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東大専門予備校に通った感想

7年前に河合塾本郷校で1年間の浪人生活を過ごし、東京大学を目指した事がある。
結果としては、早稲田大学に入学した。

東京大学を目指したのは、高校で浮かれながら過ごしているしょうもない部類の人間達とおさらばしたいという思いがあったからだ。
諸事情により、両親は私が大学に行かないかもしれないと思っていたので、大学を目指すと言うだけで喜んでもらえるようなプレッシャーの少ない環境であったことも私を受験に前向きにさせた。

現役時代と浪人を終えた時の成績は同じ位だった。
浪人時代勉強をしていた当時の私にとっては衝撃的な話なのだが、この不思議について7年越しに訳が分かった気がしている。

社会人になって営業をし、客から日銀の方向性が云々とか言う質問を振られ、正直こちらもあまり詳しいことは知らないので、最近の流れはこうですねなんてストーリーを筋道立てて話していた(正直このストーリーも比較的デタラメなのだが)。
自分で話しながら疑問に思っていた点を帰りの電車で調べていると、大枠だけは頭に入っているのでスルスルと知識が入っていった。この大枠を理解した上で細部を勉強していく方式で勉強していればもう少しの伸びがあったような気がしている。
実際予備校のラウンジで、ストーリー知識披露を楽しんでいた人は割合合格していった印象だった。
受験生時代は、焦りの感情から、急いで細かい知識を詰め込むことに全神経を集中させていた。例えば当時の私が日本史のビデオを見たとすると、見終わった頃には時代の雰囲気や流れではなく、出てきた人物名とその偉業の内容が羅列していたノートが出来上がっている事が予想される。
この勉強は、全ての知識が詰め込まれない限り入試の出題傾向を掴めないと言う弊害と、その結果何の知識が身についていないのか把握しにくいという弊害に繋がっていた。

東大専門予備校は必ずしも勉強の仕方を一から教えてくれる場所ではない。
現役時代の劣等生の成績を引き上げる場所ではなく、現役時代の優等生を集めて勝手に受験させ、合格数を稼いでいる場所である。
一方で、現役時代あと2点で落ちましたみたいな人に何人も会える。そういう人と出会える場としては素晴らしいなと思う。
それから浪人生活は大変である反面、自分の世界に浸れる時間でもあり、とても良い時間ではあったとも思う。


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