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個人的、日本語ラップを知りたい人向け "名曲紹介"

Note含め、ブログというものを書いたことが有りませんが…語りたいので書かせて頂きます。
なるべく有名な曲を紹介させて頂きます……!!

(個人的な趣味が多分に含まれております。
そして誤情報がございましたらご指摘下さい……)


1.ZORN (ゾーン)

このブログを見ている方なら、
1度は名前を聞いたことがある方も多いはず。
それもそのはず。日本語ラップ界では、
言わずと知れた "" 大御所です。
早速このラッパーについて語りたいのですが…
まずは1曲紹介しておきます。

1-1 | My life

はい。ZORNの代表曲とも言える1曲です。
聴いていただければ、或いは、
聞いたことのある方は分かって頂けるでしょう。
この方、一般的な "ラッパー像" とは違う、
もっと言えばその反対を行く様な内容を唄っています。

なんにも良いことなんてない
でも言葉にできない感謝に愛

お前らの為とは思わねえ
そうじゃなくて、お前らのおかげ

…個人的にはこのあたりのラインが好きです。

まあ僕の趣味はさておきますが、
何れにしても素晴らしい1曲だと思います。
高級車に乗って贅沢!!
といったFlexな内容ではなく、
中古車に乗って育児をする。
そんな"何気ない日常の素晴らしさ"を、
綺麗な言葉で唄った一曲です。

1-2 | All My Homies

続いてはこの曲。こちらもかなり有名ですね。
この曲は先ほどとは違い、家族ではなく地元と、その仲間達の事を唄った曲です。
ZORNは家族を愛すると同時に、地元も愛し、
レぺゼンしている事でも有名です。

そんなZORNの地元は、
東京都は葛飾区の"新小岩"です。いわゆる下町ですね。
そしてこの新小岩、ZORNの曲ではとても大事な要素で、
様々な曲で名前が出てきます。
新小岩、ぜひ覚えていって下さい。

1-3 | Rep feat.MACCHO

こちらは少しワルな雰囲気の漂う一曲。
まあでもそこまで悪いことも唄ってないです。この曲は。どちらかと言うと地元の曲。
(因みにZORNは若い頃自他ともに認める激ワルでしたが、悪い事自慢は基本しないです。そこもかっこいい。)

RepはRepresentの略です。レぺゼンってやつですね。
直訳すると "代表する" です。新小岩代表のラッパーってことですね。

この曲の素晴らしいポイントとして、まずトラックが良すぎる事にあります。
BACHLOGICという超有名超天才トラックメイカーの作り出した超かっこいいトラックが抜群にクールです。ちょーかっこいい。

そしてもう一つ…かっこいいポイントとして、
この曲のフューチャリングアーティストの、
"MACCHO" の存在です。
知らない方向けに一言で解説すると、
日本語ラップのスーパーレジェンドです。
そして横浜代表。別名、ハマの大怪獣
詳しい解説は省きますが、とにかく日本語ラップを語る上で欠かせない一人です。ちょーすごい。

そんな横浜代表の超レジェンドと、
新小岩代表の日本一韻踏むパパが、
文字通りの夢の共演を果たしてしまいました。
そんなアツすぎる一曲です。

2.NORIKIYO (ノリキヨ)

こちらも超大御所です。ZORNくらい有名。
地元は神奈川県、相模原
そして彼は2024/11/8現在、大麻取締法違反で
刑務所に収監されています。

そう聞くとなんだか聞くのを躊躇ってしまうかもしれませんが、まあ落ち着いて。
NORIKIYOはただの犯罪者で片付けて良い様な、
質の低いラッパーでは決してないです。
彼はとても素晴らしく、とても詩的なリリックを書くことに定評がある、
非常にかっこいいラッパーです。

では曲を紹介していきます。

2-1 | 俺達の歌 feat.MACCHO

生まれた事自体に意味なんて無い
けどもしも欲しいならつけちゃいな

美しいイントロの後に繰り出される、
開口一番のパンチライン。
メロディーや最初のフックからも分かる通り、
我々の痛みに寄り添ってくれる様な一曲です。

そしてまたしても素晴らしいバースをかましてくれるのは、先程に引き続きMACCHO。
NORIKIYOの唄う、鮮明に情景を見せてくれる様なリリックに対して、
MACCHOのリリックはかなり抽象的で、
しかしそれでいてとても詩的な、The・美しい日本語です。
そんな二人の織り成す詩が、
美しく、そして優しく、静かに、
我々の痛みにそっと寄り添ってくれる一曲です。

