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「君に届け」1巻を久しぶりに読んだら心が辛くなったけど面白かった。

新作アニメが配信されるということで、かなり久しぶりに「君に届け」を読み返した。思ったよりも面白かった。
まず、主人公がいい。知り合いの女性が「風早君みたい子は男はカッコつけるからギリギリいるかもしれないけど、爽子みたいな子はいないよね」と言っていたのを思い出した。確かにそれくらい主人公の爽子は根がポジティブでいい子だ。それだけで好きになりそうになる。(自分は少女漫画や乙女ゲームなど、主人公が女の子のときは少なからず、主人公可愛い~、と思いながら読むタイプだ)はっきり言って自分が爽子の立場だったら、ここまで周りに感謝できない。もっと被害者意識を持ってしまって、卑屈で、歪んだ性格になってしまうと思う。こういうキャラを見ると自分が恵まれていると実感できるし、周りに感謝しようという気にもなる。
風早君もいい。このイケメンが爽子に惚れるというところがリアリティーのなさを感じなくもないが、ピュアでいい。この妖精のような現実感のない二人が人間同士のカップルになる話を書いていたのが、「君に届け」という作品だった気がする。
ただ、社会人になってみるとピュアすぎてなんだかしんどいと言えばしんどい気もした。社会人になると本が読めないとか、感性が鈍くなるというのはよく聞く話だけども、ここまで純粋には生きることができなかった自分に寂しさ、というか、切なさを感じた。
もっと言えば、「隣の席の子の何気ない動作、一言がすごく気になる~」みたいな世界とはかけ離れた世界で自分が生きていることを実感してしまった。複雑な気持ちだ。いやこんな青春送ったことないから始めから幻想だったのかもしれないが。
ともあれ面白いは面白いと思った。

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