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私にとってラブライブの面白さとは何か

私が「ラブライブ!」のアニメを初めて見たのは大学生のときである。当時東京の大学に通っていた私のもとに、友人達が「ラブライブ!」の聖地巡礼に来た。せっかくなので一緒に聖地巡礼をしよう、聖地を楽しむために私もアニメを視聴した方がいい、という流れになったのがすべての始まりだった。ここから、四日間は「ラブライブ!」漬けの日々だった。「ラブライブ!」のアニメを見てはその舞台となった聖地を見に行き、帰ってきたら、また「ラブライブ!」のアニメを見る。基本その繰り返しで、四日間でアニメ一期、二期、映画すべてを視聴し、東京近辺の聖地はほぼすべて網羅した。忙しかった。特に聖地として有名な神田明神には三回も行った。行き過ぎだろうと今でも思う。

それにしても、驚嘆すべきは友人達である。彼らは当然、既にすべて視聴済みである。それなのにせっかく東京に来て観光するわけでもなく、一緒に「ラブライブ!」を見て楽しそうだった。そんな彼らを横目に見ながら、正直そんなに面白いか、と思っていた。つまらなくはない。全然そんなことはない。だがしかし、ここまで夢中になれるほど面白いか、というと甚だ疑問が残った。

「ラブライブ」や「スクールアイドル」ってなんなんだよ、という突っ込みをすることが野暮なのはわかる。そんなことを言い出したら、「ネコ型ロボット」ってなんだよ、とか、「アンパンマン」ってなんなんだよ、という話になる。アニメに対して細かい矛盾点を探そうとするとキリがないし、そんなものは無粋だ。それは十二分にわかる。ただ、どういうテンションで見ていいのかよくわからない、という気持ちは最後まで残った。アイドルの頂点を目指すスポ根もの、として見るとギャグや可愛い女の子を楽しむためのシーンが多くて、それが余計な気がした。では、可愛い女の子が頑張ってアイドル活動をしているのを楽しむ作品だとすると、不自然にシリアスな展開や、時折ちぐはぐに見えるキャラの言動が気になった。友人たちは「これはこれ、それはそれ」とあまり気にしていなかったが、私は曲と勢いとなんとなくの「エモさ」みたいなもので不自然な展開を誤魔化しているような気がしていた。だから面白いとは思いつつも友人達ほどハマれなかった。その夢中になれる理由が知りたいと思った。

そんな私が少し積極的に面白いと思ったのが、次作の「ラブライブ!サンシャイン!!」だった。正直に言って先ほど述べた点はあまり解消されていなかったが、「普通」な自分がコンプレックスである主人公が「輝きたい」から「スクールアイドル」を目指す、という所に共感できるポイントがあり、他のキャラにも「わかるな」というポイントがあった。このときから、「面白い」と思えるポイントを積極的に探すようになり、二期、映画ともそれなりに楽しく視聴した。ちなみに友人達はとっくに「ラブライブ!」シリーズからは卒業していた。そんなもんだと思う。

振り返って見ると何が面白いのかわからないから、その面白さを追求していく。というのが私の「ラブライブ!」に対する一貫した視聴態度だったように思う。その過程で、ああでもない、こうでもない、と考えている時間が一番楽しかった気がする。結局、何が面白いのかの結論は出さずに、考えつづけるという贅沢な遊びをしているだけなのかもしれない。

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