募集牌譜検討_20240908_雀傑3_匿名希望さん
概要
いただいた牌譜をNAGAで解析し、気になった箇所について打ち手、かにかま(私)、ニシキ、ガンマの選択を併記します。
選択の解説とともに、カテゴリと重要度(A, B, C)を記載していきます。
カテゴリと重要度は主観です。
重要度C以上と判断したもののみを取り上げています。
東1局0本場-北家-25000点-ラス目
3巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:A
打ち手:打9m
かにかま:打4s
ニシキ:打4s
ガンマ:打4s
9sをポンし、混一色またはトイトイが見えている手牌です。
トイトイを狙う場合は混老頭にもなりそうです。
9mが孤立牌なら9mを切って混一色に向かうのが良さそうですが、対子なのでポン材として残してトイトイに向かいます。
せっかくの満貫〜跳満チャンスなので積極的に仕掛けます。
東1局1本場-北家-25000点-2着目
1巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:B
打ち手:打西
かにかま:打北
ニシキ:打北
ガンマ:打北
配牌3対子で動きづらく、チートイか役牌で和了りたい局です。
チートイを狙うなら2枚切れの北は重ねづらいので生牌のオタ風より先に切ります。
北は役牌なので1枚切れなら先に西を切ってチートイと役牌の両天秤にかけます。
東1局2本場-北家-25000点-2着目
2巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:B
打ち手:打北
かにかま:打1p
ニシキ:打1p
ガンマ:打1p
愚形が多く、三色も見えなくもないですが全体的に不安定な手牌です。
このままでは門前テンパイは厳しそうなので、端牌を先に切り役牌が重なることを期待します。
配牌時点で和了役をある程度構想しておくことが重要です。
5巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:B
打ち手:打2p
かにかま:打發
ニシキ:打發
ガンマ:打發
先ほどの手牌からツモが進み、明確に三色が見える手となりました。
こうなると1枚切れの役牌にペンチャンを外す程の価値はないので發を切ります。
また3sが既に2枚切れているため、12pと24sのどちらかを外すとなったら24sから外します。
ペンチャンは確かに良い形ではありませんが、あまり外しすぎないようにしましょう。
序盤(〜5巡目くらい)かつ、孤立中張牌2種あたりが外せる目安になります。
今回のような1切れ役牌では外すには不十分です。
また中盤以降は外す余裕がなくなるためペンチャンを維持します。
7巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:A
打ち手:打9m
かにかま:打發
ニシキ:打發
ガンマ:打發
また先ほどの手牌から手が進み、三色は崩れましたが一向聴になりました。
打ち手の方は799から9を切ってカンチャン固定していますが、ここの愚形フォローは重要な受け入れなので素直に孤立牌の發を切ります。
愚形は元の受け入れ枚数が少ないため、フォロー牌は非常に重要です。
これが仮に677mであれば7mを先切りして發を安牌として抱えておくのですが、愚形に関しては先切りする余裕はありません。
常にフォロー牌を残します。
東2局0本場-西家-22800点-2着目
2巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:A
打ち手:打9m
かにかま:打白
ニシキ:打白
ガンマ:打白
7mを雀頭と捉えるなら9mは不要ですが、8mを引いたときに67789mの面子 + 両面ターツになります。
いわゆる二度受けですが、孤立役牌よりは重要度が上です。
白と中の比較は重なりやすさ優先で1枚切れの白を先に切ります。
3巡目
カテゴリ:牌効率、安牌残し
重要度:B
打ち手:打白
かにかま:打8p
ニシキ:打8p
ガンマ:打8p
4面子1雀頭を構成するターツが揃ったので、余り牌の8pを先に切ります。
残ったターツに愚形が多く不安定なら字牌を切りますが、これくらい整っているなら面子候補を固定して字牌を残しましょう。
白も中も別に完全安牌ではありませんが、少なくとも8pよりは安全なのでそこの比較で残します。
7巡目
カテゴリ:牌効率、和了役の構想
重要度:B
打ち手:打4m
かにかま:打8p
ニシキ:打8p
ガンマ:打8p
