展示「MON.jp」を見て、写真から立体感を消す難しさをオモイしらされた
Sony Imaging Gallery Ginzaで、大野葉子写真展「MON.jp」を見てきた。
MON=もん【紋/文】物の表面に表された図形、あや。紋様。
大野葉子さんは、コロナ以降遠方への撮影がかなわなくなり、身近なものに目を向けるようになり、視点を変えるだけで美しい紋様があらわれてくることに気が付いたとのこと。
立体であるはずの対象物に繰り返しパターンを見い出し平面構成に落とし込むことであらわれる紋様が、不思議な違和感と新鮮さを伴って迫ってくる。
大野葉子さんは、「立体感が消える瞬間に撮る」とのこと。
俺は、平面の写真をいかに立体感を持たせようかと、陰影を付けたり視線誘導を考えた撮り方をすることが多いのだけど、その真逆だ。
展示には、立体感が消えた写真もあれば、立体感が残った写真もあった。
立体感が残った写真は、わざとそうしているのかもしれないが、対象物の想像がつくとそのイメージから立体感を勝手に創出してしまう脳の性分を感じてしまった。
この脳の性分から自由になるのは難しいな、頭を柔らかくしておかないといけないな、それも撮る人と写真を見る人の両方ともが、、、
写真から立体感を消すのは難しいなと思い知らされた。
俺も頭を真逆に切り替えて「遠近感と陰影を消し去り、立体を平面に捉える」撮影をしてみようかなと思った。
2023年8月