人公のおじさん捜査官が調べる内に、特区各地で目撃情報が上がると共に怪事件が生じる。犯人は強いAI→AIの思考獲得を願う方かという流れで話が展開し、思考は得られないでも霊的な性質は付与されている、そのような呪物フェティシズム的な面にも切り込みつつ、実際の怪事件と失くなった頭部事件の黒幕に迫る結末。
 人側の拗れた願いとそれを抱えるに至った理由、AI側の願望らしき何かかもしれない、そのようなシリアルな?可能性もやんわり示唆する作品になれば御の字です。ですがロボットの素材やメカニズムが不明すぎることにもなるかもしれません😅

 現在掲載中の連作ショートショートは肩の力を抜きつつ、小ネタを様々に試しながら書き進めています。詩的な文章に馴染めない方もいらっしゃるかと考えますので、その辺りは今回は抑えがちにし、口語に近い形になるよう句読点で区切られる幅を普段より短めにしています。
 アフターアワーズの観点から個人の日常に焦点を当てた内容で、全体としての盛り上がりは欠きそうな予感です。そこでバラの四側面から、盛り上がりはある意味では度外視して書いている感じです。オフビートものとしても中途半端な出来になるかもですが、とりあえず楽しみながら作っています。また後日に問題点を調整してまとめて掲載することも考えています。
 
 最後に。以前の雑記でも記しましたが、特に影響を受けている小説家はマイケル・オンダーチェさんとアリス・マンローさんです。皆様今後ともよろしくお願いします🙂