HEADBANG_ヘドバンVol.40 hanabie_花冷え。①
見えてきたのは、マツリとヘッツを含めたフロント3人の自信だった
現在、「花冷え。」は海外ツアーの真っ最中だ。ヨーロッパ各地で異常な盛り上がりを見せている動画を観て、胸を熱くしているファンも多いだろう。もはやワールド・ツアーともいえる今ツアーは、タイトルこそ違うが7月に行われた東名阪ツアーがスタートと言ってもいい。28日に渋谷WWWで開催された東京公演は、2日前の28日ジャー・デビューした直後のライヴということもあって異常な盛り上 がりとなっただけでなく、ついに世界へと旅立つ4人の姿が非常に頼もしく感じられるひとときとなった。さらに個人的には、彼女たちの成長におおいに驚かされるステー ジでもあったのだった。
「花冷え。」というバンドは今、多くのメタル・ファンが認める勢いがあ り、パフォーマンスにもこういう時期特有のマジックがかかっている。 しかし、ちょっと前まで、自分には4人のパフォーマンスが良くも悪くもライヴハウス・レベルに収まっているように見えていたし、ステージ運びがスムーズでない場面があると感じていた。
素晴らしいバンドなだけに「もったいない!」と。
だが、この日は違った。上記の懸念点がすべて解消されていたどころか、4人は自分のような凡人の想像のはるか先へと駆け抜けていたのだ。チカが新しいドラマーとして5月に加入したあと、アルバム『来世は偉人!」のレコーディングと大規模なプロモーション活動の合間を縫って、幾度となくスタジオに入ったことだろうし、個人練にも励んだだろう。しかし、WWWで4 人が見せたものはそれだけでは説明のつかない成長だった。感動的ですらあった。
まず全体的に感じたのは、バンドとしての安定感だ。新体制になったばかりだというのに、なぜこれが実現できたのかと一瞬不思議に思ったが、むしろこの新体制が今の「 花冷え。」にガシッとハマっている。 彼女たちの楽曲には複雑で変態的な構成のものがかが、チカの安定したドラミングはどんな展開にも的確に対応している上に、ベッツのベースと共に強烈なグルーヴを生み出しているのだ。特に「Warning!!」や「今年こそギャル~初夏 ver.~」は、音源で感じられる超展開がいい意味でごく自然な流れに落とし込まれていた。これはメリハリのある演奏と前のめりなグルー ヴのなせる技。しかも彼女は演奏面だけでなく、MCにも積極的に 参加していた。東名阪ツアー前に行われた本誌掲載のインタビュー ではまだ遠慮がちな場面が見られたが、この日のステージでの堂々と した姿にはホッとしたと同時に、もうこんなになじんでいるのかと驚いた。「ヘドバン』のトーク・イベントをきっかけに〈チカ様〉と呼ばれる ことが増えているが、おしとやかな雰囲気に秘められたハートの強さが実に頼もしい。
ステージ運びの面で影響力を発しているのはユキナである。過去にはブロックとプロックの間をつなごうとしているように見えることがあったのだが、この日はステー ジを仕切るというよりも、この場をのびのびと楽しんでいる様子が伝わってきた。彼女はそれと同時にフロアの空気を敏感にキャッチし、 臨機応変に先する。もちろん、実際に楽しかったのだろう。でも、それ以上に見えてきたのは、マツリとヘッツ を含めたフロント3人の自信だった。
この日は明確に スタート地点だった。 ここからすべてが 始まっていくと 強く感じさせた。
晴れてメジャー・デビューを果たし、ファン層が拡大し、大規模な海 外ツアーを控え、さらにこの日の時点ですでに数ヵ所がソールドアウ トしているという事実が、世界規模で活動していくバンドとしての自覚を彼女たちに芽生えさせたのだろう。言い換えると、これらのことがバンドのポテンシャルを一気に 引き出したのかもしれない。ヘッツ もマツリも実に自由だった。ステー ジが上がる。壁を破る、垢抜ける・・・・・といっ飛脚をいみするあらゆる表現か今の「花冷え。」にはあてはまる。
バンドって短期間でこんなに成長するものなのか。 本当にすごい。
今の花冷えの強さを特に実感したのは、後半に「TOUSOU」「お先に失礼します。」をぶち込み、「Wano TIE-UP」を挟んだあと 「Today's Good Day & So Epic] で本編を締めた流れ。最新の楽曲群を中心にフロアを沸騰せたままステージを終えられるのだなんて強さしかないだろう。ここのロックに「花冷え。」の今が凝縮されていたと言ってもいい。
ちょっとした小ネタも書き留めおこう。気づく人だけ気づいていたのは、バンドの活動を支えるマ ジャー・浅田氏もクラウド・サー に参加していたこと。怒濤のプロモーションとワールド・ツアーを支えれ日々はかなり大変なはずだが、 この日のライヴは彼にとっても手応えのあるものだったのだろう。微笑ましくもグッとくる一幕だった。
華々しいメジャー・デビューと圧倒的なツアー・ファイナル、並のバンドならそれはちょっとしたゴールである。そのことを否定するつもりはないが、「花冷え。」は並のバンドではない。それゆえ、ユキナもMCで言っていたが、この日は明確にスタート地点だった。ここからすべて が始まっていくと強く感じさせた。 冒頭でも書いたように、今、「花冷え。」 はヨーロッパでぶちかましている。 我々が誇りに感じていた「花冷え。」 は、今や世界中のメタル・ファンの誇りになろうとしている。本ツアー に参加できたことはこの先、今感じている以上にファンにとって自慢になるだろう。11月24日にSpotify O-WESTで開催される日本凱旋ワンマン・ライヴ 「ONEMANSHOW 2023 ~おかえりジャパン~」 では、一体どんな姿を見せてくれるのだろうか。これはもう、本当に想像がつかない。そして、想像がつかないことがとてもうれしい。
――インタビューが始まる前、メンバー同士のちょっとしたやり取りを見ていて、チカさんがだいぶなじんでいるように見えましたよ。
💚Chika:あ、そうですかね(笑)。でも、だんだんとなじんできてるかなとは思います。
――他の3人的にはどうですか。
💙Matsuri: それぞれご飯に行ったり、 ヘッツはチカの引っ越しを手伝ったりして、密な時間を過ごしてますね。 チカはおっとりしてるんで、こっちはいつも話を聞きながら「ふぅん(笑顔)」ってなります(笑)。
――あはは!
💗Yuklna:「そうだねぇ~(笑顔)」って。 「チカ、アイス食べないのぉ?」「食べ ますぅ」みたいな。
💜Hettsu:ある意味、面白い風が。
💙Matsuri:ここの3人にはない要素が。
💗Yuklna:和ませるのが上手いとい うか。
💜Hettsu:でも、ふんわりした雰囲気 からいきなり一変するときがあって。
💙Matsuri:「虫だけは絶対無理ーっ!」
みたいな······まあ、でも、それは普通か。
💜Hettsu:虫対策はめちゃめちゃしてるよね。
――チカさんは3人の性格はわかってきました?
💚Chika:うーん、だんだん。
――じゃあ、マツリさんはどういう人ですか?
💙Matsuri:えー、こわい!
💚Chika: えー、第一印象と変わらず、 引っ張っていくタイプだなって思います。
💙Matsuri: お、よかった。マイナスになってなかった (笑)。
――ユキナさんは?
💚Chika:性格っていうのとはちょっと違うかもしれないですけど、ステージとのギャップがすごいなって思いますね。ステージから降りるとちょっと眠たそう(笑)。
💗Yuklna:あはは!
💙Matsuri: 意外とそんなに目を開いてないよね(笑)。
💚Chika:こんなに目がデカいのに(笑)。
――じゃあ、ヘッツさんは?
💚Chika:すごくお世話してくれます。
💙Matsuri:ママ気質あるよね。
――そういう自覚あります?
