予感

発表から1週間。仕事の依頼が続いた。単発の物から、定期的なものまで。責任者は契約に奔走していた。なんかすごい事になっている。フィーバーだ

責任者から、〇〇さんを5階から1階まで移送してください。エレベーターはありません。と言ったように次々仕事が埋まっていく。

土屋とグランスはその日を境に、売れっ子の仲間入りをした。たった1回のプレゼンでである。終わると、次。また次と移送の仕事。時には1人での仕事も入った。

「3階の部屋から1階までおんぶして連れて行ってください」というおじい様。訪問すると、酸素ボンベを持たれており、これも一緒にお願いしますと言われる。大丈夫か…と思った。

こうして、会社にいる時間も減ったので、心も幾分楽になった。土屋と移送終わりに食べるたこ焼きが楽しみだった。戦友と言うか…絆が深まっていった。

これなら絶対大丈夫。もう天職だと思い、やっていけるという予感がした。未来への兆しが見えた。

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