DRWの牧野健一郎_10月23日引け後市場分析?

DRWの牧野健一郎_10月23日引け後市場分析?

 DRWの牧野健一郎_10月23日引け後市場分析?
5分足チャート
東京株式市場で日経平均は、前営業日比259円81銭安の3万0999円55銭と、3日続落して取引を終了しました。終値で3万1000円を下回るのは10月6日以来。軟調だった前週末の米株市場の流れを引き継いだほか、米長期金利の動向や中東情勢など外部環境の不透明感、アジア株のさえない動きも相場の重しとなった。東証プライム市場の売買代金は8月29日以来、約2カ月ぶりに3兆円を割り込んだ。
日経平均は前営業日比107円安で寄り付いた後、後場に心理的節目の3万1000円を下回り、285円安の3万0974円26銭で安値をつけた。その後は値を戻したものの、大引けで再び3万1000円割れとなった。この日の高値と安値を差し引いた値幅は約200円となり、値動きの少ない相場展開となった。
TOPIXは0.75%安の2238.81ポイント。東証プライム市場指数は前営業日比0.75%安の1152.18ポイントだった。プライム市場の売買代金は2兆8792億0100万円だった。東証33業種では、値下がりは石油・石炭製品、鉱業、鉄鋼、卸売、機械などの30業種。値上がりは医薬品、水産・農林業、食料品の3業種にとどまった。
物色動向としては、半導体や電子部品などハイテク銘柄が売られ、医薬品株などの内需株が買われる動きがみられた。前週末の米国株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合が1%超安となったことが材料視されて売られてしまった形になった。
海外勢が少ない週初めの相場で株価が下落しており、弱気サインを示している状況である。米長期金利の高止まりで、米ハイテク株は週内にも一段安になる可能性があり、先行きが不安視されているかもしれません。
主力株では、ファーストリテイリング、アドバンテスト、ソフトバンクグループが軟調。トヨタ自動車も売られた。時価総額上位銘柄や日経平均の指数寄与度の高い銘柄は総じてさえなかった。半面、第一三共、アステラス製薬、アステラス製薬は買われた。
新興株式市場は、マザーズ総合が3.33%安の635.4ポイントと、4日続落し、2022年6月以来の低水準となった。米金利が高止まりする中、新興市場資金流出が続いているので、新興株式市場への投資は避けましょう。
 
為替市場
 

 
1時間足チャート
23日午後の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、売買材料が乏しく、1ドル=149円台後半でこう着している。午後3時現在は、149円92~93銭と前週末(午後5時、149円96~96銭)比04銭の小幅ドル安・円高。
 午前は手掛かり材料を欠く中、149円80銭台で小動き。午後は時間外取引の米長期金利上昇を眺めてやや買われ、149円90銭台で推移した。
 ドル円は引き続き、政府・日銀による介入警戒感や中東情勢の悪化を受けて上値追う勢いが乏しい一方、ドル売り・円買い材料も見当たらないことから、149円台後半で動意薄となっている。ニュージーランドや香港などが休場で取引参加者が少ないほか、来週に日米の金融政策会合を控えていることも、手控えムードを強める要因となっている。
 午後2時半すぎには、10年債利回りが日銀の政策修正観測などを背景に0.860%と約10年3カ月ぶりの高水準を付けたが、ドル円に目立った反応はなかった。現在、レンジ相場が続いているが、週明けの海外市場で動意付くか見極めたいと考えている。
 
ビットコイン市場

 
1時間足
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比1.4%高の1BTC=30,500ドルになっている。
コモディティ市場では、中東を中心とする地政学的リスクのほか、インフレの高止まりや世界経済の不確実性、米財政を巡る懸念などの課題を踏まえ、金(ゴールド)価格が高騰している。以前まで相関関係にあった米主要株指数が下落しているにも関わらず、ここのところはビットコイン(BTC)も上昇基調にある。
FRB(米連邦準備制度)が利上げ局面の長期化を示唆し、米国の債務が急速に拡大するなど金融マーケットの混乱を招いていることを受け、ビットコインもインフレヘッジの避難先の一つとして見られた買いが入っている。
暗号資産(仮想通貨)業界への締め付けを強めていた米SEC(証券取引委員会)がグレースケールの投資ファンド「GBTC」のビットコインETF(上場投資信託)転換を巡る裁判やリップル裁判でいずれも劣勢に立たされていること、最大手資産運用会社ブラックロックなどが申請するビットコインETFの承認期待が過去最大級に高まっていること、翌年に4年に1度の「半減期」を控えることもビットコイン相場を後押しした。
ビットコインETF(上場投資信託)は、早ければ数ヶ月以内に承認される見通しと予想している。
一方、日足チャートでヘッドアンドショルダー(三尊天井)形成される可能性が残されているので、今後の値動きについては慎重な見方をしておくべきでしょう。
相場の過熱感を示すRSIは74.2の高水準に達しているほか、TDシーケンシャルインジケーターで売りシグナルが点灯する兆しがあることを指摘。日足終値が31,560ドル水準を超えてトレンド転換を明確にしない限り、いつ調整が入ってもおかしくはないので、下落の方向も視野に入れてトレードはした方がいいでしょう。
中東情勢の悪化で原油価格が1バレル当たり150ドルまで急騰すれば、世界経済の成長率が1.7%に低下する可能性がある。これは、世界の生産高を1兆ドル減らす不況に陥る可能性を示唆するものになります。
紛争がレバノンやシリアなどの近隣諸国まで波及し、イスラエルとイランの代理戦争の様相を呈した場合は株式市場の低迷につながり、暗号資産(仮想通貨)市場も追従する恐れがある。引き続き中東の動きは確認しておきましょう。

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