見出し画像

魂天(四麻)達成日記

2024年7月28日、雀魂の四人麻雀で魂天になりました。
ひとまずのゴールでもあり、未だ道半ばでもありといったところですが、せっかくなのでここに至るまでのあれこれを書いてみようと思います。

なお全部で11,000文字ほどあります。
流し読みでも途中離脱でも全然構わないので、無理のない範囲で読んでいただければと思います。


はじめに:総合成績と経歴

魂天到達時の総合成績
最後の300戦くらいでようやく平均順位が2.40から2.39に上がりました
魂天到達までのポイント推移
何度も降段しました

昇天(魂天へ昇段することの俗語)までにかかった試合数は3,449半荘 + 東風68戦です。
期間としては2023年の春頃から打ち始めたので、約1年半ほどかかりました。

麻雀自体は元々経験者です。
高校だか浪人だかの頃に始め、途中やめていた時期もありますが、通算するともうかれこれ10年以上は打っています。
以前は天鳳(雀魂より昔からあるネット麻雀)にもハマっていましたし、セットやフリーもよく行きました。

既存の魂天の中には私の半分以下の打数で昇天してる方や、麻雀を始めて1、2年で昇天してる方も沢山います。
中には高校生の魂天もいるそうです。凄いですね。

そういった才気溢れる方々と比べればまあ "パッとしない" 成績ではありますが、それでも打ち続け、試行錯誤を繰り返し、なんとかここまでは来れました。
ひとまずホッとすると同時に、こういう泥臭い魂天もいるんだと皆さんに知っていただければ幸いです。


第一章:スタッツと雀風

この章では自身の今の雀風(打ち方)と、対局中何を意識しているかについて話します。

流石に3000半荘以上も試行錯誤すると打ち方もコロコロ変えているため、以下に "今" の打ち方に変えてから昇天するまで(2度目の聖3の3000pt 〜 昇天)の成績を載せました。
とはいえたかだか300戦ちょっとですから、勝率そのものは上振れが多分に影響している点はご留意ください。
勝率は参考程度に、それ以外の各種数値を眺めていただければと思います。



一言で分類するなら、「副露攻撃型」になるのでしょうか?
以下に聖3平均からは少し外れている項目を抜き出してみます(矢印は聖3平均とのズレを表します)。

  • 和了率 25.62% ⬆️⬆️(聖3平均 22.51%、玉での位置 97.76%)

  • 放銃率 13.41% ⬆️(聖3平均 11.61%、玉での位置 41.56%)

  • 副露率 45.95%⬆️⬆️(聖3平均 32.67%、玉での位置 97.35%)

  • 立直率 16.75% ⬇️(聖3平均 18.39%、玉での位置 21.11%)

  • ダマ率 9.62% ⬇️(聖3平均 12.79%、玉での位置 33.97%)

  • 平均和了 6112 ⬇️(聖3平均 6497、玉での位置 15.61%)

  • 平均放銃 5320 ⬇️(聖3平均 5439、玉での位置 15.42%)

  • 立直巡目 9.220⬇️(聖3平均 9.366、玉での位置 17.60%)

  •  立直良形 54.65% ⬆️(聖3平均 51.06%、玉での位置 88.80%)

  • 振聴率 1.52% ⬆️(聖3平均 0.87%、玉での位置 78.17%)

こんなところでしょうか。
当たり前の話ですが、スタッツとはあくまで「結果」を表すものです。
対局中にわざわざ「こういうスタッツになるように」打っているわけではありません。
その上で、「ではどう打ったからこういうスタッツになったのか?」を予想してみます。
対局中考えていることはいろいろありますが、私は特に以下の2点の影響が大きいと考えています。

  • 9巡目までにテンパイする

  • 東場は局収支に身を委ねる


9巡目までにテンパイする


まず、わかりやすく和了率と副露率が高いですね。
その分平均打点は少し低めです。

私は配牌をもらったらまず、「この手は9巡目までにテンパイできそうか?」を考えます。

麻雀は1局につき18巡ありますが、18巡を自由に使える局などほとんどありません。
そして9巡目ともなると、もう誰かしらがテンパイしていてもおかしくない頃です。
なので「門前で進めても9巡目までに間に合わないな」と思った手牌は積極的に鳴いて、なんとかテンパイに近づけるようにしています。
打ち手によってはそういうときは守備的に打つ人もいますが、私は基本的に全局参加型。
どんなクズ配牌からも常に和了を見るタイプです。