💜Hettsu:いやー、どうなんですかね。おせっかいじゃなければいいなっていう気持ちですね。引っ越したばかりでいろいろ必要だと思うから。一 緒に買い物に行ったり。で、自分もついでに買い物したりとか。
――さて、チカさんの話も大事なん ですけど、4月に脱退したサエさん の話も聞いておかないといけない など。
💙Matsuri:あるあるで嫌なんですけど、 方向性が違ったっていう。何回も話し合いを重ねたんですけど、まとまらないまま結果的にそうなっちゃった、みたいな。
💗Yuklna:考え方が違った。
💙Matsuri: それが一番しっくりくるね。 考え方が違いましたね。
💗Yuklna:すり合わせようと思ったタイミングもお互い違ったり。
💜Hettsu: 確かに。
💙Matsuri:すれ違いがけっこう重なっ て、取り返しがつかないところまで行っちゃったっていう感じでしたね。
💗Yuklna: でも、最後は「前に向かっ それぞれ頑張りましょう」みたい なことになって。
💙Matsuri:まあ、サエはサエで頑張っ てるし、花冷え。は花冷え。で今頑張ってるから。
――とはいえ メジャー・デビュー控えたタイミングでの出来事で、めちゃくちゃ焦りますよね。
💙Matsuri:そうなんですよ!
💗Yuklna: そんなことまったく考えてなかったし、しかも短期間でいきな り起こったので、もう頭真っ白だっ たんです。「どう······すればいいの …………?」みたいな。でも、もうど うしようもなくて。
💜Hettsu: スケジュールは詰まってる から、とりあえず前に進まないとい けないし。
💙Matsuri:でも、悲しさはもちろんあ りましたけど、マインド的には活動を止めるっていう考えはなかったので、「じゃあ、はい!どうしよう!」 みたいな感じで話し合いを始めて、いろいろ話を揉んでるときに(チカのほうを見ながら)現れて(笑)
💗Yuklna: 半分あきらめてたんですよ。すぐに新しい子を入れて海外に行くことも、デビューすることも絶対 に間に合わないと思ってたから。
💙Matsuri: タイム感的に無理だと思ってた。
💗Yuklna:でも、現れてくれた(笑)。
――いきなり目の前に現れたみたいな言い方してますけど(笑)
💙Matsuri:ヒーローが(笑)
――サポートを入れることも考えてたんですか?
💗Yuklna: サポートでいくしかないと 思ってました、正直言って。
💙Matsuri: けど、いろいろ考えるとやっばりデビューまでに正式メンバーが 揃ってるほうがいいだろうし、とかいろいろ考えて。でも、時間的に間に合うのかとか、何よりもまず引き受けてくれる子がいるのかっていうのもあったし、今後のスケジュール 説明したときに「OKです」って言ってくれる子なんていないんじゃないかと思ってたんですよ。でも、全部やってくれてやってくれて(笑)。
💚Chika:頑張りましたぁ (笑)。
――新メンバーはみんなで探した んですか?
💙Matsuri: そうですね。サエちゃんが 抜ける話が落ち着いてから、マネージャーとか他のスタッフさんに相談したり、つながりがあるところに声掛けして、「こういうジャンルのバンドなんですけど、やってくれそうな子いませんか?」って、うわぁ〜って探して、何人か実際にプレイを見させてもらったんですよ。その中の 1人がチカで、サポートを1本頼ん でからちょいちょいスタジオに入ったり、連絡を取り合うようになったって感じですね。
――ピンときたポイントはどこだっ たんですか。
💙Matsuri: 最初、チカのプレイを見た のは私とマネージャー、スタッフさんだけで、そのときに撮った動画をあ とで2人にも共有したんです。最初に少し喋ってからドラムを叩くっていう流れで、喋ってるときはすごく温厚でゆったりした感じだったので、このジャンルだとC-GATEが好きってことだったけど「これでどんな感じに叩くのかな・・・・・」って思ってたんですよ。でも、実際にプレイが始 まったら、まずとにかく音がデカくて。 ドラムに限った話じゃないですけど、 1音目で持っていける人と持っていけない人っているじゃないですか。 このときに1音目で持っていったのが、私的にはチカだったんですよ。
💙Matsuri: その日は「お先に失礼しま す。」と普段から叩き慣れてる曲を 叩いてもらったんですけど、どっちもめちゃめちゃ良くて。特にスネアの鳴りが良かった。
💜Hettsu:あとで動画とか写真をみんなで見てたんですけど、全員一致 で「この子、めっちゃいいじゃん」って。 これまで女の子のドラム・プレイに 対して持っていたイメージがかなり覆されるぐらいパワフルでした。
💙Matsuri:しかも、パワフルだけど、め ちゃめちゃキレイなんだよね。
💗Yuklna: あと、キレもいいよね。 「バ シッ!」って。
💜Hettsu: 「ここ!」ってところに的確 バーン!」ってきてくれる。
💙Matsuri:グルーヴがなくて機械的ということはないんですよ。
💜Hettsu: そこはすごく男勝りな性格と根性のなせる技というか。でも、 やっぱり女の子なんで、ちゃんと女の子らしいところもあって。
💙Matsuri:そこも武器だよね。
💗Yuklna:さっき、私のことをギャップがあるって言ってたけど、チカも普段はふわぁっとしてるけど、ドラムを叩いた瞬間にすごくギャップがあります。
💜Hettsu:叩き方もカッコいいよね。
――チカさんとしては、オーディショ ンに参加したときはどんな気持ちだったんですか。
💚Chika: ライヴより緊張しました。結構間違えたし。でも、変に取り繕うんじゃなくて、プレイするときら話をするときも、そのままの自分を見せるつもりでいました。
💙Matsuri:今ので思い出しました! チカを選んだ決め手がもうひとつ あって、「最後に一言ありますか?」っ て聞いたときに、「私を選んでください!」って言ったんですよ。
――おお~っ!
💗Yuklna: え~、知らなかった〜!
💙Matsuri: 他の子もすごく良かった んですけど、言葉を選ばずに言うと、チカぐらいがめつい子が欲しくて。他の子は普通に「お願いします!」みたいな感じだったんですけど、どストレートに「私を選んでください!」って言われて、「やるなぁ!」っ て(笑)。
―それはチカさんのイメージとは違う言葉ですね。
💙Matsuri: ぽわぽわしてる子が悩んで悩んだ末に出してきたのがその ワードだったっていう(笑)。
💗Yuklna:なかなか言えない言葉ですよね。
――チカさんはどえいうつもりで
の言葉を選んだんですか?
💚Chika:「最後に一言」って言われた から、「すごいこと言わなきゃいけない・・・・・何を言おう・・・・・・インバ クトあることを言おう!」と思って言いました(笑)。
💙Matsuri:そういうことだったんだ! (笑)
――ところで、チカさんの音楽的な ルーツは何ですか? 先日の『ヘドバン』主催のトークイベントではスピッツと言ってましたけど。
💚Chika: スピッツ、 ONE OK ROCK、 SEKAI NO OWARI、ですかね。
💜Hettsu:あと、こないだ入手した情報によると、ジャズセッションが好きみたいです。
💚Chika: ああ〜、ジャズを観るのが好 きです、自分はできないですけど。
―へぇ~! チカさんは以前か プロミュージシャンを目指していたんですか?