ターツオーバーにつきどちらかのカンチャンを外す場面です。
456の三色が見えているため68pの方を外します。
現代の一発裏赤あり麻雀では三色の価値は相対的に低くなっていますが、今回のように大して労せず狙えるときは積極的に狙っていきましょう。
また仮に三色がなかったとしても、36p引きで47mを落として58mの両面にできる打8pの方が優秀です
東2局1本場-西家-22800点-2着目
12巡目
カテゴリ:押し引き、オリ手順
重要度:A
打ち手:打1p
かにかま:打2s
ニシキ:打2s
ガンマ:打2s
下家からリーチが来ています。
こちらは2pをツモって一向聴になりましたが、切り出す牌のリスクと手牌価値が見合ってないためオリを選択します。
対面が4pを通したため1pはそこそこ安全な牌ではありますが、こちらは現物という安全度ランキング最上位の牌があるため2sを対子落としします。
オリる際はとにかく安全度を比較して安全な方から切りましょう。
また落とすのが雀頭で完全に手牌を破壊するわけでもないため、今後の展開によっては押し返したり形テンを取れるかもしれません。
今回は安全度の差から2sを選択しますが、仮に1pが現物でも同じく2sから切るのが良いです。
切る牌の安全度が同じであればなるべく形を残しましょう。
14巡目
カテゴリ:押し引き、オリ手順
重要度:C
打ち手:打2s
かにかま:打7s
ニシキ:打7s
ガンマ:打7s
先ほどから展開が進み7sをツモりました。
7sは現物かつノーチャンスなので、リーチ者はもちろん他家にもほぼ安全です。
2sを切って手牌破壊してしまっても悪くないのですが、これくらい安全な牌ならツモ切りして手牌を維持します。
もし次巡までに5mが現物になれば、もしかしたら形テンを取れるかもしれません。
ただこういった粘りは割と細かい技術の話なので、重要度はCとしておきます。
素直に2s対子落とししてしまっても問題ありません。
東2局2本場-西家-18700点-3着目
6巡目
カテゴリ:押し引き、押し返し
重要度:C
打ち手:打6s
かにかま:打西
ニシキ:打西
ガンマ:打西
下家の早いリーチを受けての押し引きです。
セオリーでいうと早いリーチに対してこちらはノーテンなのでオリなのですが、
巡目が早い
満貫が見える
現物ではないが字牌なのでそこそこ安全
あたりから少し粘りたい局面ではあります。
ただこの辺の押し返しはだいたい雀聖くらいから考えればいいかなとも思います。
他の基本が出来てない状態で押し返しを意識し出すと放銃が増えて崩れがちなので、ここでの重要度はCとします。
9巡目
カテゴリ:押し引き、オリ手順
重要度:A
打ち手:打西
かにかま:打南
ニシキ:打南
ガンマ:打南
2軒リーチを受けてのオリ手順です。
完全撤退の局面なので、生牌の西より暗刻持ちの南を落とします。
西はシャンポンと単騎に当たる一方、南は単騎にしか当たりません。
またこちらが3枚持っているため単騎待ちにするにはラスト1枚を持っていないといけないので、西単騎より確率が低くなりますしダブロンもありません。
ベタオリは機械的に安全度の高い順に切っていく作業なので、しっかり手牌の安全度比較をできるようになりましょう。
東3局0本場-南家-17800点-ラス目
8巡目
カテゴリ:押し引き、字牌の絞り
重要度:C
打ち手:打白
かにかま:打東
ニシキ:打東
ガンマ:打東
自分は0面子、他は副露手と、端的にいって「間に合っていない」状況です。
上家と下家が么九牌含みで鳴いていることから、ここで生牌の白はだいぶ鳴かれそうな雰囲気があります。
それでも自分の手牌が良ければまっすぐ打って、鳴くなら鳴いてもらえばいいのですが、現状この手ではリスクとリターンが見合わないため白を絞ります。
序盤の字牌は素直に切ってしまってよいのですが、中盤以降で後手を引いているときは甘い牌を打たないようにしましょう。
とはいえ自分の和了の方が100倍大事なので、変に絞りすぎて和了逃ししても本末転倒です。
なので一旦は重要度Cとしておきます。
9巡目
カテゴリ:押し引き
重要度:B
打ち手:打7p
かにかま:打東
ニシキ:打東
ガンマ:打東
引き続き後手対応です。
3pをツモり1面子できはしましたが、まだまだ間に合っていない状況。
ここでラフに浮いている7pを切った場合、放銃も十分にありうる局面です。
基本はオリ進行で、手牌破壊も視野に入れつつ耐えしのぎましょう。
中盤以降は特に、自分と他家との相対的な速度差を予測しましょう。
後手を引いたときに「後手を引いた」と感じ取れること、感じ取れたら素直にオリれることが肝要です。