もっと言うと手牌自体を鳴けるものに変えていくので、么九牌を落として喰いタンに移行する、ペンチャンを払って孤立役牌を残す、なんてこともよくします。
その分放銃率は上がってしまいますが、テンパイすることによる和了率の上昇をそれ以上に重く見ています。
テンパイさえしてれば、和了れなくても流局時にテンパイ料が入ってきますしね。

また、特に鳴かずとも門前で先制テンパイできそうなときは、素直に門前で組んで先制リーチを打ちます。
先のスタッツを見るに、私は聖3平均よりリーチ率が低く、平均リーチ巡目は少しだけ早いようです。
これは上述したように9巡目を一つの基準としており、それ以上かかるようなら積極的に鳴いているためと思われます。

あ、あとこれも当たり前の話ですが、別に9巡目までにテンパイすると意気込んでも、ほとんどの場合でテンパイできていません。
完全一向聴が流局まで埋まらないこともザラです。
9巡目を意識したとしてもこれなのですから、言わんや何も意識しなければをや、です。


東場は局収支に身を委ねる

おそらく雀魂を始める前と後で一番麻雀観が変わった部分が、この局収支の大小を中心とする考え方です。

私の話をする前に、局収支について少し説明します。
局収支とは、「ある選択をした際に、その局で得られる(または失う)点棒の期待値」を指します。
例えばリーチ判断なら、主に以下の要素が点棒に関わってきます。
・和了率、打点
・放銃率、放銃打点
・流局率、流局時のテンパイ料 or ノーテン罰符

これらをリーチした場合とダマにした場合のそれぞれで計算し、その局の期待値(局収支)を算出します。
そしてそれぞれの局収支を比較して大きい方が、「その局における有利な選択」となります。
例えば
・リーチ時の局収支が3000点、ダマ時の局収支が1000点 → 大差でリーチ有利
・リーチ時の局収支が500点、ダマの局収支が700点 → 微差でダマ有利
のような考え方をします。
以上、ざっくりですが局収支の説明を終わります。

さて、麻雀は和了ってなんぼのゲームですが、安手ばかり和了っていても勝ち切れません。
かといって高い手を狙っても、和了れなければ無駄になります。
またせっかくリードしていても、高い手に放銃したらパーになります。
そのためリーチするかしないか、鳴くか鳴かないか、押すか引くかなどを都度判断しないといけませんね。
そして私は(東場では)その基準を、主に局収支の大小に委ねています。

例をあげると私は鳴きを多用していますが、それでも鳴かない方が局収支上有利とわかっているならスルーします。
先ほど「9巡目までにテンパイする」と書きましたが、それも局収支によってはもっと早めることも、遅らせることもあります。

また鳴きを駆使するのはそもそもテンパイか、最低でも一向聴までは持っていかないと押し引きの土俵にすら立てないからで、一度土俵に立ったらあとは局収支上有利な選択を選び続けるだけです。

なお局収支上、四麻ではテンパイさえしてれば大抵のケースで押し有利に傾くので、放銃率の高さはそこからも来ているのだと思います。

ちなみに私のダマ率は聖3平均より少し低いですが、これも大抵のケースでダマよりリーチの方が局収支上有利なため、役あり愚形でもバンバンリーチしてるからだと考えられます。  


それと「東場では」と書いてある通り、南場は少し事情が異なります。
南場では局収支よりもむしろ半荘収支(段位戦の場合は段位pt収支のこと)をメインに進めていきます。

局収支/半荘収支について語り出すとこの記事が終わらなくなってしまうので、詳細な話は別記事で取り上げる予定です。

Q:局収支は結局「その局の期待値」でしかないので、最終的な順位へはあまり影響しないのではないのですか?