💚Chika: そうですね。中学1年生のと きに幼なじみとガールズ・バンドを 組んで、その頃から「バンドで売れるぞ!」ってみんなで言ってました。今思うと、中学生で子供だったからそんなのしっかり考えてはいなかったんですけど、中学生なりに本気でした。でも、そのハンドが校3年生の夏に解散して、そのときに「バンド辞めるかな」って思ったことがありました。
――6年も続いたんだ。
💚Chika:で、バンドを解散する前から 専門学校に行くことを決めていて、「ドラムの先生になるために学べば いいか」と思ってたらまた別のバンドに誘われて、結局、専門に入学する前にまたバンドを始めたんです。
――表舞台から裏方へ・・・ってなる と全然違うじゃないですか。結局、 専門学校ではドラムの先生になることを意識した勉強をしたんですか。
💚Chika:ただ、先生をやりながらバン ド活動もするつもりでしたね。
たと
――で、卒業してすぐに講師になっ
💚Chika:高校生の頃から「バイトでいい から先生にならない?」って言わ れてたんですよ。ただ、そのときは自信がなくて断って。でも、専門である程度は学べて自信もついたので、「やっぱりやろう」ってことで講師になりました。
――高3で講師に誘われるって相当上手かったんじゃないですか? 地元で噂になったり。
💚Chika:バンド名は知ってる、みたいな。 面識のない人からも「知ってるよ」っ て言われたことはあります。
――どんなバンドだったんですか?
💚Chika:コピーとオリジナルのどっち もやってたんですけど、歌モノですかね。ポップな感じ。
――で、そこから「花冷え。」加入につ ながるわけですね。初ステージは今 年5月に行われた「肉フェス」でした。どうでしたか?
💙Matsuri: 野外だったんでちょっと特殊でしたけど、安心感はすごくありました。しっかりスタジオに入ってからのライヴではなかったんで「緊張してるだろうな」とは思ってたけど、 どっしりしていて。
💜Hettsu:もうなんか、出番前にステージで セッティングしてるときに、ドラムのほうを見た時点で「いい!」って。 「この子とやりたい!」って思いましたね。
この子と花冷え。ができたら未来が明るくなるだろうなというか。
💙Matsuri: そうね。資料用に撮ってい た映像をライヴ後に観たときに、「これじゃん!」って。バンドって、技術ももちろんですけど、華やかさもかなり大事だと思ってるので、そういうのも含めてめっちゃいいなと思いました。
――めちゃめちゃ上手いからといっ 職人的な感じではなくて、ちゃん と見せ方もわかってる。
💙Matsuri: 職人気質っぽいんですけど、 自分のプレイに集中しすぎることがないし、華やかさもあるし、緊張でアガってリズムが走ることもない。
💗Yuklna:だからかわかんないですけ ど、「肉フェス」のときに思ったのは、 いい意味でドラムが気にならないと いうか。まだ数回しか会ったことな いし初めてのライヴだったから、私も不安だったんですよ。でも、気づけばあっという間に終わっちゃって、よく考えたら「ドラム大丈夫かな?」 とか全然思わずにヴォーカルに集中できてました。
――何も考えずに、うしろをまかせ ることができた。
💗Yuklna:そうですね。
💙Matsuri: それは大事なことですね。
――チカさんは今の話を聞いてどうですか。
💚Chika:「えぇ?本当ぉ?」って感じ(笑)
💙💗💜💚全員:あはは!
――でも、自分としては、やるべき ことはやれたっていう気持ちはあったわけですよね ?
💚Chika:そのつもりではいましたけど、やっぱり緊張はあったし、「心配されてるだろうな」って思ってました。
💜Hettsu:緊張してるように見えないんだよね。
💙Matsuri:見えないね。
💚Chika:ライヴが始まる前は緊張しましたね。
💗Yuklna:でも、始まったらもう、「スンっ!」って。それで私も「これは任せられるな」って落ち着けた。最初は「大丈夫かな? なんか手伝おうかな?」ってソワソワソワソワ(笑)。
💙Matsuri: この日は転換の時間が全然なかったんですけど、チカはあんまり焦ってなかったですよ。
💚Chika: え!? 焦ってるつもりで したけどね。「時間がない! ヤバ い!」って。
💙Matsuri: もちろん、いい意味でね?焦ってるのがお客さんから見えるのもあんまカッコよくないし。でも、焦りつつも「ドン!」と構えて準備してたから、「おぁ……肝が座ってるな・・・・・」って思いながら見てた(笑)。
――じゃあ、その後の町田での加入 発表ライヴも落ち着いてできた?
💚Chika:いやぁでも、町田は緊張してたかなあ。
💗Yuklna: 結構緊張してたね。加入発表もあった上に、昼夜2ステージだったから。しかも、時間がないのに覚えてもらわなきゃいけない曲が多かったし、ちょうどレコーディングも重なってて。アルバムの曲と2ステージ分の曲を一気に叩き込む、みたい な(笑)。
💜Hettsu:2週間くらいで十何曲って!
💗Yuklna: レコーディングでは1日2曲録って、ライヴのリハ入って、みたいな感じで。
💙Matsuri: しかも、それを浜松から東 京まで通ってやってたから、さらに大変だった。
💗Yuklna: でも、それを全部やり遂げたっていうのは、「私を選んでください」っていう言葉のとおりだなって。言うだけじゃなく、めちゃくちゃ無理なスケジュールでもちゃんとやりきってくれて。「本当に大丈夫かな?」って心配してたんですよ。パンドに入ってくれただけでもめっちゃ嬉しいけど、こんなめちゃくちゃなケジュールがいきなり入って、「本当ごめん!」って(笑)。
――言われてみれば、たしかにめちゃくちゃですよね(笑)。
💗Yuklna:めちゃくちゃだったけど全部やってくれました!
――そして、町田で「花冷え。」加入が 発表され、次のライヴがZepp NAGOYAでそこから今度は幕張メッセでの「SATANIC CARNIVAL」でした。 これはどうでしたか?
💗Yuklna:ステージに立つまでは、「これは夢なのか現実なのか……」「 え、このバンドの楽屋がこんな目の前 ……」みたいな(笑)。本当に心がふわふわしてたんですけど、ステージ に立ってお客さんを目の前にした瞬間に、「SATANICに立てたんだ」 「こんなに自分たちのことを待ってくれてる人がいなんだ!」っていろんな感情がギュってなでて「ああ、もうこれはやるしかない」ってすごく気合いが入って、めちゃくちゃ楽しかったです。
――マツリさんはどうでしたか。
💙Matsuri: (花冷え。が演奏した) EVIL STAGEって、ステージのうしろに電飾があるじゃないですか。SATANICは高校生のときにユキナと観に行ってたんで、リハであれを見たときに「ここでやるんだ……!」っ 実感しました。で、いざ本番で音を出してみたら、緊張がなくなって、 終始楽しくできて。トッパーだった のに奥までお客さんがいてくれたし、 みんな爆発してて、とにかく楽しかったです。
💗Yuklna:SATANICはコロナがあったことで会場が変わったけど、今回また幕張に戻ってきて、いろいろと規制がなくなったっていう年に自分たちが出演できたことも本当にうれしかった。
――ヘッツさんはどうでした?
💜Hettsu: 2人と違って私はSATANICに行ったことなかったので、SATANICは想像のものでしかなかっ んですよ。どんなものなのか全然わかんない状態でステージに出てみたら、お客さんが多すぎて顔が全然見えないし、後ろの方の人なわて点だし、ってくらい人が詰まっていて、 「これがデカいステージなんだな、SATANICなんだな」って思いましたね。 でも、ステージ自体は結構なじみのあるサイズ感だったので、その辺はあんまり気にせずにできたんじゃな いかな。あとは、どれだけステージを 有効活用できるかを考えてた気がします。
――それでステージに出てきたとき に側転したんですか?
💙Matsuri:キレイな側転(笑)。
💜Hettsu: 直前に、「SATANICだし何 かやりたいよね」みたいな話をカメラマンとしてたら、「じゃあ、側転やれば?」って言われて。向こうは冗談で言ったと思うんですけど、私は 「やるしかないっしょ!」ってなって。
――ステージ裏で練習してましたよね。
💜Hettsu:でも、あの1回しかやっ なくて
💗Yuklna: 急に裏で、「あ!これならイケるわ!!」とか言って(笑)。
💜Hettsu: 転は昔から得意だったし、 いつでもどこでもキレイにできる自信はあったんですよ。
――あはは!
