私の「くも膜下出血」⑤〜やっと手術!

やっと手術の日を迎えました。
くも膜下出血を発症してから18日目。
前兆と思われる強い頭痛があってから、21日目。

◼︎手術の日の朝

検温にきた看護師さんに「緊張してますか?」と聞かれました。
この時の私は「うーん、特に何も考えてないです」と答えました。
本当に、何も考えることがなかった「無」の状態。
考えることは、再びの暗室生活になった4日間で考え尽くした(考えるネタがなくなった)…のかもしれません。

この日、手術前に家族が面会に来ることになっていたのだけど、予定より早く手術室に移動することになったので、家族には事前に会えず。
でも、もし手術前に家族に会っていたら、いろんな欲が頭をよぎって、緊張したり不安になったりしていたのかもしれない。
家族に会わずに手術室に移動になったので、私の心境は「無」の状態のままでした。

◼︎手術室に入って…

はっきり意識がある中での入室。
刺激を避けるために目にタオルをかけているけど、聴力は正常。
看護師さんが常に優しく声をかけてくれていたり、
その横で手術の準備をしているDr陣が、「手術中、メガネが曇らない?」「2時間ぐらいなら大丈夫ですね」なんて世間話をしていたり、
いろんな状況の変化を耳で感じていました。
なんか、ワイワイしているなぁと思っているうちに、麻酔が効き始め…

次に目が醒めた時には、
「お疲れ様。無事に手術終わりましたからねー」と。

「あぁ、終わった。やっと終わったんだ。」
手術時間は3時間半。
予定時間よりも少し長く、家族は「まだ終わらない」と気を揉んでいたそう。
そして病室に戻ると、やっと会えた家族が「お疲れ様、もう大丈夫だって。無事に手術できたって」と手を握ってくれました。
その瞬間、「あぁ、良かった。大丈夫なんだ」と涙が溢れてきました。
安心したのか、なんだったのか。その時の自分の気持ちは分かりません。
でも、なんだか泣けてきました。

「辛かったよねー、ずっと暗室生活で大変だったよね。もう暗室も終わりだから。スマホも使えるよ」
と付き添っていた看護師さんが病室の明かりを付けてくれました。

ま、まぶしい…まぶし過ぎる…

薄目でしか目を開けられない私に「大丈夫?目が開けにくい?」と手術の影響を心配する看護師さん。
違うんです。今まで18日間、ずっと薄暗い部屋にいたんです。
まぶし過ぎるんです。
蛍光灯って、こんなに明るかったっけ?
突然の明るさに戸惑っていると、手術に立ち会ってくださった医師(主治医の上級医)が、様子を見に来がてら…
「久々にシャバに出た気分はどうですか?」と一言。

シャバって…笑
私は通じるけど、若い看護師さんとかはシャバが通じないんじゃないか?
そう思いながら、「まぶしいです」と返しました。

◼︎急性期の離床はやっぱり早い

手術が終わったその日に明るさ(スマホ含む)が解禁になり、
次の日から普通食。
廃用に対するリハも始まりました。
疾患にもよるけど、「急性期のリハは手術翌日から開始することがある」
あれって本当だったんだ…と実感しました。

19日ぶりに自分の足で立った時、
思ったよりも力が入らず、何かを持たないと立位を保持できず、爆笑。
「廃用って、本当に立てなくなるんだ」と思いました。
不謹慎かもしれないけど、勉強していたことが実際に起こると、なんか納得するというかなんというか…
歩くと足が床についていないような、ふわふわした感覚があり、
足もジンジン痺れるような感覚があって、不思議な感じでした。

トイレは1日目こそ見守りだったけど、
見守り下で安全が確認されたら、2日目からは「歩く練習にもなるから、自分で行ってもらっていいですよ」と。
麻痺がないことや私の年齢も関係しているのだとは思うけど、
本当にいろんなことが次々に許可されて、逆に「私、本当にフリーになって大丈夫?」と心配になるほど。
もちろん、大丈夫なのが分かった上での判断なんですけどね。

そして、手術から3日後、一般病棟に転棟することができました。

いいなと思ったら応援しよう!