A:おっしゃる通り局収支はあくまでその局限定の期待値に過ぎません。
優先順位は常に「半荘収支 > 局収支」となります。
なのでオーラスのように順位への影響が明確な局面では、局収支より半荘収支を元に選択することになります。

しかし、半荘収支は常に高精度で求められるものではありません。
特に上にあげたような東場での選択に半荘収支を用いるのは、既存のデータが少なく難しいものがあります。
そしてこれは意外かもしれませんが、東場では局収支を最大化することは、半荘収支の最大化と「そこそこ一致する」のです。
なので半荘収支がわかっている/推測しやすい局面では半荘収支を、そうでなければ局収支を元に判断すれば、そう酷いことにはならないと考えられています。

局収支/半荘収支についての解説はみーにんさんの『「統計学」のマージャン戦術』が詳しいので、良かったらそちらもお読みください(ダイマ)。

Q:段位戦はラスの配分が重いので、東場でも局収支通りにしない方が良い場面もあるのでは?

A:はい、その通りです。
特に顕著なのが押し引きで、微差の押し有利くらいなら引いてしまって良いと思います。
押し引き以外はだいたい局収支通りで良さそうです。

段位ポイントを加味した戦略については、下記の「コラム 段位戦の考え方」が参考になると思います。
https://hobbyjapan.co.jp/mahjong/column.html

以上、長くなりましたが、これらを意識した結果が先のスタッツに繋がったのだと予想されます。


第二章:参考にしたもの

この章では、昇天までに私が参考にしたものを書いていきます。

その前にまず、私はYouTubeの麻雀チャンネルなど、動画学習の類はほとんど見ていません。
もちろん動画学習をdisるつもりは一切なく、私自身の脳の特性として、動画を観続けたり他人の話を聴き続けるのが著しく不得手だからです。
人それぞれ認知特性というものがありますし、ここにあげる情報は参考程度に、ご自身に合う学習法を見つけてくださいね。

というわけで、私が参考にしたものは主に以下の2つです。
・書籍
・NAGA

書籍

動画で学ばない以上、やはり一番の情報源は書籍となります。
私が麻雀を始めた頃は麻雀本といえばいわゆる「オカルト」の類が蔓延っていましたが、今は効果的でデータも揃っている本が多数あります。
麻雀を学ぶには良い時代ですね。

麻雀本だけでも何十冊と読んできたので、細かくどの本で何を学んで〜という話はまた別の記事に書こうと思います。
書籍から学んだことで、特に参考になっているものは以下の3つです。

  • 序盤〜中盤の手組み、構想

  • 局収支/半荘収支 の概念およびデータ

  • 押し引き、オリ方、回り方


【序盤〜中盤の手組み、構想】
これはどちらかというと雀魂を始める前の話ですが、序盤〜中盤の何切るや和了役の構想は主に書籍で学習しました。
また鳴きの基本も同様です。
以下、参考とした書籍の内いくつかを挙げておきます(著者敬称略)。

  • 『麻雀 麒麟児の一打』(堀内正人、竹書房)

  • 『神速の麻雀 堀内システム55』(堀内正人、三才ブックス)

  • 『堀内式システム麻雀 何切る?何鳴く?問題集』(堀内正人、鉄人社)

  • 『麻雀 勝ち組の鳴きテクニック』(川村晃裕、竹書房)

  • 『裏プロが教えるフリー麻雀で勝つ超デジタル打法』(川村晃裕、鉄人社)

見事に堀内さんと川村さんの本しか挙げてませんね笑。
当時の自分がハマっていたといえばそれまでですが、今読んでも遜色ない良書ばかりです。


【局収支/半荘収支 の概念およびデータ】
雀風の章でも述べたとおり、局収支/半荘収支の考え方は、今の私の麻雀の中心となっています。
結局私が昇天までにやったことといえば、ひたすらテンパイしては局収支/半荘収支上で有利な選択を繰り返す、と、ただそれだけとも言えます。

以下に、私が局収支の参考にしている書籍を挙げておきます(著者敬称略)。

  • 『新 科学する麻雀』(とつげき東北、ホビージャパン)