💗Yuklna:そういえば、学生時代にやってるのを見たかもしれない! やってたよね?
💜Hettsu:やってたかもしれない。でも、 SATANICではキレイすぎて小さく収まっちゃったなっていう気持ちもあるんですよ。
💙Matsuri: 反省(笑)。
💜Hettsu: 今度やるときは、もっとダイナミックにしたいですね。
――またやるんだ(笑)。
💜Hettsu:元々、大きいステージでダイナミックなパフォーマンスをしたいっていう個人的な目標があったんで、 それの第一歩を踏み出せて良かっ たなって。
――意外と武器になりそうですよね。 海外のフェスでやったら湧き
💗Yuklna:演奏中にやりなよ。
💜Hettsu:本当は演奏中にできるパ フォーマンスをしたい。楽器を持ったまま前宙とか。
💗Yuklna:ええ〜! 骨折るよ。
💙Matsuri: 怖い怖い(笑)。
💜Hettsu: ちゃんとトレーニングしてから! まあ、上手い具合にできることを探したいなって。これから自分らが目指すところが見えたような気がする。
――まさか側転からそこまでの言 葉が出てくるとは(笑)。そして、サ タニックのステージではメジャー・デ ビューを発表しました。まさかのソ ニーという大レーベルです。
💙Matsuri: バンド・サイドのマインドはあんまり変わらないけど、視野が広がったり、環境が新しくなることで 「こういうことをやってみよう!」っていう話も出てくると思うので、そういう挑戦し続けるつもりです。でも基本はあんま変わらず、やりたいことをやっていきます。
💗Yuklna:いろんな人から助けてもらって、やりたいこと、新しいこと、面 白いことをより大きな規模で、よりクオリティを高くすることでみんなに楽しんでもらえると思うと本当 に楽しみだし、どんどんやっていこうと思ってます。
💙Matsuri: 第二章って感じで。
💜Hettsu:でも、ソニーからメジャー・ デビューって、改めてデカいことな んだなって思いましたね。だって、デ ビュー発表して秒速でTwitterのトレンドに入りましたもんね。
――へぇ~! 昔ならまだしも、最 近ってメジャー・デビューすることがガーンと前に出ることってあまりないですよね。ぬるっとメジャーにいるっていうか。
💜Hettsu:ウチらはちゃんとやりたいっ ていうのはあったよね。
💙Matsuri: めちゃめちゃ言ったよね。 「ちゃんと派手にやりたいんですけど」って(笑)。
💗Yuklna:そういうことが、私たちが アンチノックとかで積み重ねている のを見てた人とか、自分たちの親とか友達とかそういう人に対するわかりやすい恩返しのひとつにもなると思ったので。
💙Matsuri:だし、若い子とかこれから バンドを始めようとしている人たちに、「このジャンルでもいけるんだよ」っていうのを提示できたのが個人的にはすごく大きいなと思って
💗Yuklna &💜Hettsu:たしかに。
💙Matsuri: 私たちの世代とか下の世代って、先輩の世代に比べるとバンドの数が少ないんでよ。だから、こういうジャンルでガールズ・バンドが好き勝手やっても、こういう未来があるんだぞっていうことを提示できたことは大きいし、それを見て「パンドやろう」って思ってほしいなって。
――なんか、マキシマム ザ ホルモ ンのナヲさんがステージ袖で花冷え。 のライヴを観てた、っていうツイートを見たんですけど。
💙Matsuri:私もツイートで見ました。
💗Yuklna: ライヴが終わったあとにナヲさんが帰っていく姿を一瞬見か けて、「もしかして観てくれたのかな?」と思いつつ、でも、あの日はナヲさんにとって大変な一日だったので、ご挨拶はできなくて。
――ああ、Hi-STANDARDでドラム を叩くという大役がありましたも んね。では、メジャー・デビュー・アルバ ム『来世は偉人!』の話を聞きたい と思います。まず、本当にとんでもないものを作りましたね。
💙Matsuri:嬉しい(笑)。
―本当にもう、「なんじゃこりゃ !!」でした。
💙Matsuri: それが一番嬉しいです。
――最初に聴いたときは?マークだらけで「今、俺は一体何を聴いたんだろるう?」みたいな。おもちゃ箱を ひっくり返したような感じですよね。
💙Matsuri:あ、まさにてーまがそれだったんですよ。ごっちゃごちゃにやりた いことを詰め込んで、おもちゃ箱みたいにしようっていうのは頭にあり ました。
💗Yuklna:あとは宇宙感だよね。
💙Matsuri: あ、そうそう。でも、それは 1曲目を作ってから決めたことかな。
――いろんなバンドが嫉妬すると思うんですよね。このアルバムはジャ ンルを飛び越えてメタルコアじゃな い曲もいっぱい入ってるし、ここま で好き勝手にやれるバンドはいないですよ。
💙Matsuri:そうですね。楽器の音が 入ってない曲まである(笑)。
――そうそう。本当に異常だと思あます。ヘッツさんの曲「我は宇宙 最強のインベーダーちゃんである」なんて、「なんでこの曲入れたの?」ていう。
💙Matsuri:そうですよね(笑)。なんか、 歌ってほしかったんですよ(笑)。
「我甘党」とか曲中でちょいちょいヘッ ツが歌う曲があるんですけど、そこでヘッツの魅力が最大限に活かされたとはおもってなくて。あれってあくまでも「花冷え。のヘッツが歌ってるパート」じゃないですか。そうじゃなくて、ただの「ヘッツ」として歌ってほしかったんですよ。だから、ヘッツは声も特徴的なので、めっちゃピコピコな曲で好きなことをやってもらって、楽器とか演奏しなくてもいいからそのままアルバムに入れちまおうと(笑)。
――この曲はライヴでもやるんですか?
💙Matsuri:ちょっとイメージがあって、すごくいい曲だし簡単にはやりたくないんですよ(笑)。お客さんが待ってるのはわかってるから、すっごいデカいステージでやれるようになったときに、美空ひばりさんのコンサー トとか紅白に出てくるようなすっごい演出で歌ってほしいんですよ。
💜Hettsu:そこまで考えてるとは思わなかった(笑)。
💙Matsuri:ヘアメイクも衣装もバッチバチにして、突然やりたくて。それが 野望(笑)。なので、この曲はヘッツ名義で歌ってると思ってもらえれば (笑)。
💜Hettsu: 花冷え。からはいったん離れて。
💙Matsuri:そう、そういうプロジェクトみたいな感じにしたら面白いだろうなと思ってたんで、ヘッツ色満載の曲になってると思います。歌詞もヘッツに書いてもらったし。私は大まかなイメージとサビ的なところは考えたけど、あとの肉付けはヘッツです。 MIDIだけ送って、「あとは自由に書いてください」って感じでやってもらいました。
💜Hettsu: ずいぶんキラキラした曲だ って思った。
💙Matsuri:好きなんだよね。そもそも 電波ソングが好きだから、それを自分が歌うんじゃなくて、そういうの が合う人に歌ってほしくて。
――マツリさん、前にインスタのス トーリーで「おすすめのテクノを教 えてください」みたいな投稿してま したよね?
💙Matsuri:あ、上げてました。あれは 自分の音楽的なボキャブラリーを増やしてた時期で。
――今回のアルバムを聴いて、その ことを思い出しました。あれが何ら かの影響を与えてるんじゃないか と思って。
💙Matsuri: 私も私で好きなものはあ るんですけど、どうしても自分の好みに寄っちゃうので、みんなの好みを知りたくて聞きました。
――この作品のリファレンスって何 かあるんですか?
