「ラーメンD 松平國光」を見た。國光さんはまんま寺西拓人です。
予算が透けて見える。
寺西拓人氏テレビドラマ初主演作「ラーメンD 松平國光」全4話を見た。2回見た。心が汚れたオバハンなので、1回目はドラマの構成とかに心で突っ込みを入れすぎて、フラットに見ることができなかった(そもそもフラットな視点はないけれど)。これでは辛(から)いジャッジになるし、でも寺西氏には基本加点採点なオカンモードの私としては、そのまんまで感想を書くのも辛(つら)い……。乱れるオバハン心。
で、2回見て感想が全く一緒ならそれはそれで素直に書こうと思いながら見ると、あら不思議「うん、これはこれで……まあ、あり……?」となったので2回目を見たテンションで感想を書くことにする笑。
まず、日テレプラスのHPの番組内容は次の通り。
夕方のニュース番組を舞台に「ラーメンコーナー」の取材・制作に情熱を傾ける通称・ラーメンディレクターを中心としたチームの奮闘を描く。
アナウンサーやアシスタントディレクターなどそれぞれ違った個性や思いがぶつかり合いながらも成長していく。
さらに、ドラマではあるが登場するラーメン店は実際に実在する人気ラーメン店。
実際の店主のエピソードも織り込み、ラーメンへのこだわりをじっくり描くため、ドラマ視聴後はお店へ足を運びたくなること間違いなし!
2回目の感想といいつつ、初見の感想からいうと「予算ないんやね……?」←身も蓋もない。CSオリジナルで若手やネクストブレイクを狙うポジションと思われる役者がセンター、1話30分×4話構成。……予算ないよね……。だからこそ、実際のラーメン店を取り上げることで、そちら人気を担保に制作したというところか。とりあえずセットらしきセットはなく(テレビ局というていの、会議室的なところ以外は外ロケのシーン、店舗撮影)、チープ感はなかなかのもの。
メインの役者は4人(あとは、ラーメン店の人とカメラマンの役者のみ)。寺西氏と今江くんが出ているので、全員スタート社所属なのかと思ったら小泉光咲くん(光咲でこうさくと読むそうだ)、大槻拓也くんはスターダストの所属。会社は違っても協力して若手を売り出そうぜ企画かもしれない。
ひねりのない素直なストーリーだけど。
実在のラーメン店を取り上げて、各話の最後に彼らが制作した番組が実際に夕方の情報番組に紹介されたテイの映像が流れる。実在の店を取り上げるのだから、そもそものストーリーがネガティブであってはいけないだろうし、そういう意味でストーリーにひねりは全くない。←身も蓋もない(2回目)
各話4人のうちの誰かのメインストーリーなのだけど、それぞれ心に煩悶や葛藤を抱えていて、取材を通してそれがほどけていく過程を描いていく。その時のアドバイザー役が寺西氏演ずる松平國光。最終話はそういう彼自身のラーメンストーリーが展開される。うん、筋立ては悪くないのよね……。ただ、全体にテンションが低体温なのよ……。
作中で語られるエピソードは実際のものらしいからか、これまた作りがちょっとチュートハンパ。脚本の芝居と街ロケの混ざり具合が。そしてあまりドラマティックではない。彼らの葛藤やその寄り添い方が暑苦しい青春情熱的テンションじゃないのはイマドキだからかな(なんでもその言葉で片づけるオバハン)。まあ、30分という尺で詰め込むならこれくらいのストーリー展開じゃないとおさまらんわな。
ただねー、まあドラマあるあるだとわかっているけれど、社会人歴が長くなってしまったオバハン的には突っ込みどころが満載。1話ではラーメンを美しく撮るのに不可欠なライトが故障する。限られた時間で撮影を終えると考えると、サブライトで撮るしかないか、という流れになりそうなところで、それまでどこかラーメン店取材に冷めた様子だったのにラーメン店主の話を聞いて心を動かされた大槻くん演じるADが「僕に考えがあります! すぐに戻ってくるので待っててください!」って店を飛び出す。
おいおい、せめてその考えを語ってから出ていけ~!!!
