[アリ坂]一瞬オエッてなった
アリ坂は、
コップに注いだ牛乳を飲み干し、
「まぁ俺なら、これくらい普通」
と言った。
何が普通なのかは分からないが普通らしい。
その日、スギ田さんは森の奥に居た。
スギ田さんは、
そこで何をするでもなく、
目を閉じて、ぼーっと突っ立っていた。
自然を感じているのだろうか?
それとも、
くだらない人生を
ぽつぽつと振り返っているのだろうか?
はたまた、
立ったまま寝ているのだろうか?
現状、何も分からない。
と、その時、
スギ田さんの目が開いた。
そこで、スギ田さんは一言。
「改めて、良いところがない人生だな」
どうやら、
くだらない人生を振り返っていたようだ。
その時アリ坂はというと、
二杯目の牛乳を難なく飲み干し、
「あ、ヤベェ……あ、大丈夫大丈夫」
と言っていた。
まぁ、大丈夫大丈夫。
アリ坂なら大丈夫。