💙Matsuri: 「この曲!」みたいなのはないんですけど、ピコピコ系の曲? さっき言った電波ソングだったりとか、アニメの曲だったりとか、歌が入ってないインストのトラックメーカー さんの曲とか、めちゃめちゃあります。 Neko Hacker KOTONOHOUSEさんみたいな萌え系のトラックメーカーをすっごい聴いてました。
そういうのを「花冷え。」でやったらおもろいんじゃないかなと思って、今までやってきた「 花冷え。」サウンドとごちゃごちゃっと混ぜました。だから 今回は電子音とかシンセがかなり 多いと思うんですけど、それは意図 的で、「花冷え。」がそういうジャンルになったというよりは、今回がそうい アルバムになったという感じです。
――ある意味ではコンセプト・ バムじゃないですか。
💙Matsuri: そういうイメージです。
――普通に考えると、今作はインディーズでやってきた集大成、そし メジャーデビューということで少 ゴージャスなアルバムになるんじゃないかと想像するけど、全然関係ないどころか飛び道具満載で「一体 どういうつもりなんだろう」って思いましたよ。
💙💗💜💚4人: あはは!
💙Matsuri:たしかに1枚目でね(笑)。
💗Yuklna:でも、メジャーのタイミングだし、海外にも初めて行くし、なんかもう、「世界に行くぞ! いや、宇宙に行くぞ!」みたいな。
――ああ~!
💗Yuklna: 宇宙っていうテーマはそういうところから来てますね。これを 持って飛び立つぞ、みたいな。で、「この曲たちが後世に語り継がれるようなバンドになりたい・・・・・・ 来世は 偉人!」みたいな。
――なるほど!
💙Matsuri:これ、裏話があるもんね。
💗Yuklna:そう。アルバムのタイトルをどうしようかって話になって、宇宙 がテーマだから宇宙っぽいタイトルにしたかったけど、「宇宙○○」みた いなのはありきたりだし、英語にするか日本語にするか、漢字かカタカ ナかでもすごく迷っていて。そうし てる中で2曲目の「超次元ギャラクシー」のボツになった歌詞に〈来世は 恋人であって、「これは?」って提案してもらって、ノリで「ああ、いいじゃん!」みたいな。
💙Matsuri:なんかさ、みんなあのとき 脳みそが溶けてたよね。
💜Hettsu:大喜利大会みたいになって た。
――あはは!
💙Matsuri: 何がウケるか、みたいな(笑)。 みんなおかしかったよね。
💗Yuklna: で、結構ふざけ散らかしてたときに「来世は偉人」っていうワー ドが出てきて、英訳したときに海外の人にもわかりやすいんじゃないかとかいろいろ考えた結果・・・・・・。
💙Matsuri:「もう、これでいこう」って(笑)
💗Yuklna:なりました(笑)。
――曲タイトルにも、やりすぎなん じゃないかと思うものがちらほらありますけど (笑)。
💗Yuklna: 本当はもっとひどかった(笑)。
――サウンド面はどうやってバランスをとったんですか?
💙Matsuri:私、曲を作ったあとに一度 寝て、次の日にまた考えるタイプな んですけど、制作期間中は常に自分のデモを聴いて歩いてるので、そこでやりすぎたと感じたときはどこかを削ったり、違う雰囲気にしてみたりして調整します。そのあと、ユキナとの制作を開始することでどうせ壊れるんで、なるべく自分的に はカッコいいに寄ってる状態にしておくと、ちょうどよくなるんですよ。
――それにしても、細かいところま でめちゃめちゃ凝ってますよね。うっすらいろんな音が鳴ってたりするじゃないですか。
💙Matsuri:今回は(田浦)楽さんだっ たり、NAMBA69のko-heyさんだったり、ゆっぺ(YUYOYUPPE)さんだったり、自分が日々コミュニケーションを取れる人たちと作業できたんですけど、こっちからやりたいことを伝えると、いい感じに盛って「これは どう?」って返してくれたりして、自分の理想どおりのものができました。
――その作業って、どんな感じで進 めるんですか? まず、ベーシックなアレンジな渡すところから?
💙Matsuri:そうですね。打ち込みとか シンセまで入れた状態で渡してにさらに加えてもらって、最後は引き算して終える感じです。
――じゃあ、ベースの部分はそこま で変わらない んですね。
💙Matsuri:大幅に変わった曲は今回はないですね。
💗Yuklna:キラキラ感が足されたり、 ゴージャスになって返ってくる。
💙Matsuri: それがアレンジの旨味なの で、最大限にやりたいことができま した。
――これまで、なんとなく花冷え。 のことをわかってるつもりでいたけ ど、今作を聴いて「本来の姿はこん なだったんだ!」って、なんか怖くなったんですよ。
💙Matsuri: 怖くなった(笑)。
――この人のことを理解してると思ってたのに、実はとんでもないも のを抱えてた、みたいな。それくらいの衝撃がありました。凡人の想像力でごめんなさい、っていう。これを聴いた人はたぶんそう感じると思います。絶対混乱する。
💙Matsuri:でも、うれしいよね。
💗Yuklna:混乱して混乱して・・・・・で、どんどん聴き込んでもらって(笑)。
――メディアにもこれを噛み砕ける人って、なかなかいないんじゃないかと思いますよ。
💜Hettsu:その辺は楽しみですね。
💗Yuklna:なんか、「もう無理だ~」み たいになってレコーディングしたものもあるけど、ほぼほぼゲラゲラ笑いながら作業してたよね。
💙Matsuri:その場の突発的なアイディアて入れたのもあったし。
💜Hettsu:本当に楽しく笑いながら作ってましたね。
――その空気感は詰まってると思 います。ところで、ユキナさんのヴォーカルの乗せ方って最初からかっちり決まってるんですか。
💙Matsuri:曲にもよるんですけど、大 まかに「こういう感じにしてほしい」 みたいなイメージだけいったん伝えて、 あとはユキナの想像で作ってきてもらいます。
💗Yuklna: マツリのサビが入ってるものをもらって、「ここからここはサビが来るんだなー、じゃあ、この辺は自分のパートだからどうしようかなー」って。歌詞のテーマも2人で全部決めて、自分で考えたりメモに書いたものをマイクの前でやってみて聴いてもらう、みたいな。
💙Matsuri:その場でユキナ的に「こうしてみたい」ってなることもありますし、逆に私から「ここはちょっと、こうやってみてほしい」とかもあんで、最終的に固める作業はその場で一緒にやります。
💗Yuklna: これはマツリが歌うサビも 一緒なんですけど、何パターンか持っていって、「どの歌詞でやろうか」とか考えたり。
💙Matsuri:その場にヘッツがいてくれ たりするときは、みんなの意見を聞きつつ。
💗Yuklna:ガヤをヘッツにその場で入れてもらったりとか。最後の曲「Today's Good Day & So Epic」も最後のパートは全部マツリが歌う予定だったけど、途中で「ヘッツが歌っ たら面白いんじゃない?」みたいな話になって。
💙Matsuri: 喉の調子が悪くて私が歌えなかった期間があったんでヘッツにMIDIを送って「これで歌ってほしい」ってお願いしたんですよ。
💜Hettsu:「仮歌だけお願いしてい い?」って。
💙Matsuri:で、その仮歌を聴いたとき に「これ、ヘッツが歌って私がハモっ たほうがいいんじゃないかな」と思って、結局そのまま本チャンでも歌ってもらいました。
――怪我の功名だ。それにして 3人歌えるって相当強いですよね 。
💜Hettsu: これからはチカにもガヤと入れてほしいですね。
💙Matsuri:今回は途中から制作に関わってもらったけど、次からはガッツリ一緒にやるんで、一緒な、何やってもらおうかな〜って考えてます。
💗Yuklna: ふわふわの声を入れたいよね。
💙Matsuri:なんかもう、朗読とかして ほしい。ふふふ。面白い感じにいい要素を追加できるだろうなって思ってます。
―チカさん的に今回のレコーディ ングはどうだったんですか。
💚Chika:すごい怒濤のスケジュールで。
💜Hettsu: 浜松から通いながら、しか も予定を詰め込まれ詰め込まれで。
💗Yuklna: 本当に時間がない中だったんで。3日で全部録り終える、みたいな。
💜Hettsu: もう、町田のライヴの3、4 日前くらいにレコーディング、みたいな。
💚Chika: 「この日、レコーディングするから」って数日前に曲をもらって、そ れを急いで耳コピして採譜してレコーディングしたって感じですね。ヤバかった、あれは。
――しかも、数々の変態的な曲を。
💙Matsuri:そうですねぇ(笑)。
――「なにこれ?」って思う間もな く叩くしかないって感じですもん ねえ。
💚Chika: いやなにこれ?」とは思いました(笑)
――それは思ったんだ(笑)。
💚Chika:さい採譜しながら、繰り返しがあまりないことに気づいて。
💜Hettsu: それは私もマツリから曲を 渡されたときに思いましたよ。曲を渡されるたびに、「何でそうなるの? ウソでしょ?」って(笑)。「全部違うんだけど繰り返してよ!」って。 意味わかんないことの連続です。
――クレームは入れないんですか。
💜Hettsu:家でひとりで「何でだよー!」って叫びました。
💙Matsuri:でも、ちゃんと弾けるようにしてきてくれるんですよ(笑)。
💜Hettsu:泣きながら練習してま(笑)。
――ユキナさんのヴォーカルですけど、 歌詞によって強弱とかニュアンスを 変えることはあるんですか。
💗Yuklna:そうですね。ここはシャウトじゃなくて変な声でやってみようかなとか、逆に全部シャウトのほうがいいかとか、変なクリーンの声を入れたり、自分で考えてやってます。
――それが、マツリさんが持ってき てこと? 曲をユキナさん流に壊す作業ってこと?
