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ユニコーンオーバーロード クリアレビュー

 パリオリンピックが始まりましたね。バスケとバレーと卓球と陸上は追っていきたい竹馬です。

 今回は、おなじみのアトラス×バニラウェアのタッグが手掛けたSRPG、ユニコーンオーバーロードの感想を書き連ねていきたいと思います。



○探索フィールドがそのまま戦場に

 オープンワールドゲームが人気になって久しいこの頃、探索フィールドがそのまま戦場になるというのは今や当たり前。

 ユニコーンオーバーロードも、2Dではありますが広大なフィールドをシームレスに移動でき、戦闘パートでは探索していたフィールドがそのまま戦場に。

 ただ、SRPGでこの手のタイプは珍しいのではないでしょうか。ファイアーエムブレムにしろ、FFタクティクスにしろ、ワールドマップから行きたい場所を選択してから、街で買い物をしたり敵と戦ったりしていた気がします。まあファイアーエムブレムでフリーマップになったのは聖魔以降ですが。

 なので、本作の探索パートと戦闘パートで同じフィールドを使っているというのは、ちょっとした衝撃でした。

・探索パート

 探索パートでは、街での買い物や戦場へ赴くだけでなく、色々な仕掛けが。

 その一つに、街の人から頼まれるクエストがあります。クエストの達成条件はいろいろありますが、フィールドに落ちている素材を一定数持ってきたり、探し物をしたり、レベルを一定まで上げたりなど。

 クエストの一部ではありますが、謎解きのような要素もあり、ストーリーが進まないと起動しないいかにも怪しげなオブジェクトがあったりもします。

いかにも怪しげな石板
ヤーナが仲間になると進められるように

 他にも、街の復興や壊れた橋を直すために素材を集めたり、野生の敵兵がうろついているので倒したり、仲間にプレゼントを渡して好感度を上げたりなどなど。意外といい装備がそこら辺の塔などに落ちているので、探索する楽しみが結構ありました。

・戦闘パート

 さすがに敵兵が配置されたり拠点に旗が立ったりするので、探索からシームレスに戦闘へ移行とはいきませんが、探索フィールドがそのまま戦場になる本作。

 戦闘の流れとしては、以下の通り。
①自軍の部隊を呼び出す
②部隊の進行方向を決める(移動はオート)
③敵にぶつかったら戦闘
④拠点を守っているボスを倒せば勝利、
味方キャラが倒されてもロストなどはなく、相手部隊が自分の拠点に到達したら敗北です。

 自分の印象としては、ファイアーエムブレムに若干タワーディフェンス要素を足したようなシステムだと感じました。

敵とぶつかると戦闘を始めるか、その前にアイテムを使うかを選べる。
戦闘アニメーションはスキップも可。

 戦闘は部隊単位で行われるため、事前に1〜5人の部隊を編成しておく必要があります。アタッカーやヒーラー、タンク、メイジなど、各キャラにはそれぞれの役割が。

耐久の高いキャラは前列、脆いキャラは後列に配置。

 自分は、一部隊で色々こなせるバランス部隊を複数作っていましたが、ある役割に特化させた部隊をそれぞれ作るようなやり方もあるのかもしれません。

 各キャラの装備やスキル、部隊編成を考えるだけで気付いたら1時間経っていたなんてこともあり、このゲームの肝の一つです。

戦闘はオートなので行動パターンを事前にプログラミング。



○片田舎の島から這い上がる物語

 本作は、幼い頃ゼノイラ帝国に王国を追われ離島に身を隠していた王子アレインが、解放軍を組織して帝国に反旗を翻す物語。

 最初こそ、アレイン陣営は臣下のジョセフと島にいる幼馴染3人だけの5人しかいない勢力ですが、帝国に支配されている各地の街を解放しながら徐々に仲間を増やしていきます。

 仲間になるのは、志を同じくするかつての臣下や、荒れた町を盗賊団から守る義勇兵、隣国の王子様など立場は様々。敵だったキャラクターも、こちらの選択によっては仲間に引き入れることができます。

 正々堂々と戦った敵を味方に引き入れるのはやぶさかではないのですが、中には悪逆無道を働く盗賊なども。

 しかも我が身可愛さに架空の妹を持ち出し、「悪いことをしていたのは妹のためだ、許してくれ」と聞くに堪えない命乞い。恥を知れ恥を。こういった輩は、有無を言わさず断罪していました。

