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シンギュラリティ後の世界

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「シンギュラリティとはなにか」「シンギュラリティまでの世界をどう生き残るか」について考察します。
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#能動性

#4 受動的な心地よさよりも、能動性によるオリジナリティを

 わたしたちはあまりにも多くの情報を得ることができるようになりました。こんな環境になるとは、少し前までは考えられなかったことです。そして若い世代は、その大量の情報をいきなり与えられたわけです。長い年月をかけて蓄積されてきた情報の濁流をすべて飲み込んで、文脈に沿って整理することはかなり難しいのではないでしょうか。となれば、彼らは「フェイク/ファクト」という視点での判断ができなくなっていると考えられます。その結果、自分にとって「心地よいかどうか」という尺度で測るしかなくなっている

#5 受動的な働きかたから、能動的な働きかたへ

 これからわたしたちの社会は変化していきます。恐らくそれは生成AIが発展していくことによって進んでいくことになるでしょう。そして、その変化は人間の生きかたをどのように変えていくのでしょうか。ベーシックインカムが施行された未来においては、人々にとっての「労働」の意味が変容することになると思います。わたしたちは生きるために働き、その労働の対価として賃金をもらっています。もしも、その賃金を働かなくてももらうことができるのならば、そのときあなたは今やっている仕事をまだつづけますか。こ

#6 〈シンギュラリティ後の世界〉をディストピアにしないために

 これからわたしたちが迎えることになる〈シンギュラリティ後の世界〉は、わたしたちの予想を大きく超えたものとして、わたしたちの眼前に現れることになるでしょう。そのとき、わたしたちは恐れおののくことしかできないのでしょうか。たしかに〈シンギュラリティ後の世界〉において、わたしたちのこれまでの仕事はほとんどなくなるでしょう。しかし、それは同時に大量失業を意味することにはなりません。それは、この〈シンギュラリティ後の世界〉においては、労働の概念が一新されているからです。下部構造の労働

#7 どんな未来になっても見失ってはならない人間の気高さ

 今後、予想もつかないような姿に変容するであろう未来の社会において、わたしたちはどのように生きていくべきなのでしょうか。シンギュラリティは、今ある社会システムが「より便利になる」程度の変化のことではないのです。わたしたちの想像を超えてくるようなものです。なので、今の社会システムにおいては難しいことも可能になるはずです。そのとき、どんな世界が広がっているのか、見当もつかないというのが本音なのです。そして、シンギュラリティはある日を境に「今日から新しい世界です」となるわけではあり

#8 シンギュラリティの効果と人間の選択肢

 シンギュラリティはまだ起きていないという意見もあれば、すでに起きているという意見もあります。どちらも正解だと思います。シンギュラリティの効果は、グラデーションでわたしたちの生活を変えていきます。これからもっとわたしたちの生活スタイルは変化をしていきます。想像もつかないような世界になることでしょう。それは、ありきたりなSF映画のように、今のわたしたちの生活スタイルがより機械化されるということではないのです。そういった一面もたしかにあると思います。しかし、それはシンギュラリティ