【一発試験対策?】視点を変えて『原付免許』を取るのもあり!?
はじめに
普通自動車第一種運転免許の一発試験。
既に挑戦されている方はその難しさに、このまま挑戦し続けるべきか悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。
いくら動画や書籍で勉強・対策を行っても、実際のコースや公道を走れなければ、イメージだけの練習しかできませんよね。
非公認の教習所で練習しようにもそれなりにお金はかかりますので、そう何度も通えませんでしょうから。
そこで、視点を変えてみるのはいかがですか?
では、具体的にどう視点を変えるのか?といえば、それは
原付の免許を取ること
です。
ちなみに、原付二種ではなく、『原動機付自転車』の方ですよ。※2種はメリットも多いですが、それなりにお金がかかることやAT限定でも最短で2日かかり、予約枠の空きがなかなかにない状況なため、原付2種免許が欲しい方以外は得策ではない気がします。
もし、視点を変えても良いという方は、是非この記事をこのまま読み進めててください。
恐らく原付の免許を取るのもあり?なんて記事を書いている人はいらっしゃらないと思いますので、参考になるかと思います。
なお、最初に断っておきますが
実際にわたしはこの方法を試していません。
もし、わたし自身が何回か試験に落ちるようであれば試してみようかな?と考えていたことではありますが。
ただ、普通自動車の免許取得後に実際にバイクで公道を走っていると、この方法は結構ありなのかな?と感じています。
もし条件が合う方は是非試してみてください。
≪この記事が向いている人≫
◆車の免許取得に始めて挑戦中の人
そもそも車で走行するイメージが湧かない
道路を走ることに不安を感じている
学科試験の緊張感を味わってみたい
◆失効者や取消者で免許の再取得を目指している人
数年ぶりの運転に不安がある
自己流の運転を直したい・見直したい
◆共通※何回も試験に落ちている方も
本免許技能試験の試験コースを実走したい
車両の側方安全間隔を叩き込みたい(いわゆる障害物との距離です)
車間距離を叩き込みたい
安全確認動作と指示出しのタイミングを叩き込みたい
上記の方達にはおすすめです。
≪デメリット≫
まずはデメリットからお話しします。
なぜデメリットからお話しするかというと、この中の一つでも『それは嫌だなぁ』や『無理かな』と思われるものがあるようでしたら、現時点でこの記事の内容は不要かもしれません。
そのような方はこちらを読む時間を少しでも多く試験勉強・対策にあてた方が良いと思います。
ただ、必要かも?と思う時がきましたら、頭の片隅にこんな記事もあったな程度に思い出していただければと思います。
では早速、デメリットを挙げていきます。
◆余計に費用がかかる
原付免許の取得に8,050円(最低で)
試験対策本を購入すると約1,000円
バイクの購入費に50,000円〜
◆車とは違う部分がある(車両サイズ・操作方法以外にも)
速度は出せても30キロまで
二段階右折を行わなければならないこともある
自動車専用道路には入れない
左車線を走行しなければならない
こうみると意外とありますね。
では、それぞれのデメリットについて解説をしていきます。
一発試験を受ける方の中には、教習所・合宿所に通うよりも費用が抑えられると考え、『無駄な出費はだしたくない』という方も多数いらっしゃるかと思います。
そうなると、原付免許の取得費と試験対策本はあわせて10,000円かからないくらいですが原付の購入費がネックになりますよね。
いくら中古で安く購入ができ、不要となったら売ることができても購入費50,000円~は決して安くはないですからね。
なお、一発試験の受験費用(技能試験)は1回当たり、約5,000円以下となりますので、ここで原付の免許取得と購入費を支出すると、一発試験の試験費用のおおよそ10回分以上と同等の受験費用になります。
(仮免許と本免許では試験料が違う、また、車両使用料は毎回必要となり、受験料は学科試験を受験していれば初回は掛からず、2回目以降はかかる。)
費用を抑えたいために一発試験に挑戦される方には、ちょっともったいないかな?と思われるでしょう。
ただ、日常的に練習ができることでより合格への近道となり、結果、仕事を休む日数や免許センターに通う回数が減ることで、最終的な時間的節約が見込めるというメリットもございます。
そして、次に車と原付の違いについてですが、大きなところでは車両の大きさが違うという部分です。
これはお気づきになる方も多いと思いますが、ここについてはどうしようもないです。
一応、筆者が実際に行った対策はあることはあるのですが、これについてはまた別の機会でお話しさせていただきます。
