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お気に入りの屋上で… 第7話

この頃…
スタッフのストレス解消や仲間同士の親睦を深める事を目的として…
職場でカラオケ交流会が…
度々行われるようになった。
実際…
カラオケ交流会が行われるようになってから…
スタッフのとげとげしさも幾分か和らいだ気がする。
まあ、
自分にとってもストレス解消に一役買っているし…
同僚の歌の好みや上手さ下手さも把握できるので悪くないものである。
歳を重ねてベテラン勢になってきたのは否めないが…
あんまり古臭い曲ばかり歌って…
これ以上オジサン・お爺さん扱いされても困るので、
上手く歌えそうにない可能性も…
頭の片隅に過ぎりながらも…
流行遅れにならないように何曲か織り交ぜてみる。
屋上で…
こっそり練習し続けていた甲斐はあろうと言うものだ…
尤も…
この頃は…
私が屋上で歌の練習をしているのは…
屋上に来るメンバーにしてみれば当たり前の光景になりつつある。
最初は冷やかしや興味本位で近付いてきた輩も…
カラオケ交流会での印象が勤務後のモテ具合にも影響しだしたのか…
自分達の練習に集中しだして…
こちらの事なんざ…
もうお構いなしである。
彼らにとってみれば天国と地獄の分岐点になり出したのだから…
当然と言えば当然なのだが…
彼らにも…
お目当ての人がそれぞれいるらしい。
公式な大会と言う訳でもないのだが…
やはりお目当ての同僚とかには好印象を与えておきたいのだろう。
分かる…分かるよ…若人よ…
そう思ってしまう時点で…
もうオジサンくさいのだが…
後輩の様子に見入り感情移入している彼には…
その事には気付かず仕舞いなのである。

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