  • 『「統計学」のマージャン戦術』(みーにん、竹書房)

  • 『知るだけで強くなる麻雀の2択』(みーにん、竹書房)

  • 『現代麻雀最新セオリー』(雀ゴロK、彩図社)

  • 『麻雀 激ムズ何切る問題集』(nisi、鉄人社)

  • 「麻雀数理研究会」の各note(書籍ではありませんが、いつもお世話になってるので載せておきます)

もちろん全ての場面の局収支を暗記しているわけではありません。
というかそんなの無理ですし、そもそも数値の暗記に意味はありません。
それより、「こういうときはこっちの選択が大差で有利」、「こういうときはこっちの選択が微差で有利のはず」のように、実戦の牌譜とデータを照らし合わせながら、少しずつ少しずつ身体に叩き込んでいきました。
まだまだ完璧からは程遠いので、日々アップデートしていきたいと思います。

【押し引き、オリ方】
押し引きも基本的には局収支/半荘収支に準じるのですが、既存のデータではカバーしきれない部分や、そもそもオリるとしても正確なオリ手順というものがあるので、そういったことは別の書籍から学習しました。
押し引き、オリ方で特に役に立ったものを以下に挙げます(著者敬称略)。

  • 『うに丸式 セオリーで勝つ麻雀』(うに丸、鉄人社)

  • 『鬼打ち天鳳位の麻雀 受けの神髄』(お知らせ、マイナビ出版)

聖1くらいまでならともかく、聖2からは押し引きやオリ手順の精度が求められてくる時期です。
特にお知らせさんの『受けの神髄』は守備が苦手な私にとって、昇天に至るための最後のピースとなったと言っても過言ではありません。

Q:牌効率や読みの本は読んでいないのですか?

A:牌効率は緑ウザクは一読しましたが、赤青は途中です。
読みの本も何冊か読みましたがほぼ身についていません。
どちらも中途半端ですが玉の間はそれでも何とかなりました。
鳴きが多いので、あんまり牌効率的に悩む手牌にならないのも大きいかもしれませんね。

Q:『現代麻雀技術論』(ネマタ、鉄人社)は?

A:電子で買って一読はしましたが、それ以降はほぼ読んでません。
著者が様々なことを細かく深く考えていることは伝わってきました。
ただそれをどこまで信用して実践に取り入れていいものか、私自身で判断がつかなかったためです。
そのため評価は差し控えさせていただきます。


NAGA

書籍以外で特に助けられたのが、麻雀AIであるNAGAです。
私が麻雀を始めた頃のAIといえば正直かなり出来が悪く参考にならなかったのですが、今はAIの進歩が凄まじく、日々勉強させてもらってます。
麻雀を学ぶには良い時代ですね(2回目)。

NAGAを使い始めたのは去年(2023年)の秋頃で、当時の私は豪3から雀聖にあがれず伸び悩んでいました。
そのときTwitterでFFのえびてんさんからNAGAを薦められ、導入を決めました。
それまでNAGAの名前を聞いたことはあれど、有料のため足踏みしていましたが、この伸び悩みが解決するならと試してみた次第です。

当時はまだ丁寧語でやり取りしていたえびてんさん。
背中を押していただき本当にありがとうございます。


NAGAを使い始めた当初はいわゆる悪手だけを見ていましたが、慣れてくるにつれ徐々にNAGAの理解が進み、使い方の幅が広がっていきました。

NAGAの活用方法についても詳しく話したいところではありますが、こちらもやはり紙面の都合上別記事にて語ろうと思います(別記事予定ばかりが増えていく……予定は未定です)。

ただ一つだけ、ここで言及しておかないといけないことがあります。

NAGAにしろMortalにしろ判断理由は教えてくれないので、利用者は自身で理由を推測する必要があります。
そして、その推測がどれくらい正答に近いのかは誰も教えてくれません。
もしかしたら全く的外れな推測を延々と繰り返すかもしれません。

