ポイッ:ゴトッ

『ポイッ』

お洋服に何か、
くっついていた日曜日。
私はそのくっついていたものを
軽くポイッってして、
目的もなく歩き出した。

まぁテキトーに歩きますよ。
その結果、
いい出会いがあることを望みます。

望まないことは、
号泣している人に遭遇するだとか、
桃をいやにいやらしく
愛でている人に遭遇するだとか、
ジュースのガブ飲みに失敗して
ゲホゲホ言っている人に遭遇するだとか、
そういう出会いですね。

そういう出会いは勘弁してください。
嫌です。
本当、勘弁してください。

『ゴトッ』

マンションのエントランスから
一歩外へ出た瞬間、
目の前に落下物がゴトッって
落ちてきたのだけど、
僕はそれを気にすることなく前へ進み、
「ちょっと寒いな」
なんて思いながら
目的の場所へと足を進めていく。

いやぁ、今日あの娘来てるかなぁ？
来てたらいいな。
来てたらあの娘に
シャドーボクシングを見せてやるんだ。
僕のキレキレのシャドーを、
シュッシュッ！
シュッシュッ！
ってね！