なお、急いで免許が必要で車両感覚に不安があるという方は、対策として『届出教習所』にてお金を払って実車の練習をされても良いかもしれません。
それくらい車両感覚は大切だと思います。
あと大きなところとしては、最高速度が30キロまでしか出せないことです。
実際の試験では、急制動の時には40キロ走行しなければならないでしょうし、本免許技能試験で幹線道路に入るのであれば、法定速度60キロというところ道路もあるかもしれません。
そのような時に、30キロまでしか出せない原付だけの経験では速度感が違ってくると思います。
※そもそもバイクと車では速度感覚が違いますので、ご注意ください。もちろん同じ速度ではバイクの方が速く感じるため、車に乗車した際には速度超過に注意です。
また、原付は複数車線を走行する場合には、原則左車線を走行しなければなりませんし、3車線以上の道路でも原則二段階右折をしなければなりません。
これらについても、実際の試験で同様のシチュエーションで走行する可能性があった場合でも、原付では練習ができません。
※ただし、2車線の場合や二段階右折の標識がない3車線では普通に右折ができますので、安全確認・方向指示出し・右折のタイミング練習は充分にできます。
なお、自動車専用道路の走行不可については普段使いで不便なだけで、練習には特に影響はないのかなと思います。
以上がデメリットについての解説となります。
意外とデメリットも多いなぁと感じてはおりますが、それでもそれ以上にメリットがあると思います。
≪メリット≫
続いてメリットについて解説をしていきます。
◆一発試験に関するメリット
公道を走れる
本免許技能試験コースを走れる
速度感覚が30キロくらいまでは掴める
走行しながら標識を見れるようになる
車両の側方安全間隔を養える
車間距離を養える
安全確認動作と指示出しの実践練習ができる
◆試験対策以外のメリット
10回以上試験に落ちた場合は、結果費用が抑えられる
日常的に練習ができるため、合格への近道となり結果試験にかける日数の短縮が見込める
移動手段が増える
不要になったら中古で売れる(20,000円〜)
取消処分者講習の期限がなくなる
副業に使える(人による)
以上がメリットとなります。
では、それぞれ解説していきます。
まず、一発試験に関するメリットですが、大きなところではやはり公道を走れるというところですね。
制限があるとはいえ、実際に公道を走れるってすごいアドバンテージがありますよね。
また、これもメリットの一つですが、公道を走れるのだから本免許技能試験のコースもほぼ走行できるわけですから。
そして、実際の試験コースを走行できるということは、
コースの暗記
標識の暗記
安全確認と指示出しの練習
側方安全間隔の叩き込み
車間距離を取る練習
をみっちりトレーニングできますね。
これらを、自分の好きなタイミングで練習できるのは、すごいことですよね。
なお、これについて少し掘り下げていくと、コースと標識はそのとおり『暗記していく』で伝わるかと思いますが、それ以下の項目についてお話しすると、
コースを実走できるのであれば、交差点右左折時に
『どこで安全確認を始め方向指示を出し、次にどこで安全確認をして変換方向に車両寄せを始める、最後に右左折実施』
という流れをコース上で自分のわかりやすい目印を見つけて覚えることができますね。
それに、コースの暗記も合わせて行えます。
また、側方安全間隔と車間距離の取り方について、実走できるのは特に関係ないのでは?と思う方もいるかもしれませんが、初見で走るのと複数回走行をしたことがある場合ではまったく違います。
なぜなら、わたしが本免許技能試験受験時に実際にそう感じたからです。
わたしは神奈川県の免許センター(二俣川)で一発試験に挑戦しましたが、二俣川の路上コースって狭くて坂が多いです。
たしかコースはEコースだったと思いますが、このコースは狭い上に電柱が多く、歩行者もそれなりにいます。
北関東出身のわたしがここを初見で走行したら、おそらく注意散漫となり側方安全間隔の意識が疎かになっていただろうと思います。
しかし、事前に同僚に試験コースを何回か走行してもらっていたので、それらの障害があることを把握し、側方安全間隔がどれくらい必要かおさらいをしておきました。
ちなみに、側方安全間隔は
歩行者が車に気づいている場合:1メートル以上
歩行者が車に気づいてない場合:1.5メートル以上
となります。
ですので、普段から『すべて1.5メートル以上あける』ように意識してイメトレを行っていました。
また、車間距離の取り方ですが、これも公道を実走することで養うことができると思います。
具体的には