東3局1本場-南家-17300点-ラス目
3巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打8m
かにかま:打5m
ニシキ:打5m
ガンマ:打5m
889から8を切るとペンチャン固定となってしまい、非常に弱い形となります。
もし5mがドラなどで残したい場合でも、8mではなく9mを切って対子固定してしまえば、刻子の他に雀頭としても使えるようになります。
ペンチャン固定はなるべくしないようにしましょう。
4巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打9m
かにかま:打2m
ニシキ:打2m
ガンマ:打2m
先ほど残した5mに6mがくっつきターツとなりました。
7mが二度受けになりますが、ターツ数が足りないので89mはこのまま残し、打2mだ1mをヘッド固定します。
この後ソーズが横に伸びれば89mの二度受け部分を落としますが、現状は7mツモに備え向聴数を落とさないことが和了率アップには重要です。
14巡目
カテゴリ:牌効率、安牌残し
重要度:A
打ち手:打8s
かにかま:打西
ニシキ:打西
ガンマ:打西
三段目に入るも未だ一向聴。
現状ラス目なのでテンパイ効率を最大に取るため打西とします。
8sを残すことで69sの他に1m58sツモでもテンパイになります。
点棒状況的にも守勢に回る局面ではないので、ここはぶくぶくに構えましょう。
14巡目
カテゴリ:副露判断、形テン
上家の9sをチーするか
重要度:C
打ち手:スルー
かにかま:チー打西
ニシキ:スルー
ガンマ:スルー
グラフを見てもわかるとおり、NAGAの各タイプ間でも意見が割れています。
私は巡目も深く47m69sの枚数が心もとないことから、ギリギリ和了を諦めてチーして形テンを取りそうです。
親が張っているかはわかりませんが、運が良ければ流局時に加点して差を縮められます。
ただ微妙な判断なので重要度はCで。
15巡目
カテゴリ:押し引き、リーチ判断
重要度:B
打ち手:ダマ打西
かにかま:リーチ打西
ニシキ:リーチ打西
ガンマ:ダマ打西
先ほどのスルーが功を奏し、リーチ者の現物待ちでテンパイしました。
ニシキはリーチですがガンマはダマとしています。
まず、リーチ者の現物含みの良形待ちについてですが、これが平場の場合、ダマで3900以下ならリーチ、5200以上はダマがセオリーとなります(『知るだけで強くなる 麻雀の2択』p.140より)。
今回はダマ3900のため通常はリーチ有利ですが、残り巡目も少なく待ちも3枚見えのためダマに傾きます。
ただし現状ラス目かつ、ここで上家以外からロンしてもラス目のままなので、加点を考えるとリーチに寄ります。
最終的には自身のスタイルの問題にもなりますが、私はリーチを推奨します。
ここでダマにするということは、「これ以降の別の局面で更なる加点が必要である」ということでもあります。
ただしそれは牌効率や押し引きにミスが少ない人ほど有効な戦略でもあります。
ミスの多い人は、本当は和了れる局面でも和了逃しをしてしまいがちだからです。
そのため自分の和了る力に自信がない内は、「和了れるときに高打点を和了る、ダメだったら諦める」の二極化戦略が有効となります。
ここでリーチして満貫を和了れればこの半荘がだいぶ楽になるので、覚悟を決めてリーチしてしまいましょう。
東4局0本場-東家-22500点-ラス目
3巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打8m
かにかま:打9s
ニシキ:打9s
ガンマ:打9s
前局に3900を和了り親番を迎えました。
早速カンドラが乗りドラ2一向聴の好手牌です。
ここはテンパイの受け入れ枚数最大の9sを切ります。
上でも話したように899や889からのペンチャン固定は基本的に悪手なので控えましょう。
889mを残しておけば6p引きで9mを切り8mを雀頭に出来たりもします。
また6789sも連続形ではあるものの、そこまで強い形ではありません。
一向聴は変に捻ったり外したりせず、テンパイまでの受け入れ枚数を最大に取り最速でリーチをかけましょう。
南1局0本場-北家-22500点-ラス目
7巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打7p
かにかま:打8s
ニシキ:打8s
ガンマ:打8s
副露手ですが、牌効率は門前とさして変わりありません。
36mを立て引きしたときに67pを良形ターツにできるので7pを残します。
