苦いはっさくと、苦いお茶
食卓に、八朔が1つ。
オットは、八朔が好き。
八朔を剥くのも、上手だ。
剥きながら『食べる?』と聞いてきたので、『食べる』とわたし。
その間に、わたしは、温かいお茶の用意をし始めた。
八朔を食べながら、お茶を飲む。いい時間だな...と、思いながら...
お茶の支度をすませて、食卓に座ると、半分になった八朔だけが、ぽつんと。
むむむむ?
なんだ?何が起こったんだ?
オットの様子を見ていると、仕事でトラブルがあったらしい...
電話がかかってきたり、電話をかけたり。
忙しそうだ。
もう少し様子を見てみよう。
わたしは、食卓に先に座って、お茶を飲んで待ってみる。
しばらくすると、オットは戻ってきた。
八朔の皮剥きをお願いしてみた。
それどころではなさそうな表情。
わたしも、引き下がらず、2度目のお願い。
しぶしぶ剥いてくれた八朔。
それでも、美味しそうな仕上がり。
オットは、八朔剥きリストだ。
それでも、まだ、オットの頭の中は、仕事のトラブルのことを占めているように見える。
朝から、大変そうだ...。
少しでも、心休まれば....と、お茶を目の前に差し出してみた。淹れる前に、オットは、飲まないと言っていたけれど、わたしも、頑なだ。
すると、オット、お茶飲んだ。
お茶を飲みすすめながら、どんなトラブルが起こっているのかを話し始めたオット。
どんなにがんばっても、うまくいかない状況に出くわす時あるよね...歯がゆいね...
しばらくすると、トラブル解決の連絡。やっと安心できた瞬間だ。
仕事のトラブルの話を聞きながら食べた八朔は、苦かった。きっと、オットが飲んだお茶も苦かっただろうな。