【食】フィンランドの春の味・ルバーブ
長い冬が明けて、緑が急に湧き出す春。
そんなフィンランドでの春一番の果物は?と尋ねたところ、
「うーーん、ルバーブかなぁ。」と言われました。
フキに近い見た目の大きな葉っぱを持った植物です。和名では、ショクヨウダイオウと呼ばれるそうです。
食用部は、実ではなく(果実はできない)、フキのように茎の部分を食べます。
そのままでは、酸っぱいので砂糖をたっぷりと加えます。
砂糖を加えて加熱すると、繊維が崩れてみずみずしくて柔らかな、甘酸っぱい味が広がります。
今では、私の大好きな食べ物の一つにランクインしました。日本に帰ったら、育てたい植物リスト入りもしました。
寒くなると葉を落とし、雪の下で冬を越します。
雪が溶け春になると、ピンクがかったかわいらしい、新たな葉を出してぐんぐんと成長します。
茎が十分伸びしだい、引っこ抜いて収穫します。
ちなみに、茎の基部をナイフで切るよりも、引っこ抜いた方がきれいに取れます。
春一番のルバーブは、周りの皮も柔らかいので、皮をむかずにそのまま調理できます。
夏になるにつれ、皮も硬くなっていくので、剥いた方がよくなるでしょう。
さて、私の好きな食べ方をいくつかご紹介します。
1.シンプルにコンポート
切ったルバーブと砂糖を加熱します。レンジでチンするだけでもオッケーです。でも、鍋で調理するとよりおいしく感じちゃうんですよね。フィンランドスイーツではおなじみの、カルダモンをスパイスとして入れちゃうと、最強のコンビです。
2.フレンチママのルバーブクラフティ
私のフランス人のホストマザーの作るルバーブクラフティ。卵、牛乳、砂糖、小麦粉のシンプルなカスタードのクラフティ生地と甘酸っぱいルバーブのみずみずしさが絶妙な組み合わせです。
3.ルバーブパイ
ホストマザーが作るルバーブパイは、彼女のアメリカ人のおばさんのレシピです。メーデーのパーティーでは、毎年彼女のパイがデザートとしてふるまわれるそうです。タルト生地にオレンジピールのかおる甘いフィリングとルバーブとイチゴを乗せて焼きます。口に入れた瞬間に、フルーティーで甘い幸せな味が広がります。
フィンランドでのWWOOF先で学んだルバーブパイは、フィンランドの黄な粉ことタルクナ入りの素朴な味の生地のベースに、サワークリームなどを混ぜたフィリング、加熱したルバーブを乗せて焼く、コクがありながらも優しく、さわやかな味についつい食べ過ぎてしまいます。
ルバーブケーキやクランブルもいただきましたが、どれもおいしかった!
植物の育たない長い冬が明けてから、ベリーやリンゴなどの果物がなる夏の終わりまでは、1年の中で明るく温かな大事な時間でしょう。だからこそ、その期間に、ルバーブで作るおいしいお菓子は食卓を豊かにしてくれる一つの秘密でしょう。
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