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江戸時代と現代のコミュニティ
江戸時代の「連」
私は落語が好きで、よく聞きます。
落語にはさまざまな話があり、多くの個性的な登場人物がいます。
ご隠居、お殿様、若旦那、大工、長屋の住人、おっちょこちょいな人、喧嘩っ早い人……。
人間模様が豊かに描かれ、ほのぼのとしたり、思わずほろりと涙したりすることもあります。
そんな落語の世界の背景には、江戸時代の町人文化が色濃く反映されています。
当時、町人たちの間には「連(れん)」と呼ばれるグループが広く形成されていました。
有名なものに「連句」があります。
これは、最初の人が五・七・五の句を詠み、次の人が七・七の句をつなげていく形式の遊びです。
また、祭りの際には神輿を担ぐための「連」が組まれ、協力して祭りを盛り上げていました。
さらに、芸能の世界でも「連」は存在しました。
歌舞伎や浄瑠璃を贔屓(ひいき)する「連」
踊りやお座敷遊びを楽しむ「連」など
さまざまな趣味を共有する人々が集まっていたのです。
身分や年齢、性別を超えて人々がつながり、交流する中で、
お茶や俳句といった文化が醸成され、伊勢神宮への参拝信仰も高まっていきました。
現代の「連」
現代においても、俳句や趣味の集まりは存在しますが、「連」の形は変化しています。
特にインターネットの発達により、SNSが新たな「連」として機能しているといえるでしょう。
Facebookをはじめ、Instagram、X(旧Twitter)など、多くのSNSが普及しました。
noteもその一つでしょう。
遠く離れた人、さらには会ったことのない人とも簡単にコミュニケーションが取れる便利なツールです。
しかも無料で利用できるため、手紙や電話とは比べものにならないほど手軽になり、私たちの交流はより楽しく、活発になりました。
コロナウイルスが猛威を振るっていた頃、SNSを通じてワクチン開発が進んだという話もあります。
負のコミュニティ
しかし、その一方でSNSを利用した犯罪が多発しているのも事実です。
知らない人と簡単につながれるため、犯罪が組織化・大規模化しやすくなり、犯人の特定や逮捕が困難になるケースもあります。
さらに、海外から指示を出すような手口も見られます。
特に、青少年が犯罪に巻き込まれるケースが増えており、これはSNSの負の側面といえるでしょう。
しかし、光と影の関係のように、SNSの便利さと危険性は切り離せないものでもあります。
だからといって、インターネットやSNSをすべて廃止することは現実的ではありません。
重要なのは、私たち一人ひとりがリテラシーを高め、正しい知識を身につけ、トラブルを未然に防ぐことです。
AIの発達により、犯罪の手口もますます巧妙になっていくでしょう。
私たちは、日進月歩で進化する技術とどう向き合い、活用していくべきか、これから真剣に考えていかなければなりません。