season
君が桜が好きだというので、
その翌日から
片っぽのほっぺに桜の花びらを
貼り付けて過ごしていたのだけど、
そうして一週間が経った時に、
君から一言、
「それ、やめてくれない?」
と言われた春の日。
扇風機に負けたくなくて、
団扇を持てるだけ持った僕は、
君にたくさん風を送ったのだけど、
でも結局、勝てる訳なかった夏の日。
君が柿をワイルドに
そのままガブリと食べていたので、
僕は軽い冗談として、
「かぼちゃもそのまま
ガブリとイケるんじゃない?」
って言ってみたのだけど、
それを軽い冗談として
受け取らなかった君は、
「はぁ?」
って睨んできて、
「イケる訳ないじゃん。
刺し傷を負わすよ、木の枝の刺し傷」
とイラついちゃった秋の日。
イルミネーションが綺麗だったので、
君も僕と同じ気持ちかなと思って、
その感想を求めてみたのだけど、
君は、
「そんなことより寒い」
って感想を
白い息と共に吐き出してきて
氷のように冷たい目をしてた寒い冬の日。