NAGAだけを使って独学するのは相当に困難な道であり、基本的には座学や、誰か上手い人の解説とセットのコンテンツと割り切っておいた方が良いと思います。
忠告終わり。


先述したようにNAGAの具体的な活用方法は割愛しますが、とりあえず、いっぱい解析していっぱい局面編集しました、とだけ書いておきます。


思うにNAGAの真価は局面編集機能にあり、局面中の変数を少しずつ弄ることでNAGAの判断がどう変わるかをひたすら観測することこそが利用者が黙して語らぬNAGAの見ている世界を垣間見る唯一の手法でありその観測結果が利用者側のセオリーの構築を促し利用者はその(手記はここで途絶えている


第三章:試したけどダメだったもの

麻雀を始めてから今日までに、様々なことを試してきました。
当然ですが上手くいった試みの方が少なく、失敗した試みの方がずっとずっと多いです。
本章ではその中の一部を挙げてみようと思います。

1. 門前派への転向

伸び悩んでいたある時期、「いっぱい鳴いてるのがダメなんじゃないか」と思い切って門前派へ転向した時期があります。
天鳳で言えばリツミサンのように、門前派でも強い打ち手は存在します。
しかしいざ自分がやってみると、全然和了れずトップもほとんど取れず、とダメダメだったのでやめました。
たまーに高い手和了れるのだけは気持ちよかったですけどね。
今思えば、リツミサンの強さの一つに読みの鋭さがあるため、読みが苦手な自分が手を出していい領域ではなかったのだと思います。

2. ダマの多用

リーチがあまりにもうまくいかない(和了れない、リーチ後放銃ばかりする)ので、いっそあまり打たずにダマを多用してみた時期がありました。
結論としては、

  • 全然打点足りないのでトップ取れない

  • 役なしリーチしないので和了率が顕著に下がる

  • そもそもダマにしてようが良形テンパイしてて掴んだら捨てるから、結局放銃率は下がらない

といった具合で散々でした。
しかし特に3つ目の結論(結局ダマにしてても掴んだら振る)は私にとっては発見であり、悪いのはリーチではなくツモなのだという(よくよく考えれば)当たり前の事実に気づくことができました。

今はリーチ判断はあくまで局収支をメインに考えているため、先制取れたらだいたいのケースでリーチしてます。

3. 安牌残し進行

私は今も昔も放銃率が高めですが、それを改善するために「シャンテン数分の安牌を抱えながる手を進める方式」を採用していた時期があります。
三向聴なら3枚、二向聴なら2枚の安牌を持つということですね。
ただこちらも和了率がダダ下がった一方で、結局地蔵ラスが増え思ったよりもラス率が下がらなかったので割と早めに没にしました。

今も場合によっては安牌を持つことはよくありますが、あくまでベースは「まっすぐ」進めた上で、必要に応じて安牌を持つようにしています。

4. LuckyJの真似っこ

私が豪3から豪2に降段した主な原因の1つです。

当時の私は雀魂を始めたばかりで、とりあえず豪3までは上がれましたがどうにも自分の打ち方に自信を持てませんでした。
なので降段覚悟で打ち方を変えてみたのですが、ちょうどそのとき目に止まったのが最強AIと名高いLuckyJだったのです。

LuckyJの成績や選択は凄まじいの一言で、当時の私の脳は一気に灼かれてしまいました。
そこからLuckyJの牌譜を見たり、ゆうせーさんの記事を読んだりして、出来るだけ自分の打ち筋をLuckyJに近づけようとしていました。

しかし私ごときがLuckyJの打ち筋を多少なりとも模倣できるはずもなく、そもそもどれくらいきちんと模倣できているのかもわからず、なんかそれっぽいことをしては負け続け、「うまくいかない、いかない」と頭を悩ませていました。

