それは本当に妻のための手伝いか
私は妻を手伝っている、と夫はよく言う。
イクメンもすっかりスタンダード。しかして少しギクシャクしているふうに感じている夫婦も多いのではなかろうか。
この文章は夫目線からの注意です。
私も、去年の、少し前まで、妻のために家事を手伝っている、と言っていました。
なのにしょっちゅう突っかかってくる。家事を手を抜かないのはあいつのせいで、俺のせいで自分が大変だとか言うのはおかしいとか言っていました。
モヤモヤした気分のまま、家庭生活が流れ、カチンとくることがしばしばありましたが、たまに大きな声を出してしまい、子供を泣かせることがあり、これはまずいと。
私の見立てですと、妻は「侮辱の傷」という名のトラウマを持っています。これは、1〜3歳ごろ、主に母親によって目覚めさせられる傷で、彼女の場合、お風呂場で臭い、汚いと言われていたのがきっかけのようです。
侮辱の傷を持つ人は、もう侮辱を受けないよう「マゾヒストの仮面」を身につけます。このことにより、普通の人に比べて非常に多くのことを背負い込むのです。
妻は家事を一人で全部やろうとします。私が洗濯物を畳もうとすると、畳み方が違うから私がやる、お皿洗いをすると、洗い方が悪いから私がやる、何かと理由をつけて手伝わせないように。
そんな中、スキマ家事を見つけてそれを行う、というのがこれまでの私の戦略でした。しかし、気がついたのです。
この家事、当然妻は喜びません。妻の仕事が楽にもなりません。なぜなら、
私が妻に、ほら、こういうやり方の方が効率的でしょ、と見せびらかす家事だったのです。
私は私で、妻とは違う傷があり、それがうずいてやってしまっていました。妻の家事は間違ってはいないです。ただ、働きすぎなので、少しスピードをゆるめてほしかった。
そこで、手伝い方を変えてみました。やっていることはあまり変わりません。ただ、彼女に対する思いやりを甦らせただけです。
これを読まれた方の奥さんが背が低かったり、丸々としていたりしたら、同じ傷を持っているのかもしれません。
侮辱の傷を持っている方は、ゆっくりとした対応がうまく合います。
もし、うちもそうだな、と思う方がいれば、あまり急かず、のんびりと傷が癒えるのを信じて、奥さんのためを思いながら、彼女のサポートができているか、をチェックしながら家庭生活を送ってみるのもよいかも知れません。