幸せになれないとわかっていても
幸せになれないとわかっていても選んでしまう恋がある。
こんなにも人の感情を天から地まで揺さぶれるものは恋しかない。
「恋は盲目」
その通り、一気に周りが見えなくなる。この世に相手と自分しか存在しないのではないかと錯覚するくらいには。
でも恋は楽しいだけじゃない。幸せになるためにある感情のはずなのに、絶対に幸せになれない選択をしてしまう時がある。
そして人間はどうしてその選択肢を選びたくなるのか。
私にとっては私と彼の物語のはずなのに、彼にとっては私はエキストラだったなんて。自分がヒロインと思い込んでいたのに最初から相関図にすら載っていない。
それに気づくのはもう手遅れになった頃。
それでも、わかっていても、不幸せになる方に惹かれるのは本能なのか。