8sは7sを引ければ嬉しいですが、9sを引いたところでペンチャンとなり嬉しくないですし、7sのためだけに残すのは他と比べて枚数的に価値が低くなります。
南2局0本場-西家-23600点-2着目
1巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打發
かにかま:打南
ニシキ:打南
ガンマ:打南
よくある連風牌と通常役牌の比較です。
自分にとってはどちらも一翻ですが、南家に鳴かれると2翻役となります。
南家が重ねる前に切りとばしましょう。
長期成績にそこまで影響するものではないものの、頻出かつ別段難しいことでもないため重要度はAとします。
いつでも南を切れるようになりましょう。
3巡目
カテゴリ:牌効率、安牌残し
重要度:A
打ち手:打7p
かにかま:打中
ニシキ:打中
ガンマ:打中
ドラ3でターツも足りていますが、愚形を含むためもう少しほぐせるのが理想です。
こういうときは孤立の中張牌を残し、上手く横伸びしたら5mの対子落としも視野に入れます。
赤を切ったとしてもメンピンドラ2なら7700あります。
南3局0本場-南家-23300点-3着目
4巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打9p
かにかま:打2p
ニシキ:打2p
ガンマ:打2p
9pを残すことで、7pを引いたときに6pを雀頭にできます。
雀頭のない手は不安定になるので、どこで雀頭を作るかはいつも意識しておきましょう。
5巡目
カテゴリ:牌効率
重要度:A
打ち手:打7s
かにかま:打2p
ニシキ:打2p
ガンマ:打2p
引き続き雀頭のない状態です。
6sをツモったときに147sの多面張になる可能性や、1sを切ってタンヤオに移行する展開を想定しておきます。
ターツは足りていて、3pも2枚切れ。
2pのくっつきにあまり期待できないのでサクッと見切ってしまいましょう。
南3局1本場-南家-22000点-3着目
6巡目
カテゴリ:副露判断
下家の1sをポンするか
重要度:A
打ち手:スルー
かにかま:ポン打白
ニシキ:ポン
ガンマ:ポン
染め手ですが、ターツが不足しています。
染め手はただでさえ有効牌が少ないため、鳴ける牌は積極的に鳴いていかないとテンパイすら取れません。
1sをポンしても、更に147sを引けば雀頭はできます。
ポンして切る白は既に2枚切れのためロスにもなりません。
南3局の3着目で余裕も全然ないので、全力で鳴いていきましょう。
8巡目
カテゴリ:押し引き、押し返し
重要度:B
打ち手:打發
かにかま:打白
ニシキ:打白
ガンマ:打白
ラス目の下家からリーチが来ています。
發は下家の現物ですが1枚切れです。
白は現物ではありませんが、2枚切れのため国士か地獄単騎以外に当たりません。
ここで下家にツモられるとラス目でオーラスを迎える羽目になるので、ギリギリまで粘りたい局面です。
何でもかんでも切りとばしていいというわけではありませんが、2枚切れの字牌くらいは通して發が重なるチャンスを逃さないようにしましょう。
南4局本場-東家-19900点-ラス目
3巡目
カテゴリ:副露判断
上家の2pをチーするか
重要度:A
打ち手:チー打8m
かにかま:スルー
ニシキ:スルー
ガンマ:スルー
ラス目で迎えたオーラスですが、役牌とドラ2がありまずまずの配牌です。
親満や連荘でトップも見える局面ですが、この2pはスルーします。
まず5pがあるため、鳴いても特に速度が上昇しません。
また13pで鳴いていることから、5pを雀頭にすると最悪の場合ドラの4pが出ていきます。
無理にでも染め手にして親満を和了りたかったのかもしれませんが、まだ序盤ですしもう少しツモを見ましょう。
上手く染まらなければ、5800でもいいのでまずはラス目を脱出して連荘することを考えます。
検討対象は以上です。
総評
優先度A
愚形フォロー牌を切り愚形を固定している箇所が何ヶ所か見受けられました。受け入れ枚数が半分近くになってしまうためなるべく残しましょう。
字牌を残して受け入れを狭くしている局面がありました。和了率に自信が持てるまでは安牌は残さずぶくぶくに構えましょう。
優先度B
ベタオリの手順を徹底しましょう。牌ごとの安全度を理解し、一番安全な牌から切りましょう。
中盤以降に危険牌をラフ押ししている局面がありました。中盤以降は他家との相対速度を意識して立ち回りましょう。
以上です。
この度はご依頼ありがとうございました。
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