20映画「キングダム 大将軍の帰還」

 映画版キングダムにおいて王騎将軍は1作品目から登場し異様な存在感を漂わせている。正当な秦国所属ではなく私兵を率いている姿は雄大ではあるが不気味さも持ち合わせている。
 私欲で動くタイプではないことを威風が語っているが、かと言って純朴なお人よしではなく抜け目のない計算高さや、相手が一国の王であろうと謙らない威厳は逆に危険さも感じさせる。

 また10万規模の兵がぶつかり合う戦が紀元前に中華の地で行われていることも驚きである。五人の歩兵からなる伍の一員を経て、主人公の信は既に3作品目では百人将になっている。この上には更に三百人将、千人将と幾つもの階段がある。
 将軍とは5千人将の上格、1万人を指揮する立場であるようだが、天下の大将軍とは正に10万人を指揮できる人物を指すのだろうか。単純に従える兵の数ではなく品格をも意味している響きがある。

 キングダムでは、何のための戦なのかという意義や、戦略・占術の意図が丁寧に説明されている。そこが曖昧になったのではストーリー的についていけなくなるので当然と言えばそうかもしれない。
 で王騎が戦う意義、どのような王なら自らが仕えるに値すると考えているのか興味深い。

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