十三機兵防衛圏 クリアレビュー
○初めに
3月ですね。年度末業務に忙殺されていて、なかなかゲームをできていない竹馬です。
今回は、アトラスとヴァニラウェアがタッグを組んだSFアドベンチャー、十三機兵防衛圏のレビューをしていきたいと思います。
本作は、ストーリーパートである追想編、バトルパートである崩壊編、これまで見たイベントや情報などを閲覧する究明編に分かれています。
究明編にゲーム性は特にないのでおいておきますが、パートに分けて感想を書いていけたらと思います。それではどうぞ。
○追想編:ストーリーパート
追想編では、十三人の少年少女のストーリーを追うアドベンチャーパートです。物語の主な舞台は1985年の咲良高校であり、十三人の主人公のほとんどがその高校の生徒です。
なぜ彼らが機兵と呼ばれる巨大なロボットに乗り最終決戦に挑むことになったのか、後述の「崩壊編」に至るまでのお話が描かれます。十数人の少年少女がロボットに乗るというと、鬼頭莫宏の「ぼくらの」を思い出してしまいますね。
初期の時点では、鞍部十郎しか選択することはできませんが、ストーリーを進めていくにつれ様々なキャラクターが解放されていきます。
キャラクターを選んだら、NPCに話しかけて情報収集をしたり、人や物を探したりなどして、ストーリーを進めていきます。
こちらから特定の話題を振れるキャラクターには、名前の上に「X」と表示され、Xボタンを押すとそれまでに取得していたキーワードや物を提示することができます。これにより、謎を解いていき物語が進んでいきます。
十三ある各キャラパートの中には、ストーリーを分岐しようとしたり、ループものの謎解きのようにしたりと、工夫が垣間見えるものもありましたが、結局は一本道のストーリーだったように感じます。
いろいろと工夫の跡は見られますが、語り方としては別にボタンポチポチのノベルゲーの手法とあまり変わらないなというのが自分の印象です。実際、付属の設定資料集でも「ルート分岐したかったけど作業量が膨大になりすぎるので断念した」的な記述もありましたしね。
ただ、ストーリーの中身はとても面白かったです。この項では詳細は伏せますが、記憶喪失の少年や訳知り顔の教師、タイムトラベルの謎や自分と瓜二つの姿の人物など、様々な謎や伏線が散りばめられて思わず先へ先へと読み進めてしまい、やめ時が分からなくなるレベルでした。
十三人のキャラクターの視点で進めていくので、ある一つの出来事に複数のキャラクターが関わっているという場面も。最初に見たキャラクターの視点からはわからなかった部分が、後のキャラクターをプレイすることで判明するといったこともあり、その辺りの緻密さも素晴らしかったです。
ただ、オクトパストラベラーの8つのストーリーですら覚えきれなかった私にとって、その1.5倍以上になる13のストーリーは覚えていられません。
そこで利用したのがNotionです。データベースのギャラリービューで、各キャラクターのページを作り、ページ内にストーリーの要点を書き残していくことで、今誰がどういう状況になっているかを把握していました。
ストーリーを保存するデータベースには、話の内容だけでなく、プレイした順番、舞台となっている年代、他のストーリーとの関連などをメモ。
キャラページ内では、そのキャラクターのストーリーしか表示されないようにしていましたが、ホームでは、全てのストーリーが一覧になるようにプレイした順番に通し番号を振って、自分のプレイ履歴を残していました。
入力の手間はありましたが、これのおかげでだいぶストーリーを楽しむことができたと思います。
○崩壊編:バトルパート
崩壊編では、主人公たち機兵とダイモスと呼ばれる敵怪獣?の最終決戦が描かれるバトルパートです。
まず13人のキャラクターのうち6人を選び出撃させます。13人が操る機兵はそれぞれ、第一世代(近接型)、第二世代(万能型)、第三世代(遠距離型)、第四世代(飛行型)に分かれており、出てくる敵の特徴に合わせた編成を行います。
出撃画面では味方キャラの強化もでき、戦闘後に手に入るメタチップを使うと、新しい技の習得や技の強化などができます。
