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脳梗塞の点滴の業務の実際

私の病棟では脳梗塞の患者は発症48時間以内なら点滴でアルガトロバンナトリウムをつかいます。

その後オザグレル、エダラボンを使うのが一般的な流れです。
アルガトロバンナトリウムは抗凝固薬でオザグレルは抗血小板薬と言って簡単に言うと血栓できないように凝集作用を抑制する薬です。
エダラボンは脳梗塞が起きた周囲の脳実質にフリーラジカルっていう溜まりすぎると毒になるやつが溜まって脳壊死するのを防ぐ薬です。
ちなみにアルガトロバンはビカネイトなどの輸液に混注して投与します。流量は大体指示があるので輸液ポンプで落としたりします。

ここからはほぼ引用ですが、血栓には、血小板を主とした白色血栓と、赤血球も巻き込んで血栓ができる赤色血栓があるそうです

白色血栓は、動脈硬化等が起き、血管壁に器械的刺激が加わった場合に血小板が凝集します。血流が速い部分にできるため赤血球は加わることなく、血小板が中心となった血栓です。血小板を中心としてできる血栓であるため抗血小板薬による改善を期待します。

赤色血栓は、心房細動等によって、心房内といった部分で血流が乱流化し流れが渦を巻くような状態になると、滞留した血液で血栓ができます。これには赤血球だけでなく比較的時間がかかるフィブリンも凝集され血栓が形成されます。この場合は、抗凝固薬を使用して症状の改善を期待します。

脳梗塞はどのような血栓が関係しているのか


次に脳梗塞はどの血栓が関係しているか見ていきましょう。ラクナ梗塞は、白色血栓が関係しています。そのため抗血小板薬を投与することが多いです。抗凝固薬を併用することで再発を予防することもあります。

アテローム血栓性脳梗塞の場合も、基本的には白色血栓が関係しているため、抗血小板薬を投与します。ただし、アテローム血栓性脳梗塞の急性期の場合は、赤色血栓も含んでいることもあるため、医師の判断によっては抗血小板薬だけでなく抗凝固薬を使用することがあります。

心原性脳塞栓症は、心房細動等によって引き起こされる赤色血栓によって起こります。そのため、抗血小板薬は適応外で、抗凝固薬を使用します。

心原性脳塞栓症に対してオザグレルとアルガトロバンが適応外である理由


オザグレルは、抗血小板薬であるため、赤色血栓が主体となる心原性脳塞栓症の場合は、適応外となります。では、抗凝固薬であるアルガトロバンに適応があるように感じられます。

しかし、ここで重要になってくることがあります。心原性脳塞栓症の場合は、血栓によって、主要な脳血管が塞栓され、急激に症状が進行します。そのため、塞栓を起こした部分より末端側の血管も虚血に至るため脆くなります。

発症から時間が経過している場合は、アルガトロバン等を使用し血栓が溶解したのちに再開通すると、脆くなった血管が血流に耐えられず、脳出血のリスクが高くなります。

心原性脳塞栓症が発症した場合は予後が不良であることから、さらに脳出血を起こすリスクがあります。よって、確立されたエビデンスがなく、適応外であることが現状です。

でもそんなこと考えて業務はしないのでとりあえず脳梗塞にはアルガトロバン→オザグレル、エダラボンと覚えるのが無難です
また内服ならバイアスピリンやシロスタゾールなどがありこれも血液サラサラにする薬なので、覚えとくといいかもです。

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