無様な命乞い
無慈悲な選択
別キャラですが投獄される者も

 生殺与奪の権を握りすぎて冨岡さんに怒られそうなアレイン王子ですが、こんな風に仲間を増やしていきながらゼノイラ帝国から五大陸を解放していきます。


○キャラクターランキング

 ここでは、50人以上?いるユニコーンオーバーロードのキャラクターランキングを、独断と偏見たっぷりにお届けします。

・3位:メリザンド

 高飛車お嬢様キャラながら、アグレッシブに玉の輿を狙うグイグイキャラでもあります。

 私はグイグイ来てくれる女性キャラが大の好み。主人公のアレインがコルニア王国の王子とわかると、手のひらを返したようにすり寄ってくるところがたまりません。側室でもいいなんて健気が過ぎます。

 そんなちょっとネタキャラチックなメリザンドですが、しっかり有能なところもポイントが高いです。

 コルニアゆかりの名家ながらも、ガレリウスが侵攻してきた時には自領の被害を最小限に抑えるべく降伏。

 その後、アレイン率いる解放軍がやってきた時には、戦いはしますが解放軍の傘下に入ります。自領の土地と領民を第一に考え、機を見て勝ち馬に乗るという名領主と言えましょう。

・2位:ギルベルト

 ゼノイラ帝国の進行前は、コルニア王国と小競り合いをしていたライバル国、ドラケンガルドの王子。東京卍會の副総長が治めてそうな名前の国ですね。

 ギルベルトは優秀な長男を兄に持つ、第2王子。ゼノイラの侵攻により王である父と跡継ぎの兄を失ってしまいます。優秀な兄が生きていればもっと国は良くなるはずなのに…と、劣等感を抱えながら国王代理をこなすところに人間臭さを感じ、好感が持てました。

 キャラ性能的にも一国の指導者らしく、指揮により部隊の味方全体を強化するスキルが多めのクラス。苦しみながら臣下のため、領民のためを思う姿に心を打たれたので、2位にランクインです。

・1位:オーシュ

 ゼノイラ帝国に遺跡の発掘調査を命じられた魔道士。名家の出身で、常に母親からの評価を気にするマザコン男です。

 敵側として出てきた時は、「母さん、母さん」とうるさく、どことなくスネ夫のようないやらしさを感じたので、その後の選択肢で仲間にするか結構悩みました。

 ただ、「パーティーに魔法使いいないしな…」という気まぐれと打算によるキャラ勧誘によって、命を拾われることに。これには冨岡さんも激昂ですね。

 しかしその直後、意外と憎めないキャラであることが発覚し、一気に私の好感度が跳ね上がります。

勧誘直後のセリフ
自分の家と敵対する形になっても意外とポジティブ
このセリフが決め手かも知れない

 加入時の「僕の考えていた未来とは違うけど、案外、そこに欲しいものがあるかもね」という言葉。大学時代、キャリア教育学を専攻していた身としては、クランボルツの Planed Happenstance(計画された偶発性) 理論を思い出してしまいます。

 この理論は、変化の激しい現代、人生なんて何が起こるかわからないんだから、チャンスが降ってきた時にモノにできるようにメンタルなり能力なりを磨いておこうね、というものです。

 私も偶然に身の振りを左右されてばかりの人生なので、「自分のキャリアは自分で描ける!」なんて言っている識者は胡散臭くてしょうがないと思っている身。自分と同じく Planed Happenstance 理論を体現しているオーシュに親近感を感じ、1位とさせていただきました。

 あと、部隊でリーダーにした時のアシスト魔法が普通に強いという、性能的な部分も魅力です。


○終わりに

 自分はハードモードでプレイしましたが、クリアタイムは60時間くらいだったでしょうか。

 難易度的にもそこまで難しくなく、「ちょっと敵が強くなってきたな」と感じた時に、装備なり編成なりを見直せばなんとかなるレベルでした。

 もう少し歯ごたえある戦闘をしてみたかった感もありますが、難しすぎてもストレスなのでちょうどいい塩梅だったのかもしれません。

 次回は、リメイク版スーパーマリオRPGのレビューをしていきたいと思います。実はもうすでにクリアしてしまっているのですが…。お楽しみに。

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