先行車が複数台ある場合は、2台以上前の走行車のブレーキングを気にする
先行車だけしかいない場合、交差点に差し掛かる前に歩行者用信号機が点滅していれば、停車をする可能性が高いので前もって車間距離をあけておく
先行車が停車した際は、常に5メートル以上の距離を保つよう意識する
先行車がいない場合は、停止線2メートル以内での停車を意識する
です。
これも、普段から公道を走行する際に意識していれば、無意識にできるようになると思います。
なお、『3.先行車が停車した際は、常に5メートル以上の距離を保つよう意識する』については、一般的なガードレールの支柱間隔がおおよそ4mなので、支柱間隔+αの距離に慣れておくとわかりやすいかと思います。
ここまででも原付の免許を取得するだけで、かなりのメリットがあることが理解できますね。
やはり、公道を実走できるって大きいと思います。
続いて試験対策以外のメリットについてですが、まず一発試験に10回以上落ちてしまった場合と合格への近道についてですが、原付免許を取得して対策を取った場合は、で比較すると一発試験の技能試験代は仮免許で4,350円・本免許で3,350円となります。
これに交通費約1,000円加え、それぞれ10回受験した場合で計算すると、仮免許の場合は53,500円、本免許で43,500円となり、さらにお勤めの方で有給取得して受験された方はプラス休み分と、中々にお金と時間を使うことになりますね。
対して、原付免許を取得して中古で原付を購入した場合で、全て一発で試験に合格した場合は、約60,000円で済みます。
【内訳】
試験費用と参考書代:10,000円
中古の原付:50,000円
さらに、その他メリットに挙げたとおり、試験が終わり原付を処分するとした場合、約20,000円~で売却できるので実質コストは約40,000円で済みますし、そのまま日常使いや、車購入後の納車までの期間の足としても良いわけですからね。
わたしは通勤時にたまに原付を使いますが、意外と便利ですよ。
また、公道を走ることに慣れることや試験対策を行えることで、技能試験の合格が早まり、結果試験に費やす時間が短くなると思います。
ちなみに、わたしが挑戦していた時は、技能試験の予約を取るのに2〜3週間先まで埋まっている状態でしたので、仮免許も本免許も試験に数回落ちると、1回落ちただけで2〜3週間余計に免許取得までに時間を要すると考えると大きいですね。
そもそも10回も挑戦するの?と言われたら、平均で3〜4回で合格する方が多いそうなので、そこまで一発試験で免許の取得にこだわる方は中々いらっしゃらないのかな?と思いますが、(統計があるわけでもないので憶測です。)それとは逆に、7回目で合格したといったような情報を見かけることもあるので、仮免許と本免許の受験回数を合わせたら10回挑戦している方もそれなりにいらっしゃるのかもしれませんね。
そして最後に、取消処分者講習修了書(飲酒取消処分者講習も含む)の有効期限1年がなくなることです。
これは、一般的に免許の取消を受けた方が免許の再取得をするにあたり、必ず受講しなければならない講習で、この修了書の有効期限が1年です。
≪参考≫
警視庁ホームページ/取消処分者講習
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/koshu/koshu/koshu04.html
該当する方のほとんどは、修了書の有効期限1年以内に免許の再取得をされるかと思いますが、何かしらの事情で途中、一発試験に挑戦できない状況となった場合もそうですし、この講習受講費用が30,550円と決して安くはなく、もう一度受けるとなると新たに30,550円かかりますので、原付免許を取得しておく方法はおすすめです。
そして副業の話については、少し横道にそれますが、一発試験を受験され合格後、新たに車を購入される予定の方もいらっしゃるかと思います。
車の購入は結構なお金がかかるので、そんな時には、原付でデリバリーの副業でもして購入費にまわすのもありかもですね。
以上がメリットとなります。
≪まとめ≫
冒頭でも触れているとおり、この方法をわたし自身は行っておらず、あくまで机上の空論であることもご承知ください。
なお、この方法を思いついたのは、取消処分者講習の受講時に
『講習修了書の有効期限1年が、普通自動車の免許以外の何か別の免許を取得した場合でも、再度講習を受ける必要がなくなるよ』
と講師がこっそり教えてくれた時でした。
その時に、原付でも移動手段が増えるのは助かるし、練習もできるので試験に数回落ちたら試してみようと考えておりましたが、無事に全て一発で試験に合格できたので試さずに済みました。
と、ここまで
視点を変えて『原付免許』を取るのもあり!?
