【時代を越えるデザインと感性】とあるアーティストを紹介させて下さい30
とあるアーティストを紹介させて下さい。
彼女は1912年12月15日、アメリカのカルフォルニア州サクラメントで生まれました。
1933年にニューヨーク州のベネット大学に通い、1937年まで有名な抽象画家、ハンス・ホフマンに師事し、絵画の勉強を続けました。
1940年、彼女はミシガン州のクランブルック美術アカデミーに入学し、そこでチャールズという男性に出会いました。
1941年に2人は結婚し、ロサンゼルスにデザイン事務所を開きました。
2人は、プライウッド(合板=薄い木の板を重ねて成形する板)の三次元成形技術の実験を重ねました。手頃な価格で快適に座れるイスの制作が目的でした。
試行錯誤の末、合板製のラウンジチェアを発表、ミシガン州のハーマンミラー社で量産を始めました。その他、中産階級向けに作ったプラスチックと合板製のイスなどで成功を収めました。
以降、自宅として建設した「イームズハウス」、「ハウスオブカード」などのおもちゃ、「パワーズ・オブ・テン」などの映像作品など様々な分野でその才能を遺憾なく発揮しました。
1950年代当時、世間は彼女をチャールズの対等なパートナーではなく「助っ人」として扱いました。チャールズはそれに抗議し、
「私にできる事なら、彼女はなんだって自分よりもっと上手くやれる」と言いました。
基本的に彼女は全てのプロジェクトに関わり、イームズの広告や写真のスタイリング、アートデレクションは全て彼女の担当でした。
チャールズは1978年8月21日、帰省中に心臓発作で急逝。
奇しくも10年後の同じ日、1988年8月21日に彼女は息を引き取りました。
2人のデザインは現在も引き継がれ、世界中で生き続けています。
彼女の名前はレイ・イームズ。
「ミッドセンチュリーデザイン」の代名詞として、名を残すアーティストです。