💗Yuklna:そうですね。私が壊します。カチカチにカッコいいものをどうやって私の力でキモくするか、みたいな(笑)。
――あはは!
💙Matsuri:そうね、意味わかんなくする。
💗Yuklna:自分の力でどう面白くするかっていう。実はちゃんとした意味がある曲だったり、あるキャラクターについて歌ってる曲だったら、そういう要素をめちゃめちゃわかりやすい形で入れたり。あとは、堅すぎたら、あえてギャグっぽい感じにしたり。
――それもユキナさんの中での「花冷え。」的なバランスというか。
💗Yuklna:そういうことを深夜に二タニタ考えて、次の日にレコーディ ングでみんなの前で歌って「何それー、どういうこと!(笑)」みたいな(笑)。そういうふざけたことを真剣にやって、みんなの反応を見るがすごく楽しいんですよ「次はどやって面白くしょうか」って。
――前から言ってますけど、コーラスの乗っけ方が本当な素晴らしいなた思っていて、今回だと「 Today's Good Day & So Epic」(Good Day) のところに変なコーラスが乗るじゃないですか。
💙Matsuri: 前も話したことがあると思うんですけど、これは「L.C.G」ぐらいのときに確立されたやり方で、たぶんみんな感覚的にやってるから明確に”これ”みたいなのはないんですけど、「ここは何か入れたほうが良くない?」みたいな感覚がみんなのなかでだいたい一致するんですよ。
それで、「もうちょいかわいい系で」 とか、「もうちょいキンキンした声で」 とか、「もうちょいふざけた感じで」 とかディレクションしながらみんなでワイワイやってます(笑)。
💗Yuklna:あのちょっとしたコーラスだけで何パターンも録って、「これは、また今度考えましょう」ってなったり(笑)。
💜Hettsu: めちゃめちゃ頭悩ませてる。
💗Yuklna:ああいうのがあるから、ある意味「花冷え。」らしくなるというか、 いろんな人にとって聴きやすくなってくるんだと思う。クリーンとシャ ウトだけじゃなくて、シャウトの抜け感みたいなのが生まれて。
💙Matsuri:そうだね。ポップでキャッチーになるもんね。
――以前「ヘドバン」のDJイベントのときにユキナさんなヴォーカルは
YUKIさんから影響を受けているという話をしていたんですけどマツリさんが影響を受けているヴォー カリストっているんですか?
💙Matsuri: 私は水樹奈々さんなんですよ。
――えぇ~っ!
💙Matsuri: 全然バンドは関係なくて。
――言われてみると納得です!
💙Matsuri: 私、中学生のときにずっとアニソンをカラオケで歌っていて、今もよくよく聴くんですけど当時は水樹奈々さんに特にハマってたんですよ。 歌のクセはたぶん、そこからなんですよね。歌い方とかヴィブラートのかけ方も声優さんが歌ってるアニソン特有のもので、キーが高いのもそこなんですよ。
――ああ~。
💗Yuklna:「どこまで上がるんでか?」ってぐらい上がるよね(笑)。
――メロに関してはどうですか?
💙Matsuri: 「Want to TIE-UP」 とかは自分の好きなアニソンのキャッチー さを思い浮かべて作ってたりするんですけど今まで作った曲の大半はオケが先で、オケの雰囲気に合ったメロディーをあとから作ってますね。ただ、ぼちぼちメロ先でいろいろ作りたいなと思ってます。今回だと 「Today's Good Day & So Epic」 メロが先でした。「こういう感じの イメージにしよう」って思い浮かべながらギターのリフをつけて。なので、 時と場合によって、どうメロディーを作るかは違うかもしれないですね。
――今の話を聞いてると、「日本でしか生まれない音楽」という「花冷え。」 に対する評価がより補強されていきますね。そりゃあ海外の人がバカ バカ反応していくわけだなっていう。
💙Matsuri: ゆうて、ここも全員オタク なんで、それも結構曲に出てると思います。
💗Yuklna:それぞれ好きなアニメとかあるしね。
――「花冷え。」サウンドの根っこにマキシマム・ザ・ホルモンがいるということはもちろん大きいと思うんで すけど、 BABYMETALみたいな存 がいることでこんなことができる、 という部分もあったりするんですか?
💙Matsuri:なるほど!どこか感覚的に影響はあるかもしれないですね。
――「音楽的なここまでやっちゃってもいいんだ」っていう。
💗Yuklna:ああ、それはあるかもしれないですね。
💙Matsuri: BABYMETALが先陣を 切ったイメージはあるので。
💗Yuklna: たとえば、「海外の人は日本語の曲でこんなに盛り上がって くれるんだ」とか、「BMのこの曲でこういう盛り上がり方をするってことは、自分たちの音楽もハマる人は絶対ハマってくれるんだろうな 」とか思いますし
――海外のトレンドってしま
💙Matsuri:チェックはしてます。 K-P OPなんかはかなりチャートインしてるし、 日本でもK-POPみたいなアイドルグループのプロジェクトが多かったりするし、トラックだけ聴くとバチバチだったりすることもかなりあるんで。
――取り入れるとかではなくチェッ しておく程度?