について、こと細かくデメリットやメリット含めお話をさせていただきましたが、
『普通自動車の免許取得後に実際にバイクで公道を走っていると、この方法は結構ありなのかな?』
と感じたことが、今回この記事を書くに至った経緯となります。
また、一発試験は、非公認教習所に通う以外で、なかなかに実走練習をすることができません。
そして、そのことが難易度を高めている一つの要因となっているとも思います。
ですので、『運転経験が少ない方』や『そもそも経験がない方』『ブランクが長い方で移動手段がとりあえず欲しい方』にはお勧めできる、即効性のある対策だと思います。
試験に何回も落ちていると気持ちがへこむだけでなく、余計に費用と時間を費やすことになり、先行きも不安となるでしょう。
そんな時は、視点を変えてみて『原付の免許を取ってみる』こともありかと思います。
バイクで走っていると、色々と見えてくることがあるでしょうし、季節限定となりますが風がとても気持ち良いですよ。
それではみなさんが、1日でも早く合格できますように。
※次からは、原付免許取得の試験制度と費用について軽く説明致します。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。
≪参考/試験制度≫
◆受験場所
各都道府県の運転免許センター
◆受験資格
16歳以上
住民票に登録されている住所を管轄している免許センター※原則
視力が両眼で0.5以上であること。一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上であること。
初心取消者を除く取消処分等を受けた方で、欠格期間満了後の受験前1年以内に取消処分者講習を受講済みの方
◆受験日時
受験される予定の運転免許センターホームページ等にてご確認ください
なお、参考として『東京都の場合』
平日のみ、"午前"と"午後"の1日2回実施
受付時間は
午前/8:30〜9:05
午後/9:30〜11:30
となります。
◆必要書類
初めて受験される方とそうでない方で、準備する書類に違いがありますが、一発試験対象者向けに記事を書いておりますので、ここでは『初めて受験される方のみ』を対象に挙げさせていただきます。
住民票 ※本籍が記載されており、マイナンバーが未記載のもの
本人確認書類(健康保険証、マイナンバーカード※通知カード不可、住民基本台帳カード、パスポート、等)
証明写真(縦3センチ×横2.4センチ)※無帽、正面、上三分身、無背景で申請前6か月以内のもの
◆費用
試験対策の参考書と受験代、合格後にかかる費用は以下のとおりとなります。
なお、一回で合格できればトータル10,000円程度となります。
受験料:1,500円
講習料:4,200円 ※合格者のみ
交付手数料:2,050円 ※合格者のみ
参考書:1,000円程度
交通費: 実費
◆試験の流れ
受付終了後
適性試験
学科試験
原付講習 ※学科試験合格の場合
免許証交付
の流れで当日は進みます
◆その他
学科試験合格後に原付講習があり、実際に原付に乗車しての研修となるので当日の服装は
長袖、長ズボン
靴(運動靴みたいなもの)
で受験された方が良いでしょう。