2-2 | Rep feat.NORIKIYO

2曲目。
再生した瞬間、先程聞いた様なイントロが聞こえたと思います。でも安心して。違う曲です。

この曲はRemixと言って、Repを元にNORIKIYOが彼なりのリリックを書いた曲です。つまりリリックが違います。

そして先程とは打って変わって、
思い切り悪い事を唄ったリリックです。あんな優しい詩を書いた人とは思えない……。

…と、一見思えますよね。しかし歌詞をきちんと聴いて頂きたくと、ただの悪い事自慢という訳でもないです。

職業不詳のツレとたまる近所
パケと鼻の中は真っ白
税関突破5000錠持ってきたMDMA
貰ったギャラ2週間で全部消えて

ここだけ聞くとただの悪い事自慢ですが、
これに続くリリックがあります。

そんな私の過去を3,4行
Flowすりゃ今は金になっちゃう作詞業
"俺もこっからやったろう"ってな
Beatも自分でさ作っては作詞

要は、
"今はもう悪い事をせず、経験を歌詞にして金を稼いでるぜ!"
って事を唄ってます。

つまりこの曲は、ただの"悪い事自慢"ではなく、
"悪い事せずに稼いでるぜ"自慢です。

……しかし、こう思う方もいるでしょう。

"みんな悪い事しなくても生きてるよ!"

……気持ちはわかります。しかし、彼らには彼らなりの、深い事情があります。

次に紹介する曲は、そんな彼らの苦しい事情を唄った曲です。

2-3 | 2 FACE feat.BES

まず最初に、この曲は2007年の夏に発売された
NORIKIYOの1stアルバム、"EXIT"に収録された一曲であることを書いておきます。

なぜこの前置きをしたかというと、
この曲のリリースされた頃のNORIKIYOはまだまだラップで十分なお金を稼ぐ事が厳しい時期だったからです。
そして彼は当時足を悪くしており、普通の仕事もままなりませんでした。

ラップで稼ぎたくても稼げなく、
かと言って真っ当に働く力もなく、
悪い事をしなければ生きていけない。
そんな日々の苦悩を綴った一曲です。

3.KREVA (クレバ)

日本語ラップ界の特異点にして、
MACCHOに継ぐスーパーレジェンド
しかしなぜ彼が特異点なのか、それは彼が高校卒業後、一般受験で慶應義塾大学に進学し、
そこからいきなりラッパーに転向したことにあります。
世間一般ではそれこそエリートコースですが、
当時今よりも閉鎖的でアングラだった日本語ラップの世界では、彼の学歴は受け入れられませんでした。

しかしKREVAはMACCHOと歳が近く、NORIKIYOやZORNよりも更に年上の、超先輩ラッパーです。
そして、クレバやマッチョはまだまだ日本語ラップが世間に浸透していない時代のラッパー達であり、
特異点にして日本語ラップというジャンルの"開拓者"です。

3-1 | 音色

まずはこちら。KREVAの代表曲にして、
メジャーデビュー後の第一曲目です。

まず第一の感想として感じるのは、
メロディーの聴き心地の良さですよね。
今でこそメロディーのあるラップも増えましたが、当時ラッパーがメロディーを取り入れることはかなり少なく、そういった意味でも衝撃的な一曲でした。

また、わかりやすく強調された韻も特徴的で、
こういったKREVAのスタイルは世間からのウケもとても良いものでした。
再生回数も日本語ラップの中では上位な方です。

3-2 | イッサイガッサイ

こちらも1000万回以上再生されている名曲です。
全体的にキャッチーですが、歌詞もメロディーもとても平成の夏を感じる曲です。

この2曲はそれぞれ1st、2ndアルバムにそれぞれ収録された曲であり、
どちらも現在に至るまで長く再生されています。
Spotifyでもこの2曲が再生回数トップです。

そんなKREVAですが、やはり気になるのはキャッチーなスタイルですよね。
クリーンな雰囲気で聴きやすいですが、ストリートのリアルを唄うようなイカついラップとはとてもかけ離れています。

