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#1 スマホのもたらす未来とわたしたちの仕事

スマートフォンはおそらく21世紀で、もしくは有史以来、最も人の生活を「高速に」かつ「ダイナミックに」変えて行った装置でありインフラだ。それ以前のタッチパネル型PDAで成し得なかったことを、「スマートフォンという象徴的ハードウェア」と「それを成り立たせるソフトウェア流通プラットフォーム」および「通信インフラ」の組み合わせは、軽々と超えていった。たった10年で劇的に世界の全てを作り変えて行った。もはやIoTによる技術革新は我々の生活習慣と文化を不可逆なほどに変えてしまった。

落合陽一「デジタルネイチャーと身体性」[2017: p.3]

 スマホはわたしたちの生活に溶け込み、なくてはならないものとなりました。スマホのない生活はもう今や考えられません。わたしたちといつも一緒にいて、わたしたちを世界とつなげてくれている存在、それがスマホです。わたしたちは進化を遂げたのでしょうか。これがわたしたちの進化なのでしょうか。スマホのない時代と今とではなにが変わり、なにが変わっていないのでしょうか。わたしたちに今、なにが起きているのでしょうか。現代に生きるわたしたちは、これから起きる〈大きな転換〉に向けて準備をしなければなりません。そして、その〈大きな転換〉というのは、今すでに起きつつあるものなのです。まだ未来の話だというわけではありません。それをお知らせしたいのです。これからのわたしたちの生きかたは変化を求められます。それは避けられません。あらゆる人々がふるいにかけられるのです。そのとき、あなたはどのような人生を送っていると思いますか。

 スマホによるユビキタス社会が到来しています。わたしたちはスマホに縛られているのです。ただ、これは悪いことではありません。あらゆることには良い面と悪い面があります。現行のシステムが今後さらに進化していったとき、わたしたちの生きかたも変わっていきます。そして、ベーシックインカムがもしも導入されるようなことがあれば、わたしたちは働かなくても生きていくことができるようになります。と同時に、それはこれまでのような仕事がなくなる世の中になっているということを意味します。現時点ではまだベーシックインカムを実行するには無理があるでしょう。しかし、今後ベーシックインカムが可能な世の中になったとき、現在ある仕事はことごとくAIがこなすことになり、わたしたちは働きたくても働けない状態になります。そのとき、わたしたちはなにをすればよいのでしょうか。

 ベーシックインカムによって最低限の保障があるので、それを節約しながら生きていけばよいのでしょうか。そのような生きかたはユートピアでしょうか、それともディストピアでしょうか。あなたはどちらだと思いますか。

 未来をディストピアにしないために、わたしたちは働く必要があります。仕事を見つけるのです。その仕事とは、AIにはできない仕事です。それは与えられるものではありません。自ら求めていくものです。ただ、今のようにやりたくない仕事をする必要はないのです。やりたいことをやればよいのです。自分のやりたいことを仕事として、能動的に働き、経済活動をおこなっていく、ということです。そこには、自分自身の個性が反映されます。誰かに「これをやればいい」といわれてやるような仕事ではありません。積極的にやりたいと思えるような仕事です。この「能動的に」というのが重要なところです。やりたいことというのは、つらいことや困難があったとしても、なんとか乗り越えようと努力をすることができます。そこにやりがいが生まれるのです。自分にとってやるべき目的があるものだからこそ、がんばることができるのです。自分のためというよりも、もっと大きな目的のために自分を燃やすことができれば、そのために働くのが一番です。そのような働きかたとは、能動性のうえに個性を積み上げたものというイメージです。それによって経済を回していくのです。それが〈これからの時代〉の仕事です。

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