💙Matsuri:欲しいところは取り入れ けど、そのままやっちゃっても面白くないんで、「花冷え。」っぽい感 じでやるならこれかな、みたいな感じでちょいちょい入れたりはしてるかもしれないですね。
💗Yuklna: それこそヘッツの曲には 国語の歌詞が入ってるしね。
💜Hettsu:や、欲を言えばもうちょっ と入れたかったんですよ。でも、それくらいしか入れられる場所がなかったっていうか。そのパートに対して、「これ、 K-POPなんじゃないかな」って勝手に思って。
💙Matsuri: ああ、ヘッツの曲はわりか 露骨にそういう要素を入れたかもしれない。
💜Hettsu:「これはきっとK-POPだろ う」と思ったから歌詞に韓国語を入れてみたいなと思って。1単語しか入ってないですけど、ちょっと始めてみましたっていう。〈星〉って意味なんですけど。
――このアルバム、トータルで30分 もないんですよね。
💙Matsuri:そうなんですよ。
――めちゃめちゃ濃いのに。
💜Hettsu: 「乙女改革」でも30分超え てたんで。
💗Yuklna:「超次元ギャラクシー」と Warning!!」以外は短い。
💙Matsuri: 短い曲って好きなんですよね。途中でダレずに気持ちいい所で終われるように作ると、だいたい3分いかないぐらいになってる。
💗Yuklna: ライヴでも長い曲より短い曲のほうが、そこに命懸けようって気になるだろうし。「もっと聴いてたい」って思うぐらいのほうが楽しいよね。
💜Hettsu:同じ構成で繰り返しばっかりだと「1番だけ聴いて出ちゃおう」みたいに思われちゃうけど、どんどん構成が変わっていって曲もすぐに終われば、気づけば2曲目に入っちゃうから。
💙Matsuri: このアルバムも「あ、終わっちゃった……………!」みたいな感じで正 解かなって思ってますね。
💜Hettsu:で、また最初に戻って、ぐる ぐるぐるぐるいっぱい聴いてもらえたら。
――でも、密度が濃いから短さを感じさせないんですよね。花冷え。 はバンドのセオリーを崩してるじゃ ないですか。ここにギター・ソロを入れて、みたいなテンプレを全部崩してる。そこが素晴らしと思うんですよね。以前、「他と同じことにやりたくない」って話してましたけど、このレベルの話だったのかと。
💗Yuklna:カブりたくないのを突き詰めた結果ですね。
💙Matsuri:将来の自分の首を絞めてる(笑)。
――でも、「なんじゃこりゃ?!?!」って 言えるアルバムをこうやって聴けることはとても幸せですよ。
💗Yuklna:全然自覚はなかったですけどね。
💙Matsuri:でも、「メジャー行ったからって落ち着くと思ってんじゃねえよ」っ ていう思いはすごくありました。そういう事ってあるじゃないですか、 方向性が変わっちゃったり。でもそうじゃなくて、「もっと面白いことやるから聞いてみて!」っていう気持ちで作ってましたね。
――最近って、「みんなこういうの が好きだろうから」っていうセオリー にのっとって作るパターンをよく見かけるけど、この作品はむしろ、バンドからこちら側に投げかけてくるものじゃないですか。
💙Matsuri:「花冷え。」のスタンスはこのまんまです っていうのを提示する意味でも、すごくいいアルバムなのかなと思いますね。
💗Yuklna: 1曲1曲が濃すぎて、思い出もあるし、全曲最高です。
――「お先に失礼します。」で入ってきたファンさえも手に負えないかもしれない。
💗Yuklna: だって、「お先に失礼します。」のインタビューのときに、「これ、 ヤバくてついていけないよ」みたい な感じだったじゃないですか。
💜Hettsu:でも、それを聞きながら「や、もっとすごいの出てくるんだよな」って思ってました(笑)。
💙Matsuri:たしかに、ちょうど制作してたからね。
💗Yuklna: まだあるんだよ~って(笑)。
💙Matsuri:でも、そう言ってもらえるのは、こっちのやりたいことがちゃんと伝わってるっていうことだからすごく嬉しい。
――ところで、今回なんで「LOVE 乱舞」は入ってないんですか?
💙Matsuri:「入れようと思えば」って感じではあったと思うんですけど、 アルバムのキラキラした感じのテー マが固まってきてたのもあったし、 「LOVE乱舞」は、今回のコンセプト 的にはちょっとだけ外れてるかなっていう感じでした。
――今作を聴いて改めて思ったん ですけど、花冷えってメタル的なポーズを取らないじゃないですか。 それはなぜですか。
💙Matsuri:これはめっちゃ個人的な考えで、「メタルとはこうあるべきだ」。 みたいな固定観念がある人が多い気がするんですけど、私は「別にいろんなメタルがあってもよくない?」 と思ってるんで(笑)、メタル感をそんなに感じないのはそのせいかもしれないですね。私たち自身に「メタルとはこう」っていうのがない。
――歌詞も等身大じゃないですか。そういうこともあって、マインド的にはむしろパンクなのかなと思ったり。
💙Matsuri:根っこはそうかもしれないですね。
💗Yuklna: 憧れてるバンドとか、これ まで聴いてきた音楽でパンクとかメロコアの割合は高いし。
💜Hettsu:なんか、馴染みがあるっていうか。
💙Matsuri: 特にここ(マツリとユキナ)はバンクばっかり聴いてた時期が長いので、そういうのは歌詞にも出てるかもしれないですね。
――そもそも、なんで〈原宿コア〉な んですか?
💙Matsuri:それは海外のファンの方がつけてくれた名前で。
――あ、そうなんだ。
💙Matsuri:花冷え。の曲を聴いて、「これはこのジャンルだ!」って括りづらいと思うんですよ。だからたぶん、その人はジャンル名をつけようと思ってくれて、ハードコアのコアでもあるし、メタルコアのコアでもあるしっていうことで〈原宿コア〉って。 それを見つけてメンバー内で「いい やん!」ってなって、使いに使いまくってるっていう(笑)。
💗Yuklna: 海外だとラウド・ロックって括りはないじゃないですか。私たち 的にはラウド・ロック、ミクスチャーつ ていう意識でやってるけど、それが伝わらないってなると、向こうとしては私たちのことをメタルって言うだろうし、でもこっちとしては「メタルでもいいんだけど、うーん...」みたいな。そういう認識の違いを埋める意味でも〈 原宿コア〉って生み出しちゃったのはいいなと思いますね。
💜Hettsu:原宿の何でも受け入れる感というか、そういう感じは花冷え。に合ってると思いますね。原宿って流行りは全部取り入れるじゃないですか。今は気づいたら韓国だし、カラフルな食べ物があったり、何でもありますからね。
――ヘッツさんにとって原宿はどん な存在ですか?
💜Hettsu: もう、ガチガチですよね。原 宿の文化を見て育ったみたいな。
💙Matsuri:じゃないと、こうなりませ んよね(笑)。
💜Hettsu: もう、すごい好きで、小中 高ってYouTubeでデコラみたいな原宿ファッションをしたりメイクをする人たちの動画をバーって見漁っ て、「いつかこういうことしたい!」っ てずっと思っていて、気づいたら自分もそうなってた。
――じゃあ、〈原宿コア)っていうの は、ヘッツさんのイメージとイコールなところがあるんですね。
💙Matsuri: たぶん、海外の人からした らかなり衝撃だと思うので。
――でも、海外ではメタルって呼ぶ けど、日本で花冷え。のことをメタ ルって認識するファンは少ないですよね。それが今の花冷え。の海外 人気につながってるというか。向こ うにラウド・ロックって言葉はない 全部メタルって言ってくれるから、 それが逆に強みになってると思うんですよね。
💗Yuklna: 受け入れてもらいやすいというか。
💙Matsuri: 新しいとも思ってもらえるよね。
――この流れでヘッツさんにもいろいろ聞きたいと思います。花冷え。 の美的感覚というかヴィジュアル面 はヘッツさんが中心になって構築さ れてると思うんですけど、どういう ところからの影響が大きいんですか?
