OCTPATH TRAVELER Ⅱ レビュー①:東大陸編
初めに
気付けば10月も終わり、年の瀬も間近ですね。前回から間が空きましたが、今回はOCTPATH TRAVELER Ⅱ のレビューをしていきたいと思います。
ただ、このゲームはご存知?の通り、8人いるキャラのストーリーを自由に進められるシステムとなっています。
前作は8人のストーリーを満遍なく進行していきました。その結果、ほとんどのストーリーが記憶から抜け落ちてしまっているという反省を踏まえ、今作は主人公として選んだ盗賊ソローネを含む、東大陸出身キャラ4人のストーリーのみをまずは集中的にプレイしました。
そのため、現時点では東大陸キャラのストーリーしか進めてしかおりませんが、本記事では東大陸キャラクリア時点での雑感を書き連ねていきます(ネタバレ有)。
盗賊ソローネ
今作で主人公として選んだのが、盗賊ソローネ。主人公を選ぶときに、踊り子アグネアか、神官テメノスか、このソローネあたりで結構悩みました。が、今思い返せば前作の時も神官オフィーリアを選んでいたので、綺麗なお姉さんに惹かれたのかもしれません。
盗みも殺しもなんでもござれな盗賊団「黒蛇」の一員であるソローネは、血塗られた生活に嫌気が差して黒蛇を抜ける決心をします。そのために、黒蛇の長であるマザーとファーザーを探し出し始末するため、世界をまたにかける…といったあらすじです。
2章、3章と、マザー、ファーザー、の足取りを追っていくうちに、ソローネには、かつて黒蛇の頭領だった母親、マリエッタがいたことや、マザー、ファーザーとのつながり、さらにはその裏側にいる人物や黒蛇の本当の姿が明かされていきます。
このストーリー、どんでん返しもあり、なかなかエグい展開もあって自分好みでした。イヤミスとか好きなんですよね。ソローネ編を一言でいうと、「蟲毒」って感じですが、ストーリー自体は、全4章で割とスッキリ完結していると思いました。
登場するキャラクターも魅力的。マザーはよくいる嫌なおばさんって感じですが、ファーザーは不憫すぎる運命に同情を禁じ得ませんし、2章母の編で出てきたマフィアのボスも敵ながら見事な散り様でした。
ちょっと残った謎は、案内人のようなおじいさんと、孤児院経営者でもあるマザーを倒した後にソローネに恨みをもった少女、あとはストーリー中に意味ありげに出てきた王子様とお姫様のおとぎ話あたりでしょうか。
狩人オーシュット
トト・ハハ島に暮らす獣人オーシュットが、数百年に一度?の大厄災「緋月の夜」から島を守るために、世界中に散らばっている守護獣たちを集めて旅する冒険譚。
第1章でオーシュットの相棒をフクロウとオオカミから選ぶというのはおもしろかったですが、選ばれなかった方が闇落ちする演出があって、「これがラスボスやん」と読めてしまったのは少し残念。
王道の冒険ものって感じでストーリーは普通ですが、オーシュットのキャラが立っててよかったです。野性味あふれるオーシュットが町へ下りた時の相棒との掛け合いは、女の子ながらドラゴンボールの悟空を彷彿とさせるようなほっこり感がありました。
別のPCゲームに出てくる、赤髪の獣人の女の子がどストライクだったことがありましたが、もしかしたら獣人の女の子が刺さる性癖なのかもしれない、と新たな自分を見つけた気がしました。
王道冒険ものとは言いつつ、話はソローネ編ほどは綺麗に終わらず、そこそこ大きめの謎が残されました。守護獣カタルアクタを狩ったり守護獣グラチェス討伐隊を組織したりした「黒の狩人」、そして選ばなかった方の獣を闇落ちさせた黒幕など。これらは今後のストーリーでも出てきそうですね。
神官テメノス
ソローネとどちらを選ぶかで悩んだのがこのテメノス。悩んだ理由は、主人公はパーティー固定というシステム上、必須の回復役が固定されていた方が残り3枠が自由に使えて便利だったからという前作の経験と、単にお話がミステリー風でおもしろそうだったからです。
聖火教会のトップである教皇お抱えの異端審問官テメノスですが、ある日、直属の上司である教皇が殺害されてしまいます。誰がどのような意図で教皇を殺害したのかを探るうち、次々と起こる連続殺人事件に巻き込まれることに…というお話。
テメノス編では、同じ聖火教会ではあるものの、派閥の違う聖堂騎士団の騎士であるクリック君が、テメノスの助手のようなポジションで登場します。熱血かつ生真面目なクリック君を、瓢々と斜に構えたような性格のテメノスが小馬鹿にする掛け合いがとても微笑ましいです。
ただ、冒険の途中でクリック君は、本編の黒幕によって殺されてしまいます。そこでのテメノスのセリフがこれ。
普段飄々としている分、なおさらこの熱いセリフがグッときますね。
この後は黒幕を倒して終わり、って感じなのですが、やはりここでも謎は残ります。黒幕が生まれた部族で崇められていた月影教の指導者、大魔術師ダーケスト、そして欲深い人間を欲のない獣人に変える「暗黒」の力。この辺りから、他のストーリーとの関連が見えてきたなーって感じです。
余談ですが、3章で閉鎖的な村を訪れた際、露骨なハニートラップを仕掛けられるのですが、「あなたの逞しい杖を見てみたい」や「杖を鞘に納めないと」など、セリフがやけにおじさん臭いのも面白かったです。これがCERO Dたる所以か。
学者オズバルド
究極の魔法を研究する魔法学者であるオズバルドは、志を同じくする学者ハーヴェイに謀られ、妻と娘を殺され、さらに家族殺しの罪を着せられ牢獄に服役させられてしまう、という重めの設定から始まる本ストーリー。
1、2章は、脱獄不可能と言われる牢獄からの脱走、3~5章は、オズバルドを嵌めた仇敵ハーヴェイへの復讐といった流れになっています。
牢獄から脱獄する際、情報屋のエメラルドに協力を請い、行動を共にします。エメラルドは、最初こそオズバルドの綿密な脱獄計画を利用するキツネのような印象をもったものの、二人が窮地に追い込まれると、追手の船に潜入して火を放ち、オズバルドを逃がすというイケメンムーブ。
オズバルドに気を遣わせないように、わざと仲間割れのような演技をして、追手の船に向かったのもポイントが高いですね。今作はNPCに魅力的なキャラが多いなと思いました。
その後、故郷に戻ってきたオズバルドは、事件現場の自宅でハーヴェイの手掛かりを探します。ハーヴェイの居場所を突き止めたオズバルドは、その後、魔物に改造させられた妻と戦い、記憶を改変させられた娘を救って一応のハッピーエンド。
本作は、各ストーリーのラストシーンで、各キャラのフィールドコマンドを使うという演出がありますが、記憶を失った娘が眠っているところに、「探る」を使うところがこれまたグッと来ました。切ねえ…。
このストーリーでも、第7の根源である「暗黒」の力や、大魔術師ダーケストの存在が示唆されており、テメノス編で残った謎と共通する部分がありました。
さらに、オズバルドが使用人?に、「私にはまだやることがある」的なセリフを吐いて終了。どのような形で共通ルートに向かうかが気になりますね。
終わりに
東大陸出身のキャラのストーリーについて感想を書いてみましたが、クリアしていない4キャラを含めても、ソローネ編のストーリーが一番だろうなって感じがしています。
この意見が変わるかどうかは、次回の記事、西大陸編をお楽しみに。