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絶望を分かち合えた先に希望がある。発達障害のコミュニティに救われた

「何度言っても子どもがゲームをやめないんです。
先生の口から子どもに言い聞かせて下さい」

そう小学校の担任教師に訴えたお母さんがいる、という噂が流れてきました。

それを聞いた私の友人は、
「自分の子どももコントロールできない親がいるのね」
と笑いながら言いました。

私は何も言えませんでした。

「子どもをコントロールするなんて、できるわけない・・・」

その頃、発達障害グレーゾーンのたー君は、ゲームどころか何を言っても聞く耳を持たず、家族に向かってひどい悪態をつくし、学校ではすぐに友達に手を出すし、手をつけられない、どうしようもない状況でした。
「コントロール」なんて、とんでもない。

でも、自分の胸に手を当ててみると、子育てする前の私は、
「親が子どもとしっかり向き合って話をすれば、子どもに通じるものだ」
と考えていたことを思い出しました。

そして、それが幻想であったことをつくづくと思い知りました。



荒れていた我が家


当時の私のメンタルは最悪でした。
家に帰るといつも機嫌が悪い子ども。

私が言う一言一言につっかかかってきて、気に入らないと私を叩く。
自分の要求が通らないと、大声でわめきちらす。
「なんで聞かないんや。ケチ!!アホ!!」
「頭おかしいんか!」
耳を覆うばかりの暴言でした。

夫の機嫌も悪くなり、家庭内の雰囲気はぴりぴりしていました。
一緒に食事をすると、必ずたー君の暴言が夫やお兄ちゃんを直撃し、言われた方もキレる。

もう一緒にご飯も食べたくない・・



わかってもらえない


友達には、家の状態やたー君の状態を話すことができませんでした。
ちょっと気を許して状況を話すと、
「親にそんな態度をする子どもを放っておいたらいけないよ。
強く言い聞かせないと」
と言われたりするからです。

たしかに正論だけど、言い聞かせて状況が改善するなら、苦労しません。
どうにもこうにもならない状態でした。

同じような経験をした人じゃないと、わかってもらえないんだ。
孤独を感じました。

夫と悩みを分かち合って共に乗り越えられればよかったのですが、
たー君の言動にキレまくる夫とは、とてもじゃないけど冷静に話すことができませんでした。

当事者同士のきずな


そんなとき、LITALICO発達ナビというサイトを見つけました。
そのコミュニティでは、発達障害にかかわる悩みをもつ当事者や家族たちが悩みをうちあけていました。

子どもの暴言に悩む親のコミュニティも見つけました。
私と同じような経験をしている人の声がたくさんありました。夢中で読みました。

やっぱり同じようなことで悩む人はいるんだ。
ちょっとほっとしました。

そして、辛くてどうしようもなくなったとき、コミュニティで私の気持ちをつづってみました。

子どもの言動が辛く、離れようとしても追いかけてきて暴言を投げつけられる。もうどうしたらよいかわからない。

そんな追い詰められた気持ちを吐き出してみました。

しばらくしてからサイトにアクセスすると、コメントを書き込んでくれた人がいました。

「私も同じような経験をしました。
子どもから逃げようとしても、追いかけて暴言を投げてくるんですよね。
わかります」

「たー君ママが心配です。大丈夫ですか」

私の状態を気遣ってくれる人がいる。
その言葉がとてもとても嬉しくて。

その人の顔や本名を知らなくても、気持ちが通じ合った気がしました。
心が温かくなりました。

そして、障がいをもつ熊谷晋一郎さんの言葉を思い出しました。

「絶望」の反対が「希望」ではない。
絶望を分かち合えた先に希望がある。

私と同じような絶望的な状況でも
頑張っている人がいる。
大丈夫。私ももうちょっと頑張れる。
頑張ってみよう。

少し希望が見えてきた気がしました。


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