「太陽と月のあいだ」(2)時を駆ける私
皆さんは、“時間”とは絶対的なものだと思ってますか?
過去から未来へと真っ直ぐに繋がっているものだと
私は小学生の時に経験した事により、“時間”に対しても“空間”に対しても信頼性を失ってしまいました
小学校中学年の頃は小遣いが少なかったので、友人と大好きなアイドルの新曲が発売される度、順番に買っては貸し借りをしていました
ある日の休み時間、ベランダの手摺にもたれていると、友人がやって来て
「新曲買ったから、今度貸すね」
と言ってくれました
私はそれをとても楽しみにしていたので、つい待ちきれず翌日の休み時間にまた同じ場所で
「ねえねえ、新曲、買ったんだよね❤️」
と友人に言うと、
「え?何で知ってるの?」
何でって・・
「昨日、言ったじゃない、買ったから今度貸すね、って」
「え?だって、買ったのって、昨日だよ」
「!」
私は訳が判らなくなりました。昨日聞いたから知ってるのに、友人が新曲を買ったのは昨日・・
どういう事なんだろう?友人はどう見ても私を騙したりふざけている様には見えない
なら、私が経験したアレは・・?
小学生の私のアタマはぐるぐるしてしまい、混乱してしまいました(いや、大人だって混乱するハズ❗)
すると、もっとヒドイ事が起こりました
何故か、翌日も同じことが起こったのです
そして、その翌日も
またその翌日も
私はもう、今が現実なのか、はたまた夢の中なのかがすっかり判らなくなり、ただただ一日一日を必死にやり過ごしていました
子供なりに、こんなこと人に言ったらおしまいだと判っていたので、一人ぐるぐるとした世界の中で必死に耐え続けました
すると、多分一週間後くらいだったと思います。ピタリと“それ”は終わりました
そんな訳で、私は“時間”に対して特別な関心を抱くようになり、時間に関する本や小説、漫画、映画などを見つけては自分に起こったことの手掛かりを探すようになりました
そうする内に、デジャブや、明らかに時間の流れに対する“バグ”だとしか思えない世界で起こった話などを見つけて、やはり「時間とは一直線に流れる厳格なものではない」という思いを強めました
時間を飛ぶという現象はすっかり鳴りを潜めましたが、数年後から今度は時空間を飛ぶということが始まりました😅
その話は、次回にでも