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北海道が好きになったわけ27
僕らの大学は名前の通り短期大学なので、1年生と2年生しかいない。
けど同じ5部リーグには医療系の大学もあり、そうした医療系大学は6年制だった。つまり、大学に入ってからテニスを始めた人も卒業する頃にはテニス歴6年になるのだった。
高校から始めた人だって短期大学卒業する時、テニス歴5年なのに。なんかズルい。
しかも医療系ってことは頭が良いわけで。僕らの最大のコンプレックスをツンツン突かれる感じ。
しかもしかも女子部員もいるし、女子マネージャーもいる。
なんかありとあらゆる所が負けてる気がして、仕方ないからコッチは眉間に皺寄せてガンつけるしか無いわけで。
そういえば、跡見さんと僕のウォームアップは黒になった。
村岡さん、マサールさん、谷中ちゃんの経験者と軟式国体経験者の小浜は、真っ当なウォームアップ。跡見さんと僕は持っていなかったので先輩と一緒に買いに行った。
「おー、跡見はコレかな。シャケはコレ似合いそうだな」
「おー、イイじゃん。2人ともコレにしろよ」
というわけでニコニコと黒のウォームアップしか勧めてくれなかったので、必然的に黒チームに入って先輩達と一緒にガンつけてました。
ちなみにマッスルボーイ・チクリンは、筋肉の鎧があるから要らないそうです。マジか。
医療系大学チームの応援は横文字が多くてなんかイラついた。
いや、「ナイスショット!」も「ドンマイ!」も横文字だけど、なんか俺達は普段使わないような「Be careful!」とか、「Be Smile!」あとは「ドンマイ」じゃなくて「Don't mind!」とか。あとは、、、あとは発音良くて聴き取れなかった。チクショー。
シングルスの3番手で試合に出ていた師匠・谷中ちゃんが足首を捻った。その途端に
「M T O3分測ります!」
はあ?えむてーおー?
今なら「メディカルタイムアウト」って分かるけど、その頃はそんなもん知らず、治療時間3分ていうことも知らなかったので、何もせずに時間計測だけする向こうチームの爽やかなヤツに向かってヤジるしかなかった。
「残り2分30秒です!」
「ああ?るせーぞ!コラ💢 谷中ちゃん痛がってんだろうが💢」
「残り2分です!」
「テメー、何測ってんだよ💢ざけんじゃねーぞ💢」
「残り1分です!」
「ちょっと待てっつーんだよ💢」
ってギャーギャーしてるうちに、谷中ちゃんは治療を受けられずにそのまま負けた。
帰りがけに顧問の山里さんが向こうの顧問に
「ウチの若い衆が騒いで悪かったな」って仁義を切ってくれたから大した問題にならなかったけど、普通に考えたらリーグから出入り禁止になるとこだった。
そういえば、山里さんは試合の時は流石にスーツでは来てなくって、ウォームアップで来ていた。
もちろん、山里さんも黒。
なんだろ?なんか違うよな〜。なんだかな〜。