そこで早めに切り上げて一旦は元の打ち方に戻せば良かったものを、だいぶ頭が煮えてたこともありそのまま続行、結局降段するまで同じことを繰り返しました。

理解できていないものを真似れるわけがなかったのです。合掌。

5. NAGA(カガシ)の真似っこ

こちらは一度目の聖1の頃と、一度目の聖3から聖2に降段したあたりでやっていたことです。

先述のLuckyJと比べれば、NAGAの模倣はそれなりにやりやすいと言えます。
私はNAGAを使い始めた頃からずっとカガシをメインに据えていたため、ひたすら打ち筋をカガシに寄せてみました。
実際にどれくらい模倣できてるかはNAGAで解析にかければいいので、類似度が90を超えたり、悪手率を0%近くに抑えられたときはスクショを撮ってキャッキャしていました。

なので今回はそれなりに模倣は出来ていたはずなのですが、これがどうにも成績とリンクせず、打つ度にずるずると段位ポイントが減っていきました。
とりわけ聖3の頃はその結果として数千ポイントを失い聖2に降段してしまったので、それを機に模倣はやめています。

どうして失敗したか、どうすれば良かったかは今でもわかっていません。
シンプルに寄せ方が足りてないだけで、もっと高精度な模倣が必要だったのかもしれません。
仮説はありますが今のところ証明する術もないため、とりあえず過度な寄せはやめておこう、という結論に至りました。

今の打ち方をNAGAで解析するとだいたい悪手率10%ほどになってしまいますが、今はもう必要と感じたものだけ参考にしている形です。


以上、試したけど上手くいかなかったことを挙げてみました。

しかし試して上手くいかなかったことは「失敗」であると同時に、「上手くいかないことがわかった」という「成功」でもあります。

最短効率で突き進むのも良いものですが、こうして失敗を積み重ねることで滲み出る麻雀の「厚み」というものも、個人的には嫌いではなかったりします。


第四章:FFからの質問

もう書きたかったことはだいたい書けたので、本章ではFFから募集した質問に答えていきます。

1. かにかまの名前の由来

昔から使っているハンネで、命名当時は(今もですが)カニカマが好きだったからです。以上。

ただ今麻雀界隈で🦀と言ったらMortal君になってしまうので、カニ被りでちょっと微妙。
別に今の名前にめちゃくちゃこだわりがあるわけではないので、いつか変えるかもしれません。
SNSの名前変更タイミング難しいですね。

2. 鳴きがどう変わったか

私は昔から割と副露派ですが、それでも時期によって副露率が結構違います。
変遷としては

  1. 通常副露期(40%前後)。雀魂を始める前くらい。

  2. 超高副露期(50%超)。去年の夏頃。とにかく守備を考えず和了りまくろうとしていた時期。

  3. 通常副露期(40%前後。2回目)。去年の秋頃。カガシの真似(1回目)をして少し抑えた時期。

  4. 高副露期(46%前後)。去年の冬頃。元の超高副露とカガシの副露をなんとか融合させようとしていた時期。

  5. 通常副露期(40%前後。3回目)。今年の春頃。カガシの真似(2回目)をしてまた抑えた時期。

  6. 高副露期(46%前後。2回目)。現在。実は特に意識していないがスタッツとしてはこれくらいに落ち着いている。

といった具合です。
今くらいの副露率(46%前後)が自分なりにバランスが取れているのかもしれません。
ただ出来ればもう少し和了率を上げたいので、また少し鳴きを増やす(50%台)かもしれません。
守備力との兼ね合いもあるのでなかなか難しいところもありますが、無理のない範囲で試してみようと思います。

3. 何を順に学んだか

こちらは麻雀歴1年ほどのFFさんからの質問です。
正直なところもはや歴が長すぎて何から学んだかはあんまり覚えてないのですが、ざっくりと

  1. 序盤何切る

  2. 一向聴、二向聴くらいの何切る

  3. リーチ判断。押し引きの基本

  4. 副露手の作り方、進め方(ここまでが雀魂を始める前まで)

  5. NAGAの打ち方や押し引き(ここからが雀魂を始めた後)

  6. 局収支(リーチ判断、待ち取りなど)

  7. 半荘収支(南場や点棒状況に応じた戦い方)