バトルは、ファイアーエムブレムのようなSRPGとタワーディフェンス、FFのアクティブタイムバトルをたして3で割ったようなイメージでしょうか。
敵怪獣は、自軍の本拠地である「ターミナル」を破壊しようと襲い掛かるので、それを阻止しながら敵を全滅させるか、2分間耐え抜けば勝ちというシステムです。
大量に湧く小型の敵には遠距離からの範囲攻撃、巨大な単体の敵には高火力の近接攻撃など、敵に応じた技を使うのも工夫のしどころ。
最初はガンガン攻撃していれば攻略できていましたが、終盤は敵の攻撃を引き付けるポッドを設置するような補助技も使わなければしのぎ切れず、難易度ノーマルでしたが絶妙な戦闘バランスだったなあと感じました。
最終戦、イージーに難易度下げようかと思いましたが、2戦目でクリアできたのはラッキーでした。
○各キャラ雑感(ネタバレ有)
この項では、13人のキャラの雑感をランキング形式でお伝えしようと思います。
13位:東雲涼子 12位:薬師寺恵
色ボケメンヘラバイオレンス女(好きな方ごめんなさい)。個人的にはこの二人のみ、好感度マイナスです。
11位:郷登蓮也
ここからは好感度プラス組。頭いいしカッコいいんだけど、女を見る目がない残念な男。他キャラとの絡みも少ないから、正直人となりを判断しづらいです。
10位:冬坂五百里 9位:鞍部十郎
この二人は、冬坂五百里、鞍部十郎単体で考えると好きなんだけどなあ…。それ以前の人格がなあ…。って感じです。
森村千尋だけを考えるなら、好感度マイナス組ですね。囚人426や和泉十郎は、結局いい奴だったっぽい?ので、冬坂<鞍部というランキングに。
8位:如月兎美
よくいるツンデレ三つ編みメガネ女子。9,10位とは対称的に、別人格が良かったパターン。この人がいなきゃ世界は救えなかった。
7位:網口愁
現人格は最高に好き。若干冷めたところもあるが、勉強もスポーツも万能で人当たりもいいイケメンキャラ。ただ過去の人格が、色ボケメンヘラマッドサイエンティストなのでこの位置。
過去人格がなければダントツ1位なのに…。
6位:比治山隆俊
色ボケ硬派な焼きそばパンジャンキー。お国のためにとか言いながら、割と心は軟派な気がする。恋愛の形は人それぞれだと思います。
5位:鷹宮由貴
義に厚いスケバン少女。友達思いだし、勇敢だし、悪いところは見当たらないんですが、いまひとつ活躍の場が少なかった印象です。
4位:関ケ原瑛
記憶喪失と白馬の王子様の一人二役を器用にこなす男の子。ぶっきらぼうなところはあれど、五百里の気持ちにも真摯に向き合っているところが好感度高いですね。三浦との友情も◎
3位:南奈津乃
陸上部の元気娘という、その一点だけで筆者の心を奪った女の子。宇宙好きの不思議ちゃん感があるところもいいですね。BJを必死に守る姿も健気で良し。
2位:緒方稔二
硬派なリーゼントヤンキー。惚れた女は体を張ってでも守る漢気に惚れてしまいますね。実はボンボンという意外性も◎ですが、さすがに他校のヤンキーに対しては短気すぎる気がしてそこは相手が気の毒。
1位:三浦慶太郎
戦前生まれの、硬派で不器用なところもありながら仲間思いなところにグッとくるキャラ。3つある人格すべてで、奈津乃を思っている一途さもいいですね。
自分の人格を消してしまうことになっても、仲間を救うために必要なデータを自分の体にダウンロードしたところには涙を禁じえません。もうお前が主人公でいいよ。
○終わりに
全体的に色ボケキャラ多くない?って感じでした。しかもその恋愛感情のせいで、窮地やひいては人類の危機に陥ることも多々あり、「お前さあ…」と言いたくなるキャラが多いんだこれが。
プレイしていて「ぼくらの」が読みたくてたまらなくなったので、ちょうど先週実家に帰省していた折に全巻読破してきました。マチ戦で思わずボロ泣きしてしまいましたね。一番好きなキャラはカンジかな。
アトラス×ヴァニラウェアのタッグ作品は今作が初めてでしたが、やはりアトラス作品だけありストーリーが秀逸でしたね。この前発売したユニコーンオーバーロードもプレイしてみたいところ。
次回は積んでいたFF9をプレイする予定です。こうご期待。