時にはその平和なスタイルを巡って争いが生まれたこともありました。

3-3 | THE SHOW

やはりキャッチーなメロフックのこの曲。
一聞すると普通の曲にも聞こえますが、この曲はKREVAをDisった "あるラッパー"へのアンサー曲でもあると言われています。
その根拠となるバースがこちら。

人は人 俺は俺
やいのやいの言う前に寄越しなbeat beat

確かに言われて聞くと言い返しているようにも聞こえますね。しかしKREVA曰く当時言い返しているつもりはなかったようです。まあ流石に大人の対応なんでしょうが…

しかしこれは一体誰に対してのアンサーなのか、
流石に気になりますよね。

実は、既に名前も出しているあのラッパーです。


4.MACCHO(マッチョ)

4-1 | Disrespect 4 U feat.ZEEBRA

はい来ました。ハマの大怪獣です。
こちらの曲名は直訳すると "お前を軽蔑する"
という意味です。

スキルフルなラップの中で繰り出される歌詞は、当時様々な場所で脚光を浴びていたKREVAを明確にDisるものでした。
やはりオールドスクール的なスタイルを貫いていたMACCHOからして、売れやすいポップな曲を作り続けていたKREVAは相当鼻につく存在だったのでしょう。

しかし忘れてはいけないのは、
KREVAもまた高いラップスキルを持っていること。
ただPOPな曲を作るだけのラッパーでは決してないです。

また、先程紹介したTHE SHOWのラインは、
この曲と同じアルバムに収録された
on and on という曲の一節を引用したと言われています。きになる人は調べてみてね。

(ZEEBRAに触れると本当に書き終わらないので
ここでは触れません)

4-2 | AREA AREA

とまあここまでビーフ(ラッパー同士の喧嘩のこと)について語りましたが、
MACCHOはMACCHOで彼なりの道をしっかり歩んでいました。
その道中で生み出された名曲中の名曲がこの曲。

DJ PMXの西海岸風のトラックに乗せられる、
シンプルながらスキルフルなラップは様々な人々に届き、大きな影響を及えました。
現在日本にもラッパーが沢山いますが、
有名所でこの曲を知らない人は居ないのではないか、というくらい有名な一曲です。

リリースから24年経った今も多くの人々に愛されているこの曲は、日本語ラップ界のクラシックであり、B-BOYの義務教育でもあります。

さて、ここまでKREVAとMACCHO、
2人が歩んできた別々の道を紹介しました。
彼らはお互い違う道を真っ直ぐ歩んで来た故に、
違うスタイルを貫くお互いを20年近く罵り合ってきました。
そしてそのスタイルを貫く中で様々な名曲を生み出してきました。



そして時は経ち2023年、
そんな2人がついに交わりました。




4-3 | Player's Player feat.KREVA

2023年7月4日、突如としてYouTubeに投稿されたこのMVは日本語ラップ業界を激震させました。
それもその筈。長い間いがみ合ってきたレジェンド中のレジェンド2人が、
違う道を歩み続けた果てに交わったのですから。

Player's Playerとはサッカーでよく使われる言葉で、
選手が選ぶMVPみたいな意味です。
MVPは観客が選ぶもので、それに対して選手が選ぶのがPlayer's Playerです。

つまり、この2人が選ぶ一番良かったPlayerが、
正しくこの2人なのです。アツすぎますね。

曲の内容もとてもアツくてカッコよく、
ビーフの締めみたいな"あの頃はごめん…"といった曲ではなく、
今でも情熱は残ってるぜ、と言わんばかりの
互いにスキルを見せつけ合う様なラップをしています。

リリックもフローも韻もまさしく一級品で、
日本最高峰のラップと言っても過言ではない程素晴らしい一曲です。
きっと後世にも残ります。



おわり

以上です。
誰がここまで読むのか分かりませんが、
読んでくださった方ありがとうございます。
気づいたら5000文字超えてた……。
今回はマジの有名所しか紹介しませんでしたが、
まだまだかっこいいラッパーは無数に存在するので是非コレを機にDigって頂けると嬉しいです。
個人的にはKamuiとか最近アツいですね。
まあそんな訳で終わります。  
読んでくださりありがとうございました!!!

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