💜Hettsu:幼い頃から絵画教室に通わせてもらったり、美術館とかに行かせてもらったりしていて、美術部にも入ってたんです。色彩がすごく好きなんですよね。あと、服もすごく好きなんで、ファッション・ショーとか見たりしていろいろ磨いてます。
――ヘッツさんの場合、そういった 経験から生まれてくるものが独特 ですよね。直接的な影響が見えてこないし、オリジナルだなって。
💙Matsuri:自分も何かを表現するときに ”これ” っていう説明ができなく て。たとえば、衣装を作るときも頭の中にあるごちゃごちゃしたものを 最後まで形にすることで、やっと自分のやりたかったことをみんなに提示できたり。なんか、常に頭の中がごちゃごちゃしてます。
――自分でも把握しきれないんだ。
💜Hettsu: ふんわりと、そこら辺がこんな感じでこんな感じで・・・・・みた いなイメージはあるんですけど、それを言葉で表現するのって難しいじゃないですか。
💗Yuklna:でも、結果的にそれぞれに合ったもの・・・・・たとえば「NEET GAME」のMVの衣装も、「これ、どうすんの? どうすんの?」みたい になったけど、結局「めっちゃいいじゃ ん!さすが!」ってなったし(笑)。
💙Matsuri:そうやって最終的にはまとまるので任せてるところはありますね。
――ヘドバンが激推しし続けてきた。 「現代メタル」の体現者たち
💜Hettsu:だから、みんなに合うものは常に考えてますね。どういう方向性でいくほうがいいのかとか。
――それって年齢で変わってくるものですか? それとも花冷え。の バンドとしての立ち位置で変わっくるんですか?
💜Hettsu: 両方ですね。まだ花冷え。 にはこの先長い道のりがあるじゃないですか。だから、「今はこの段階だからこれくらいにしとこう」とか、 今の自分たちはまだ若さを全力で出せる時期だと思うんで、そういうフレッシュな感じをどれくらい出せるかとか考えてます。もちろん、ウチらはおばあちゃんになるまでやるつもりなんで、歳を重ねるにつれて大人の女性感を出していく時期も来るから、年齢とキャリア、というか立ち位置は意識してます。あと、そのときによって自分らのテーマが変わるんですよね。
💗Yuklna:たしかに。
💙Matsuri:バンド内での流行りもあるもんね。
💜Hettsu:そうそう、そういうのも意識していろいろやっていきたいなって。
――人生設計ばりに衣装プランがあるんですね。
💜Hettsu:ちゃんと考えてやりたいなって思ってます。自分は見た目から入る人間で、パケとかヴィジュがいいと 「あ、いい!」ってなっちゃうし、そういう人って他にも結構いると思うから、そういうところにこだわっていきたいなって。
―ヘッツさんから見て、チカさんはどういう印象なんですか?
💜Hettsu:チカちゃんは、まだまとまりきってなくて。内面的にわかってない部分がまだ多すぎるから、とりあえず清楚な黒髪の感じも残しつつ、ちょっと激しい要素を入れて、でも最終的にキレイにまとめあげ たいなって。あと、今一番悩んでるのはライヴでの髪型ですね。
💗Yuklna:悩んでますね。
💜Hettsu:その辺をちゃんと考えたいなって。でも、チカちゃんも自分でいろいろできそうな雰囲気があるんで、 チカちゃんが思い描いてるものとすり合わせながらやりたいなって。
――今のステージ衣装は?
💜Hettsu:今はスタイリストの方に全部委ねてます。でも、髪飾りとかは無かったんで自分で作りました。
💗Yuklna: リボンはヘッツが作ってくれました。髪の毛のセットもこういう風にして、とかディレクションしてくれて。
💜Hettsu:でも、その日によってユキナさんの 気分があるんで。
―あはは!
💗Yuklna:会場とか対バンによって変えるんですよ。リボンをつけないときもあるし。
💜Hettsu:そうだったっけ? まあ、 対バン相手の要素を入れたい気持ちはわかる。例えば、対バン相手ポニーテールだったら、 ユキナもポニーテールにするし。
――サタニックのライヴを観ていて思ったけど、今の衣装は大きいステージで映えますよね。
💜Hettsu:本当にそうですね。
💗Yuklna:派手だけどちゃんと写真映えするし、すごく合ってると思い ます。
――それにしても、海外ツアーのスケジュールがエグいですね。
💗Yuklna:アメリカがヤバいですね。 どうする?
💙Matsuri:どうしよう(笑)。未知数ですね。
💗Yuklna:とりあえず、風邪とかひかないように体調管理ですね。慣れない環境だと絶対何かあるとは思うので、みんなで協力します。今、何を持っていけばいいのかなってワクワクしてます。「ドライヤー、誰持ってく?」とか(笑)。
――アメリカ・ツアー最後のサクラ メントで開催される「AFTERSHO CK FESTIVAL」なんてボロボロになってるんじゃないですか(笑)。
💗Yuklna:もう怖いですよ(笑)
💙Matsuri: 本当に怖い。
💗Yuklna:でも、実は真ん中くらいが一番キツいんじゃないかなとあもっていて。
💙Matsuri:ああ、逆にね。
💗Yuklna: 最初は6日間連続とかあるし。そんなの日本でもやったことない。
💙Matsuri:でも、いろんな困難に立ち向かって乗り越えてきたのが、花冷え。 なんで、きっと大丈夫でしょうっていう気持ちもあります。
💙Matsuri:最強になって帰ってこれそ う。「なんも怖くない!」くらいになってそう(笑)。
💗Yuklna:これだけライヴを海外で、出来るあたがたさの方が大きいです。
――向こうのプロモーターも優秀ですね。
💙Matsuri:いや、本当にびっくりしました。トレバーさんっていう方が担当してくれてるんですけど。
💗Yuklna:「海外で、何て言えば盛り上がりますか?」 って聞いたら、「『ファッキン!』って言っとけば大丈夫だから」みたいな感じで。
💙Matsuri:「いける、いけるよ」ってね(笑)。
💜Hettsu:日本酒飲みながら言ってた(笑)。
――地獄のようなスケジュールだけとど、言い換えると、これって今しか出来ない経験でもありますよね。
💗Yuklna: そうですね。しかも、ベルリンだけじゃなくて、フランクフルトとウィーン、ロンドンがソールドアウトして。
――ええ~?!? ドイツは2会場と もソールドアウトなんですね! しかもロンドンまでも!
💗Yuklna:日程も関係してるのかもしれないけど。
💙Matsuri:でも、ドイツはチャートインしてるから。
――名古屋よりドイツやイギリスの ほうがチケットが売れてるって、こんな バンドいないですよ。
💙Matsuri:本当ですよね!(笑)
💗Yuklna:未知数な現象が起こってる(笑)。
――アルバムがリリースされたら、もっとそういうことが起きますよ。
💗Yuklna:どこで誰がどう聴いてくれてるのかよくわかんないよね。
💙Matsuri: コメントとかでは目に入っ てくるけど、国の数が多すぎて本当にざっくりとしかわかんない。たぶん、 現地に行って初めて実感すると思 います。
――どんな感じになって日本に帰っ てくるのか楽しみですね。作る曲も変わってきそう。
💙Matsuri: 花冷え。節は絶対残ると思うんですけど、またいろいろ思いつきそうですね。いろんなアーティス トを観る機会が多いだろうし。
――バンドとして、めちゃマッチョになって帰ってくることになりますから。
💜Hettsu: 普通の人が何年もかけて経験するような事を、たった2、 3ヵ月で詰め込まれるわけですもんね。
💙Matsuri:この年齢でそういうツアー に行けるのもすごく大きいと思ってます。
――日本でのツアーの組み方もガラッと変わるでしょうね。
💙Matsuri:あ、たしかにそうですね。
💗Yuklna:楽しみです。フェスに呼んでくださーい!
――フェスに関しても来年は環境がまったく変わるでしょうね。
💗Yuklna: そうなりたいですね。海外 にも行きたいし、国内もガンガンやりたいし。
――インタビューはこれで終わりで すけど、難なく3時間も話が聞けちゃうんだからすごいバンドだし、す ごいアルバムですよ。
💗Yuklna:あっという間でしたね!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?