「まくをおろすな」を(ざっくりと)見た。原氏推しにお勧め。
寺西拓人氏の痕跡をたどる旅に出ている。
近年俳優、特に舞台を中心としてキャリアを積んできた寺西拓人氏の痕跡をたどるのがなかなかに難しい。テレビドラマならば、tverやサブスクでたどる術も少しはあるのだけど、円盤化されていない舞台が大半だもんなあ……。まあ、これは今まで寺西氏の存在も知らなかった私の罪であるので、しゃーないことだけれど。
そんな中、1月はアマプラで「まくをおろすな」、日テレプラスで「ラーメンD松平國光」全4話を見た。アマプラも日テレプラスももともと見られる環境だったので、ラッキー(日テレプラスは初めてみた。CSの某歌劇団専門チャンネルを見るために加入必要なパックに入っていただけなので)。
そして、全話配信したタイミングを見計らってLeminoに加入して「情事と事情」を一気見。さすがに新しいサブスク加入はちょっと迷った。すでにNetflix、アマプラ、CSと散財してるのに、まだ申し込むんかい!? 見境がないにもほどがある。財布のひもがゆるいどころか、穴が開いておるがな。
キリギリスのご褒美人生。
でも、「落ち着け―。わたし、おちつけー」と自分なりに律しようとしても、正直、あんな色気爆発な金髪男が登場するドラマを見ないという選択肢はないわけで。でも自分の中では、もう一つ後押しの理由が欲しい。
そこに入った情報が最近開眼したばかりの韓ドラ! ちょうど見たいと思っていた「わたしの完璧な秘書」がLeminoで配信されることになった。これや! ほらほら、私、これ見たかったから! 加入しないとしゃーないね! と嬉々として飛び込んだ次第。本当に我ながらいつだって自分にご褒美しかあげてない人生送ってるなあ……。キリギリスの破滅は近いかもしれない。
というわけで、加入して即、「情事と事情」も一気見したわけだけど、とりあえず見た作品順に感想を。まずは「まくをおろすな」
愛の名のもとに見る映画。
一般的な映画評ではなかなかに酷評されている。それも、むべなるかな。なんていうのか、立ち位置がワカラン内容なのよ。東映公式のイントロダクションにはこうある。
『ふぉ~ゆ~の越岡裕貴が、映画初出演にして初主演!数多くの舞台で培ってきたその実力が映像で爆発する。 江戸を舞台に歴史的な登場人物や実際に起こった歴史に残る大事件を新解釈で描く、歌、ダンス、殺陣満載の超デラックスミュージカル時代活劇!
越岡が演じるブン太のバディとなるモン太を演じるのは、二大特撮ものに出演し、話題を集めた工藤美桜。他に、舞台を中心に活躍している寺西拓人、原嘉孝、高田翔、室龍太らジャニーズのメンバーが勢揃いし、竹中直人、岸谷五朗といった豪華俳優陣が越岡を支える。 物語の舞台となるのは五代将軍徳川綱吉の時代。貧富の差が大きく疫病が蔓延し、おまけに「生類憐れみの令」という悪法まで制定され多くの人が苦しんだ。まさに今と重なるそんな時代に果敢に立ち向かっていく2人。ブン太とモン太は理想の未来を自分たちの手で切り拓く事ができるのか!?』
この「舞台で培ったその実力が映像で爆発する」のが、爆発しとらん笑。ある意味暴発はしているんだけどね? これは脚本、演出の迷走が一番の原因で、特に日光江戸村を使ったいわゆる映画的場面と、ミュージカル場面が融合していないので、見ているこっちが混乱するのよ……「コレ、どういう作り」って?
いっそミュージカル映画に振り切ったほうが、「舞台をシネマ化したのね?」という視点が確立できるんだけど……。
脚本もギャグとシリアスがこれまた融合しとらん(苦笑)。出演陣がベテランが多くてうまいので、変なテンションなりに場はもっているけれど、ストーリーとしては破綻。やっぱり、ここでも「コレどういう作り?」となる。
でもね、私はオカン成分の高い寺西氏ファンなので、「寺西氏がそれなりに出ている」というだけで評価点が高いのよ……。某歌劇団でもね、なかなかの駄作ってことはままあるんだけど、一つお気に入りの場面があれば「ご贔屓のこの場面だけで通える」という思いだけでなんとかなるのよ!(阿呆)もう一つ、某歌劇団OGであるozukiが出雲阿国の娘という役で出ていて、個人的にテンションがあがったというのもある。
だからね、難ありまくりの作品だけどね? うん、おもしろいよ?(ケロリ)
(だからってこれのためだけにアマプラ加入するのは、ちょっと冷静になって? という言葉も付け加えておきます)
寺西氏の硬軟取り交ぜた芝居心を楽しむ。
赤穂浪士堀部安兵衛が「溜まり場どっぐかふぇ(ここの店主役がozuki)」で働きながら吉良家周りの情報収集しているというのが寺西氏の役の基本設定(これで作品クオリティはお察しください)。
この時の寺西氏、今より少しガタイがいい印象。この時点でも目の下のクマは健在。クマができやすい人なんだろうな。ガタイがいいのは殺陣があるからか?? 着物の袖からチラ見える腕もたくましい。
シリアスとコメディの交ぜ具合も、映画なのか舞台なのかの交ぜ具合も微妙なので、演じ方のテンションは難しかったと思うけれど、舞台寄りのテンションでの芝居がうまい。
たとえば店の客がざれ話で主君を愚弄しているのを聞いて、切れて立ち向かうさまをちらつかせつつその牙をすっと消して店員としてふるまう、みたいな細やかな芝居だったり、緩急があっていい。とりあえず彼の芝居心の豊かさが感じられて、それだけでヨシ!(採点が甘い) 最後のダンスシーンはたのしそーだったな。こういうのを見ると、芝居はもちろんではあるけれど、歌い踊る寺西氏をやっぱり見たいなあと思う。
(だからといって、それだけのためだけにアマプラ加入は……以下同)
原氏はとにかくカッコいい!
でも、今回は何よりも大岡越前守を演じた原氏がカッコいいぞ~!!! しょっぱなから結構激しい殺陣を見せてくれる。原氏はタイプロでも、どの角度からでも魅せることを意識しているといっていたけれど、まさにその通りで、忍者っぽい装束での殺陣も、裃着たお白洲での裁きのシーンも居住まいがきりりとしている。動きの一つ一つの型が決まっていて、見ていてかっけー!!となる。タイプロで原氏にハマった人は見てもいい、かもしれない……。
アマプラ(またはU-NEXT)にすでに加入していて、愛の名のもとに、寛容な心で楽しめる人にお勧めします!笑