年金目減り ◆百年も安心なんてウソだった!




物価上昇が続くなか、国の年金の引上げが不十分なため目減りが続いています。昨年の消費者物価上昇率は前年比2.7%なのに、厚労省発表の25年度の年金改定率は+1.9%で、物価の伸びを引いた実質では年金は0.8%のマイナスです。
アベノミクス以降24年までは7.8%の目減りでしたから25年を加えると8.6%もの目減りです。

 年金額は、前年物価の伸びに合わせて上げるルールに従えば2.7%の改定率とすべきところです。しかし厚労省は、過去の賃金の平均の伸び率が2.3%と物価上昇を下回ったため、年金も賃金の伸び率に合わせて2.3%とした上で、さらに「マクロ経済スライド」により0.4%を差し引いたため1.9%の改定率とする訳です。
 マクロ経済スライドの導入時、政府は「百年安心できる」と言いましたが、実は将来の年金財政の安定を口実に年金改定率を抑える仕組みです。国民の暮らし安定のためにすべきなのに逆立ちです。 
◆ホントです「百年安心」政府には!
  低年金者ほど目減り
 年金目減りは高齢者特に低額の人ほど長く打撃となります。公的年金の「財政検証」(昨年7月)によれば、厚生年金の2階部分である報酬比例年金のマクロ経済スライドによる調整は今後2年以内に終了します。一方、基礎年金(国民年金)では最悪の場合、33年続く見通しです。
 基礎年金だけの低所得者の場合、最大で実質3割も目減りする計算です。現在月額6.8万円の基礎年金が、実質4.8万円程度まで減ることになり、とても生活できません。
 低額の人ほど目減りする点について、厚労省は「問題がある」と認めざるを得ず、巨額積立てのある厚生年金の財源を一部活用することで、基礎年金の目減りを早期に終了することを年金審議会に提案しました。
   改善案に財界と自民が抵抗
 ところが財界は「企業が払った保険料を国民年金加入者に使うのは問題だ」と言い、自民党議員らは「現行より国庫負担が増える」と抵抗。このため、先送りされる雲行きです。もし国庫負担を気にするなら今の高給者優遇を止めて保険料引き上げなど改善余地があります。
先進国では年金保険料の負担は事業主が労働者よりも高率が当たり前ですが、日本は1/2ずつの折半負担です。高齢化が進む日本では基本的には国庫負担を増やして憲法の定める通り「生存権保障」の責務を果たすべきです。
また、政府所管の年金積立金GPIFは246兆円(24/3)ですが、給付改善には使わず実質的には株式相場の支え役になっています。
かつて自民党は社会保障の財源確保のために消費税引上げが必要と主張したものの、実際の経過は、法人税率引下げの穴埋めとなりました。
  自助へと誘導
様々な面で国が果たすべきことをやらずに来て自助の方向へ誘導を強めています。2001年から導入した確定拠出年金は今では企業が本来の退職年金と切り離し、個人責任で積み立てるiDeCoなる制度を税優遇付きで岸田政権の資産運用立国の掛け声で拡充を図っています。新NISAと併せ投資額が米国などに向かい円売りドル買いを増やし円安の要因ともなり日本経済に寄与しないことになっています。年金は複雑で分かりにくくされてますが煙に巻かれないよう、読むべき新聞を読んで草の根から突き上げる必要があります。
次のサイトは「赤旗」記事で、クリックして読めます。

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