そして、寺西氏演じるディレクターがいうのよ、「あいつを信じて待つしかないだろう」……。
いやいや、どんな考えか聞かんでええんか? ほんまにええんか?
その間撮れる他の映像は撮影しようというくだりはあるんだけど、いよいよ撮り切ってもまだ帰ってこないADを信じて待つ松平國光。部下を信じる心は美しいけど……。
仕事としてどう? どう?
まあもちろん、話としては間に合っていい絵が撮れてよかったよかったなんだけどね。ドラマあるある話で、何も特別ヒドイわけでもない。でも、私の中のお局心(オカン心と対比)が突っ込まずにはいられない。
3話ではラーメン情報にメチャクチャ詳しいマニアなAD今江くん(の役の人)が紹介する店を取材しにいくのだけど、なんとその日は定休日。当然店主はいない。ちゃんと取材に行くって言ったのかと聞かれて「言った……と思います」な今江くん(の役の人)。事前に「定休日以外ならいつ来てもok」と店主に言われていていたそうだけど、だからこそ定休日の確認、最重要! ぬかりまくりな今江くん(の役の人)にも突っ込むけど、そもそもディレクターから当日までに連絡もなしに取材やるの?? 突撃取材のテイではなさそうなのに……。テレビ業界に無縁なので、「や、情報番組は実際こういう作り方です」といわれるかもしれないけれど……でも日時の確認は基本中の基本では??
とまあ、突っ込みどころが満載すぎて、1回目は「えーっと……」だったのだけど、基本好きな人が出ていれば何度か見ているうちに慣れてくるという習性が備わっている(飼いならされているともいう)ので、「まあ、これはドラマなんだしね?」と言い聞かせられるようになった笑。
松平國光の包容力は寺西氏そのものでした。
で、その辺の点数が甘い上げ底視点の上でいうならば、ラーメンディレクターの松平國光さんは、私がイメージするテレビマンよりガツガツ感が少なく、それぞれに葛藤するチームメンバーを優しく見守り、アドバイスをする包容力に溢れる男。
何よりね、声がいい。あの声で優しく寄り添われたら同性であってもうるっとくるわ……。そりゃ取材拒否の店主もほだされるわ(第4話)。
そういう松平國光氏の姿が、まんまタイプロで見せたリーダー寺西氏そのものなのですよ! 優しいお兄ちゃんポジを全うし、周りに細やかに目配りをし、でもブレーキをかけるばかりではなく、時にはアグレッシブになるところとか……。脚本があてがきなのか、たまたまハマったのかはわからないけれど、持ち味が生かされている。そういう意味で視野狭めだからこそものすごく熱が感じられる今江くんの役もまた、タイプロで見た彼の姿に重なった。
実際、この作品の記者発表でのやりとりが次のようなもの。
お互い共演してみての感想を問われると、座長の寺西について小泉は「お兄さん感というか、包容力がある方だなって。役柄と同じくらいリーダーシップがある方だと思います」と印象を語り、大槻は「すごく優しくしてもらって。ありがとうございます」と感謝する。対する寺西は「大槻くん、小泉くん、今江の順番でどんどん変になっていく感じ」と3人を分析したうえで「意外とこのあたりも変わってるなって……」と小泉を指名し、これに小泉は「まだまだ(会った回数が)少ないこの時点でそう言われてるので、僕は“それ以上”かもしれないです……」と照れ笑いしながら反応した。
(音楽ナタリーの記事より引用)
タイプロと同じく包容力とリーダーシップ、優しいというキーワードが寺西氏を語る言葉なんだなあとニヤニヤしている。(今江くんをいじり気味に話しているのも関係性が良くてニヤニヤ)
最後のレポート番組部分は案外ちゃんとまとまっていて見ていて楽しいし、ラーメンはおいしそうだし、寺西氏の声と顔が好きならば楽しめると思います!笑←身も蓋もない(3回目)