1.「タピオカ屋はどこへいったのか?」菅原由一(著)

 振り返れば私が住む地方都市でもタピオカに前後して高級食パンやシュークリームのブームがあった。コロナ感染症流行下で外食を控えていたころに唐揚げ屋があれよあれよと増え、おにぎり屋も更に見かけるようになった。それらは今後どう変遷していくと予想されるのか。

 「タピオカ屋はどこへいったのか?」菅原由一(著)は元税理士で現在はコンサルタント業を営む著者により浅く広く商売のコツが書かれている。ソロ活、多様性、サードスペース、既婚者マッチングなど近年の変化を物語る言葉を思い浮かべながら、この先の流行を予想してみる。

 パーソナライズされていようとも大量の情報にさらされる中で情報を見分けることに負荷を感じる人が増えているのではないか。情報リテラシーがない状態を情弱と呼ぶことは簡単であるが、ディープフェイクなどの登場により誰であっても騙されかねない状況というのもある。
 また町内会や消防団・檀家制度などが廃れ個の生活が尊重される一方で、こども食堂やマグネットスペースなどしがらみから解放された地域的つながりの価値も認知されてきている。個が尊重されつつ弧に陥らずにすむ信頼を基調としたコミュニティとでも言うのか。
(500文字)


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