  8. 前より高精度な押し引き、オリ手順

の順かなあと思います。

あくまでこれは私が学んだ順番なので、これが良いという話ではありません。
ただ、基本的にはやはり 攻撃 → 守備 の順に学ぶのが良いと思います。
きちんと手組みができない、先制テンパイが取れない内から守備を覚えても、ひたすら守らされてジリ貧になるだけですからね。

あと麻雀は総合力なので、牌効率にしろ押し引きにしろ、一つを極めるよりはどれも満遍なく学ぶのが良いと思います。
牌効率Lv.10 かつ 押し引きLv.1 より、牌効率Lv.5  かつ 押し引きLv.5 を目指そうね、ということです。


4. 玉の間の特徴、攻略法

これは難しい質問です。
結論としては、「地力をつけてゴリ押しましょう」でしょうか。

もちろん、玉の間ならではの特徴は結構あります。
例えば、総じて副露ケアが弱いから相対的に染め手が強い、とか、割と全ツされるから愚形リーチが相対的に弱いとか。

ただ攻略という意味では、ぶっちゃけ気にするレベルじゃないんじゃないかなーと思ってます。

そもそもこういったいわゆる「メタ戦略」は、ストリートファイターV でいう「一点読みスーパーアーマー」みたいなものです。
本来そこまで多用できるものでもありません。

私は格ゲーを嗜まないのでよく知りませんが、やられた相手はブチ切れるみたいです


段位戦は、不特定多数を相手取る長期戦です。
しかも玉の間の対戦相手は、そのほとんどが雀豪です。
確かな地力さえついていれば、メタなど張らなくても充分ゴリ押せます。

というか私はゴリ押しました。

愚直に手組みや鳴きを学んで先制テンパイして、
局収支を学んで期待値通りの選択をして、
押し引きやオリ手順を学んで後手対応をする。

特に「玉の間だから」などは考えずに、これらをひたすら繰り返して攻略したつもりです。

まとめます。

もしあなたが雀豪なら、地力を鍛えてライバル達と渡り合えるようになりましょう。

もしあなたが雀聖なら、鍛え上げた地力の差で雀豪達をなぎ倒しましょう。
もし相手も雀聖でも、それすら真正面から叩き潰せるまで磨き上げましょう。

長期戦である以上、小手先のメタを張るよりそちらの方がずっとポイントは増えやすいでしょう。

これが回答となります。


私がなぜここまで地力の向上を推すかというと、地力の向上は何よりメンタルを安定させるからです。

麻雀は運ゲーですから、ときには先制三面張が単騎に一発放銃することもあるでしょう。
理不尽に4連ラスを引いて、夜も眠れない日もあるかもしれません。
そういったとき最後に自分を支えてくれるのは、小手先の技ではなく、それまでに培った地力と経験なのです。

「4連ラス引いたのは辛いけど、8回トップ取ってチャラにしよう。自分ならできる」と上手に切り替えられるかどうか。
長い長い玉の間坂を登り切るには何より、「これまで積み上げてきた自分への信頼」が大切だと、心からそう思います。


 
とはいえせっかく楽に勝てるなら、支障のない範囲でそういった小技を仕入れるのも悪いことではないと思います。
ただ私はその辺りの知見に明るくないため、必要であれば別途攻略記事を書いている方々をあたっていただければと思います。

おわりに

書き始めたはいいが全然終わる気配のなかった記念noteも、気づけば1万文字を超え、ようやくここまで辿り着きました。

今後は王座の間で打ち魂天Lv.2 を目指しつつ、三麻の魂天も目指したいと考えています。
とはいえ三麻は素人同然なので、日々わからんわからんと頭を悩ませています。
W魂天達成がいつになるかはわかりませんが、気長に頑張ります。

最後に、この記事は魂天達成記念noteであると同時に、魂天を目指す全ての雀士を応援する記事でもあります。

私のような不器用極まりない人間でも昇天できたのですから、今頑張ってる皆さんも絶対に昇天できます。
そのために必要そうな情報は、これからも(可能な範囲で)積極的に開示していくつもりです。
私が発信する何かしらが、皆さんにとって少しでもお役に立てれば本望です。

ここまで長々とお読みいただきありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2024年8月5日 かにかま

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?