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mokume1shine
舟編みの人～第25話・この気持ちを止める方法を教えてくれ
朝倉
「どこかの俳優さんが『とどまることを知らない』は何だか可笑しいと言っていたのだが…」
伊島
「慣用句としては『止まる所を知らない』ですね。」
朝倉
「多分…Mr.ChildrenのTomorrow never knowsの歌詞から広まった表現だろうな…」
伊島
「あの曲の中では…『止まる所を知らない』では…しっくりきませんね。」
朝倉
「誤用と言ってしまえばそれまでだが…
詩の中から新しい表現や言葉が生まれる事もある。
正しくないからと言って表現の幅を狭める事が果たして良い事なのだろうかとも思う。」
伊島
「井上陽水の少年時代の歌詞の中にある『風あざみ』もほぼ造語的な表現ですからね。」
朝倉
「今のヒットソングみたいに、
音に字だけを当てはめて意味などない歌詞よりも…
よっぽどマシだと思うけどな。」
伊島
「でも意味なんか考えずに…
ただただリズムに乗って騒ぎたい時もありますよ…
特に自分の中でどうにも説明の付かない感情が湧いてくる時とか…」
朝倉
「年を取ってくると説明出来ない感情を抱え続ける事は…
苦痛になってくるからな…」
伊島
「もしかして新人との接触とかを避けているのは…
そうした理由からなのですか？」
朝倉
「与那嶺君あたりは、ある程度予測がつくから良いんだよ…
寧ろ…泉…お前の最近の行動の方が…
いや…それに向き合う俺の感情の方が何だか訳が分からんよ…」
伊島
「じゃあ…カラオケにでも行って…その感情の正体確かめてみます？」
朝倉
「これ以上、俺の情緒をかき乱してくれるな…」
伊島
「先輩の初々しい反応…当分の間楽しませてもらいます。」
朝倉
「心のままに生きている君が羨ましいよ…」